2019年6月19日更新

『旅のおわり世界のはじまり』にもまた「吉岡」が!?黒沢清作品に欠かせない存在がやっぱり登場していた

©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

2019年6月14日に公開となった映画『旅のおわり世界のはじまり』。前田敦子を主演に迎え、黒沢清監督が夢と現実の間で成長していく主人公を描きます。そんな本作には、これまでも黒沢作品に多く登場してきた「吉岡」という人物がやはり登場していました!

映画『旅のおわり世界のはじまり』 黒沢清監督と前田敦子主演の、人間の成長を描くストーリー

©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

2019年6月14日に公開となった映画『旅のおわり世界のはじまり』。監督は1997年映画『CURE』などで知られる黒沢清。そして主演は、AKB48を卒業後、女優として活躍している前田敦子です。 シンプルで誰もが共感できる普遍的な成長ストーリーながら、カメラを通して「世界」の切り取り方を模索し続けてきた黒沢のエッセンスが凝縮された、集大成的な作品です。それと同時に、これまでにないエモーションと力強さを感じさせる、監督のネクストステージを提示した一本に仕上がっています。 ところで彼のいくつかの作品には、「吉岡」という人物が登場してきました。同一人物ではないものの、各作品において重要な役割を担う「吉岡」が、今作にも登場します。今回は、本作のあらすじとともに、「吉岡」について紹介します。

『旅のおわり世界のはじまり』のあらすじ

©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

舞台は中央アジア、ウズベキスタン。バラエティ番組のリポーターを務める葉子(前田敦子)は、巨大な湖に棲む「幻の怪魚」を探すため、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れます。 しかし、彼女が胸に秘めた夢は、歌うこと。その情熱を心の底に押し込めて、目の前の仕事を懸命にこなしているのです。そんな中、ある日の収録後、ひとり街に出た彼女は、かすかに聞こえる歌声に導かれ、美しい装飾の施された劇場に迷い込みます。 そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をするのです。心の居場所を見失った主人公が、旅の果てで出会ったものとは? 本作は前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生といった豪華なキャスト陣を迎え、物語の舞台であるウズベキスタンでロケ撮影されています。美しい風景とともに、主人公の心の移ろいを描きました。スクリーンの中の主人公たちと共に、異郷を旅している気分にさせてくれる作品です。

彼がいたら何かが起きる!? 黒沢清作品に欠かせない「吉岡」の存在

©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

60本を超える黒沢監督の作品には、「吉岡」という人物が登場する作品がいくつか存在します。2019年6月14日公開の最新作『旅のおわり世界のはじまり』にも、染谷将太演じる「吉岡」という名のディレクターが登場するのです。 これまでに「吉岡」が登場した作品は、『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1986)、『LOFT』(2006)『叫』(2007)など。これらの作品は、吉岡という人物の何かしらの発言や行動で、物語が動き始めていることが多いのです。 これまで吉岡という人物を演じてきたのは、豊川悦司や役所広司など、名だたる俳優ばかりです。今回も演技派で知られる染谷将太が起用され、劇中での彼の役割に注目が集まります。 今作『旅のおわり世界のはじまり』でも、吉岡という人物がキーパーソンとなるのでしょうか。そして、黒沢清ならではの、他の小ネタにも注目です。