ジャック・ニコルソンが初のオスカーを獲得した名作『カッコーの巣の上で』
ジャック・ニコルソン演じる囚人マクマーフィーは、刑務所の中での強制労働から逃れるために精神を患っていることを装い、まんまと精神病院に収監されることに成功します。
しかし、そこで彼が目の当たりにしたのは、人間性を無視した病院側の管理と、自分の意思を失い言われるがままに生きる患者の姿でした。
マクマーフィーの、病院管理に対する必死の抵抗に感化され、抑圧されていた他の病院患者たちも徐々に変化を見せていきます。
マクマーフィー/ジャック・ニコルソン
ジャック・ニコルソンは、俳優であると同時に、プロデューサー、脚本家、監督でもあります。この『カッコーの巣の上で』での囚人の演技でアカデミー主演男優賞を獲得しました。
1980年ではスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』における演技で強烈な印象を残しました。また、1983年の『愛と追憶の日々』にて2度目の主演男優賞受賞、1985年の『女と男の名誉』及び1987年の『アースウィックの魔女』等のコメディに出演、1989年には人気マンガを映画化した『バットマン』にてジョーカーを演じます。
1997年に入ってからも活躍は続き1997年ロマンス映画『恋愛小説家』にて3度目のオスカーを獲得します。
3回のオスカー獲得以外にも通算12回のノミネートを受けており、これは2016年現在での歴代1位の記録となっています。
2013年、アカデミー賞授与式において、最優秀賞のプレゼンターをミシェル・オバマ大統領夫人と共に努めました。
ラチェッド/ルイーズ・フレッチャー
『カッコーの巣の上で』では精神病院の厳格な管理人ラチェッドを演じ、アカデミー賞主演女優賞を獲得します。
その後、1978年のピーター・フォークと共に出演した『名探偵再登場』、同年のホラー映画の傑作『エクソシストⅡ』などに出演しました。
1984年のホラー映画『炎の少女チャーリー』のほか、1983年の人間の知覚伝達を扱った『ブレインストーム』、1986年のUFOを扱った『スペースインベーダー』等、SF映画にも多く出演しています。
また、1992年のテレビドラマ『ピケット・フェンス』では、エミー賞のノミネートを獲得しましたが、テレビでは『スタートレック』シリーズのケイ・ウィン役の方が、広く知られているところかもしれません。
ハーディング/ウィリアム・レッドフィールド
マンハッタン生まれのウィリアム・レッドフィールドは、子供の頃からブロードウェイの舞台で活躍する舞台俳優としてキャリアをスタートします。
『カッコーの巣の上で』では、精神病院の患者ハーディングを演じました。その後、映画の世界にも進出し1975年のこのヒット作品に巡り会いますが、翌年の1976年に49歳の若さで白血病により亡くなってしまいました。
1960年生まれの彼の息子アダム・レッドフィールドが俳優の後を継ぎ、『ファミリー・リユニオン』等のテレビドラマに出演しています。
ビリー/ブラッド・ドゥーリフ
1950年生まれの性格俳優のブラッド・ドゥーリフは、20歳を超えた1970年代に入ってから、舞台や映画で活動するようになり、この『カッコーの巣の上で』では自殺してしまう精神病患者を演じ、英国アカデミー賞助演男優賞を獲得。さらにアカデミー賞、助演男優賞ノミネートを受けます。
その後、1981年この映画と同じミロスフォアマン監督の『ラグタイム』、デビッド・リンチ監督の『デューン』等に出演、またホラー映画『チャイルドプレイ』シリーズにおいて、主役のチャッキーの声を演じ続けています。
チーフ/ウィル・サンプソン
ネイティブアメリカン俳優のサンプソンはこの映画で心の変化を見せる精神病患者を演じ、ブレイクしました。
その後、1970年代はクリント・イーストウッドともに1976年の西部劇『アウトロー』に出演、さらに1977年に動物パニック映画の『オルカ』などに出演します。
1986年に、『ポルターガイストⅡ』において、アメリカのシャーマンを演じますが、その翌年、心臓と肺の手術中に合併症を起こし、亡くなってしまいました。
エリス/マイケル・ベリーマン
生まれつきの外胚葉異形成症を持ち強烈な外見的特徴を持つマイケル・ベリーマンは、この『カッコーの巣の上で』で精神病患者を演じました。そして、その2年後に発表された『サランドラ』を皮切りに多くサイエンス・ファンタジー映画に出演することになります。
1985年のSFコメディ映画『ときめきサイエンス』、1986年のSF大作シリーズ『スタートレックⅣ』等のSF映画に出演。
2000年代に入ってからは、2012年の魔女を扱った『ロード・オブ・セイラム』等、特異の様相と長身を生かしたミュータントや怪物等の役により、SF及びホラー映画ファンの心をつかみ続けています。
テイバー/クリストファー・ロイド
『カッコーの巣の上で』では精神病患者を患者を演じたクリストファー・ロイド。彼を一躍有名にしたのは、1985年の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。この映画の中で、彼は個性的な博士ドクを演じ人気を不動のものにします。
その後、1989年の2作目、1990年の3作目、と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの全てに出演し、好評を博しました。
その他の当たり役としては、1988年のアニメと実写をミックスさせた『ロジャー・ラビット』、1991年のホラーコメディ『アダムス・ファミリー』、1993年『アダムス・ファミリー2』において、存在感のある個性的な演技を披露。2016年現在でもコンスタントに映画・テレビドラマに出演をし続けています。