『ドリーム』あらすじ・キャスト【2017年アカデミー賞ノミネート】
NASAを支えた黒人女性を描く!実在の人物をモデルに作られたヒューマンドラマ
アメリカ宇宙開発初頭のNASAで、極めて重要な役割を果たした3人のアフリカ系アメリカ人の黒人女性を追う『ドリーム』。2017年1月に全米公開されるやいなや、数々の賞にノミネート、受賞をしています。 かつて、アメリカ人宇宙飛行士として大きな功績を残したジョン・グレンを陰で支えた実在のNASA職員、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メリー・ジャクソンを基にこの映画は作られています。
女性の社会進出はまだ、人種差別を許す法律が存在した時代に、NASAの職員として大きな貢献をしていた黒人女性の奮闘を描いたこの作品は、大手映画レビューサイト“Rotten Tomatoes”の評論家やレビュアーからも、共に90%超えという高評価を得ています。
映画『ドリーム』のあらすじ
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— Hidden Figures (@HiddenFigures) November 25, 2016
1961年、白人と黒人で洗面所やレストラン、バスの席まで分けられていた時代。ロシアとの宇宙開発宇競争に奔走するNASAに抜擢された天才数学者キャサリンを始め、エンジニアのドロシー、メリーは宇宙船開発に従事していました。 しかし、当時顕著だった人種差別はNASAでも行われており、さらに女性の社会的地位が確立していなかった社会の風当たりは、3人にとって厳しいものでした。キャサリンはミーティングに出席することも許されず、トイレのためにわざわざ別館へと足を運ばなければなりません。
それでも持ち前の明るさと知性で逆境を乗り越え、アメリカの歴史的快挙“有人宇宙飛行計画”を支えた女性達の力強さを描いた物語です。
逆境に負けない!力強い女性を演じた女優陣
キャサリン・ジョンソン役:タラジ・P・ヘンソン
女性で初めてNASAのロケット飛行調査チームに参加した天才数学者。機械による自動計算の導入がまだだった時代、キャサリンは複雑な数式を解く“コンピューター”という役職で活躍します。 そんな天才数学者キャサリンを演じるのはタラジ・P・ヘンソン。 1970年9月11日生まれアメリカ合衆国出身のの女優で、2009年に公開された映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』では、ブラッド・ピット扮するベンジャミンが捨てられていた施設の経営者クイニーを演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされています。 2015年にはアメリカFOXテレビで放送された、スラム街出身の天才ヒップホップアーティストを描いたドラマシリーズ『Empire 成功の代償』で主人公ルシウスの妻クッキー役を務め、見事ゴールデン・グローブ賞女優賞を勝ち取りました。今後の活躍に期待が高まる女優です!
ドロシー・ヴォーン役:オクタヴィア・スペンサー
プログラミングを得意とするエンジニアのドロシーを演じたのは、1970年5月25日生まれアメリカ合衆国出身の女優オクタヴィア・スペンサーです。 1996年に映画デビューを果たした後、数々の映画やテレビドラマに出演していたオクタヴィア。 2009年のヒューマンドラマ映画『7つの贈り物』での献身的なナースの役が高評価を得たことで注目されるようになり、続く2012年の出演映画『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』で主要人物ミニー役を獲得、アカデミー助演女優賞並びにゴールデン・グローブ賞助演女優賞を受賞しました。 2017年も、すでに撮影が終了した2017年4月全米公開予定の映画『Gifted(原題)』でクリス・エヴァンズらと共演、さらに現在撮影中の映画『The Shape of Water(原題)』に出演。ますます活躍の場を広げています!
メリー・ジャクソン役:ジャネール・モネイ
同じくエンジニアのメリーを演じたジャネール・モネイは、1985年12月1日生まれアメリカ合衆国出身。音楽家であり、女優、そしてモデルと多岐に渡って活躍しています。 2010年にリリースしたデビューアルバム『The ArchAndroid』でグラミー賞を受賞するという快挙を遂げ、書く音楽メディアから高評価を得ました。その後の2012年、2013年のアルバムでもビルボードチャートの上位に躍り出ています。 女優としての主だった活躍は、2016年の『ヒデン・フィギュアーズ(原題)』の他にアカデミー賞候補に上がった『ムーンライト(原題)』にテレサ役として出演、その演技を賞賛されています。2017年現在31歳のジャネール。多彩な才能でバリバリと活動するインスピレーションの塊として、今後も目が離せません!
3人の上司役で脇を固める豪華キャスト
アル・ハリソン役:ケビン・コスナー
宇宙任務のグループをまとめるディレクターのハリソン。この仕事のための適任者探しを強いられ、そのためには人種も性別もいとわないと言わんばかりの竹を割ったような性格のキャラクターで、差別が横行するNASAの中で、時に驚きの行動を取る役割を果たしています。 アルを演じたケビン・コスナーは、1955年1月18日生まれの俳優。近年の出演映画は、2016年公開の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でスーパーマンことクラークの育ての父親ジョナサンです。
ビビアン・ミシェル役:キルスティン・ダンスト
America! pic.twitter.com/QT5NTlDRi4
— Kirsten Dunst (@kirstendunst) March 13, 2016
NASAで働く白人女性でドロシーに差別的な態度を取ることもある、いわゆる“嫌な上司”のビビアンを演じるのは、キルスティン・ダンスト。最も知られている作品は2002年、2004年、2007年の映画『スパイダーマン』シリーズのメリー・ジェーン役です。
パウル・スタフォード役:ジム・パーソンズ
宇宙任務グループの主任エンジニア、スタフォードを演じるのはジム・パーソンズ(左)です。ジムと言えば2007年より放送が開始された、CBSの人気テレビシリーズ『ビッグバン☆セオリー』のキテレツな天才物理学者シェルドンのイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。 『ドリーム』では、当時の典型的なエリート役として女性職員のキャサリン達にきつく当たる上司を見事に演じきっています。
期待大!セオドア・メルフィ監督の第2作目
『ドリーム』の監督を務めたセオドア・メルフィはアメリカ出身の映画監督です。 2015年に公開された自身初の監督映画作品『ヴィンセントが教えてくれたこと』で、ビル・マーレイ扮する偏屈な隠居老人ヴィンセントと、お隣さんの1人息子オリヴァーとの心温まる交流をクスッと笑えるハートフルな物語を作り上げたセオドア監督。 当初2014年10月10日より限定公開が始まった本作ですが、瞬く間に注目を浴び24日に全米公開という快挙を成し遂げました。そして翌年2015年にはゴールデングローブ賞にノミネートされています。
『ドリーム』の見所、関連情報を紹介します
語られなかった英雄にスポットを当てた作品
アメリカ初の有人宇宙飛行ーこの映画のフォーカスとなった誰もが知る歴史的イベントですが、その裏で偉業を支えた人物達、この物語の主人公の基となった女性たちは、アメリカ人の役者でさえも知らなかったと言うほどの認知度の低さだったのです。 この映画のタイトルとなった“Hidden Figures”という言葉には、Hiddenの意味である“隠された”とFigureの“重要人物”“数字”という、2つの意味があります。まさにスポットが当てられることのなかった重要人物のキャサリン達と、宇宙開発成功のために必要不可欠であった精密な計算による数、を意味していると言えるのではないでしょうか。 そんな裏方の英雄の努力を描くこの作品を、感動せずには観られません。
ヒット曲『ハッピー』の有名歌手が参加
予告編でも聞こえてくる時に軽快で、時に迫力のある音楽のいくつかを手掛けたのは、フィアット車のCMで流れていた曲『ハッピー』の歌手、音楽プロデューサーであるファレル・ウィリアムスです。 本作品で『Runnin’』や『I See a Victory』などの曲を書き下ろしたファレルは、本映画へのオファーが来た時のことをこう語っています。
サイエンスやエンジニアに興味を持つアフリカ系アメリカ人の女性が沢山いるのにも関わらず、そういった女性がテレビや銀幕のスクリーンに映ることは多くない、という事実を考えるとこの話には惹きつけられたよ。これはもう、「ああ、考えるまでもない」って。
出典: www.thewrap.com
天才数学者キャサリン・ジョンソンお墨付き
She can handle any numbers you put in front of her. #HiddenFigures???? is now playing everywhere. pic.twitter.com/EzZBs8uuGz
— Hidden Figures (@HiddenFigures) January 17, 2017
キャサリン役のタラジがこの役を契約した時、役作りのためにモデルとなった実際の人物、当時98歳でキャサリン・ジョンソンと話をする機会を設けています。そこでタラジは、何歳も若い人と変わらず聡明なキャサリンから、14歳で高校を、18歳でカレッジを卒業していたことなどを学びました。 その成果もあってキャサリンの為に映画が放映された後には、タラジの演技に心からの承認を与えています。
2017年アカデミー賞3部門にノミネート!『ドリーム』日本公開日は?
Sisters for life. Last night was 4 you Dorothy, Mary, & Katherine! Thank you again @SAGawards! So honored, so humbled. ???????? #Hiddenfigures pic.twitter.com/BhBugmN0rC
— Janelle Monáe???????????????????? (@JanelleMonae) January 31, 2017
本作品は2017年のアカデミー賞脚本賞、作品賞、オクタヴィア・スペンサーが助演女優賞にノミネートされています。 その他ノミネートされているのは、ライアン・ゴズリングや今日本のCMでも目にするエマ・ストーンが主演の2017年2月24日公開予定『ラ・ラ・ランド』、5月公開予定の鬼才ドゥニ・ヴィルヌーブ監督『メッセージ』、2016年公開のハリーポッターシリーズ最新作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などの強豪作品。 日本公開日は2017年9月29日です。