黒沢清のプロフィール
黒沢清は1955年7月19日生まれの、日本を代表する映画監督の一人です。『トウキョウソナタ』、『岸辺の旅』などカンヌ映画祭での受賞経験も豊富で、日本のみならずフランスを始めとした海外での評価も高い世界的映画監督として名を馳せています。
1:主演の役所広司が東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した作品【1997年】
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やっぱり、難解ですね。見終わってあれこれ考察するのが楽しいタイプの映画です。
ラストの描写は間宮以上の化け物に高部はなってしまったということなんでしょうかね?
そして、本作のキーパーソン間宮を演じる萩原聖人の演技が実に素晴らしいのです。人としてのなにかが欠損している、本当に危険人物であるのに警戒できない青年を化け物を怪演されています。
映画自体は日常の中に当たり前に非日常が起こっているという、描写がされているので面白いです。
殺人のシーンなんかは普段の何気ないシーンを時間をとって写しているなかに組み込まれるので、観ているこちらはそのときはじめてハッとさせられます。実に興味深い映画でした。
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催眠術というテーマ。こんな思い通り催眠かけれるのかという疑問はあるが、よかった。観ている途中や見終わったあとは、すこし意味がよくわからない部分があったが、他の人の考察などをみて、なるほどなと思った。すんなりとはなかなか入ってこなかった。時間がたってもう一回みたらもっと高評価になるかもしれない。
1983年に『神田川淫乱戦争』と言うピンク映画で監督デビューをした黒沢清監督ですが、やはり国内外から評価が高まり、知名度が高まった、いわば出世作は『CURE』でしょう。
連続猟奇殺人事件を追う刑事と、事件に関わってくる謎の男が繰り広げるサイコサスペンス映画です。この後も、黒沢清監督と度々タッグを組む役所広司の演技が迫力満点でした。
2:日本より先にフランスで高評価となった作品【1999年】
『CURE』に続いて、再び役所広司とタッグを組んだ作品。周辺の木々を何故だか枯らしてしまう「カリスマ」と呼ばれた1本の木と、その木と出会った傷心の刑事のストーリーです。
カンヌ映画祭でも上映され、1999年に日本に先立ち、フランスで公開、逆輸入のような形で2000年に日本で公開されました。
3:キャッチコピーが印象的なホラー【2000年】
1231netabare
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心地のよい訳のわからなさ。もしくは考察しがいのある訳のわからなさ。不自然が自然に感じる映画です。
死後の世界があるとして、死後の世界の容量が限界となり、こちらの世界にいわゆる「幽霊」が侵食しだしたというのが大まかな設定であると思います。幽霊はどこから出てくるのか?それが、都市伝説として広まっている「あかずの間」なのだと思います。解体ビルで作られた「あかずの間」はビルの解体と共にネット回線に侵入し、ネットを媒介として爆発的に幽霊の発生スポットを拡大していったのでしょう。こうなれば、こちらの世界には幽霊があふれ、生きている人間はこちらの世界で存在する権利が幽霊に奪われてしまうのです。消える他ありません。幽霊がこちらの世界に存在するために代わりに生きている人間が存在する場を失うという人間世界の滅亡を描いた終末映画だったのだろうと思います。
これ程、静かにかつ俊足に滅び行く世界を描いた映画を他に知りません。
この映画のテーマとして「孤独」というものがあると思います。人と人は繋がりを求めますが、やはり結局は点と点に過ぎないのです。死ぬときはみんな一人なのです。だから、幽霊は永遠に孤独なのです。孤独は辛い。だから、助けを求めるのでしょう。死んでいるのだから助けることも助かることもできるわけがないのにね。幽霊は幽霊を認知できないのだと思います。だから、生者に助けを求め仲間に引き込む。引き込んでもなにも変わらないのにね。そして、世界には孤独な幽霊が溢れ続け、滅亡するのでしょう。残るのは永遠の孤独に苦しむ幽霊だけ。
そのように解釈をしました。
kanenokosan
すごい怖い。世界一怖い。
自分で「気づく」怖さがすごい。
途中からわけわからなくて爆笑してた。
黒沢清は鑑賞者に何を思わせたいの
最後のセリフもなんだがぬおおおおおお
すみませんでした。
「幽霊に会いたいですか」と言う不気味なメッセージが出ているサイトにアクセスしてしまった大学生(加藤晴彦)が、そこから巻き込まれていくホラーサスペンス映画。
カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞、2006年にはアメリカでリメイク版製作されるなど世界的評価が高い作品です。まだ知名度がそこまで高くなかった麻生久美子のフレッシュな演技が印象的でした。
4:サスペンスながら笑える部分もある新境地を開いた作品【2003年】
黒沢清監督ならではのサスペンス映画ながらニヤリと笑えるコミカルな部分もある異質な作品です。
自殺した弟のドッペルゲンガーと暮らしているOL(永作博美)と、自分自身のドッペルゲンガーと向き合い続けている技師(役所広司)を二人を軸に、ドッペルゲンガーと戦い苦悩するストーリー。
5:黒沢清ワールド炸裂のホラー映画の決定版【2006年】
スランプに陥り、郊外の空家に住むことになった作家・春名礼子(中谷美紀)。その家の向かいには、研究所だったと言われるいかにも不気味な洋館があった。春名は、つい興味本位でその洋館に入ってしまうと、そこには・・・。
まさに黒沢清ワールド炸裂のホラー映画の決定版です。子役イメージから脱却できなかった安達祐実が、不気味すぎる幽霊を演じ、女優として一皮むけた感がありました。
6:ヴェネツィアでも高評価となった世界的作品【2007年】
役所広司と再びタッグを組み、ヴェネツィア国際映画祭を始め、世界中の映画祭で評価が高かったミステリーホラー映画。
まさに「世界の黒沢」となった映画の一つと言えるでしょう。全編にわたり廃墟など暗いシーンが続き、是非映画館など巨大スクリーンで観たい映画です。
7:日本・オランダ・香港の合作の家族がテーマの感動ストーリー【2008年】
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「奇妙」ということばがぴったり。
最も強いのは時間で、
ひとはみな「やり直したい」という感情でいっぱいなのだと、
改めて教えられている感じがした。
エピソードが多すぎて、
話が絡まりすぎているような気はした。
それじゃ、解けるものも解けないんじゃないか、と。
ラストに向けての流れはすきだ。
エンドロールが終わる瞬間の音も。
ジャケットにもあるように、
ピアノがキーになっている点はいい。
人間関係など所詮「不協和音」でしかないけれど、
やがてゆるやかにコーダに向かい、
しずかな解決をみる場合もある。
なんとなく創作意欲を掻き立てられる作品なので、
観たあとにたくさんのことばを綴りたくなる。
なにかこう、もやっとした、というか
映画の中で語られなかったたくさんのことを、
自分のことばで綴りたくなる。
しかし、全力でおすすめできるかと言われると、
すこし、渋る。
かなり好みが分かれるとは思う。
そんな感じ。
Miyako__Nagumo
黒沢清が投げ込んだ家族物語。家族話=あったかいという人間ドラマから、ちょっとずれたストレートではない家族物語。キョンキョンっていい役者になったよね~と言いたくなる。
日本・オランダ・香港の合作映画で、黒沢清世界デビューとも言うべき代表作の一つです。黒沢監督らしいホラー的要素は少なく、家族の絆を問う最後にはホロリとくるような感動ストーリーが印象的です。
『叫』に続き、この作品も61回カンヌ国際映画祭、「ある視点」部門審査員賞を始め、世界の映画賞を総なめしました。
8:前田敦子のMVとして制作された60分の短編映画作品【2014年】
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ど根性ガエルであっちゃん観たので、今日もあっちゃん作品です。
途中までイマイチよくわからなかったけど、最後に壮大なオチあり。最終的に結構ひきつけられて観ていたなぁと思いました。
ロシアの暗ーい雰囲気もあっててなかなかよかったかな。
1時間ちょっとの短い時間で観られるのもよい。
satoo66
壮大なPVだが、あっちゃんの演技だかロシアという国の雰囲気だか、どこか最後まで引き寄せられたそんな映画。
もともとは、前田敦子の同名タイトルのミュージックビデオとして制作された作品です。そのため、60分という短編映画となっています。
東京で知り合った男を追い求めてロシアまで向かう女性のストーリー。日本人で初となるローマ国際映画祭のインターナショナル・コンペティション部門で最優秀監督賞と最優秀技術貢献賞の2冠に輝いています。
9:フルオーケストラの劇中音楽も壮大で美しい作品【2015年】
inazumababy
伊藤洋司さんおすすめ作品
黒沢清監督の作品は初めて観たのだが、なんとも不思議な雰囲気だった。だけどけっこう好みでした。
深津絵里の語り始めとか、しまかげさんとか、ホラーっぽい感じもありつつ、全体としては優しい作品になっていた。
黒沢清監督の作品では、家の中に柱があるというのが多いそうで、今回の作品でも柱がやはりあって、その柱によって画面の構造が変わるのが面白かった。
それととにかく深津絵里可愛い!
42歳!?嘘だろ!?ってくらい可愛い。
(ちょっとずれるけれど)ダイワハウスのCMの夫婦みたいな雰囲気がこの作品でもあって、すごく良かった。
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映画は影の芸術だと大林宣彦は言った。黒沢清作品の真髄はまさに照明だ。光と影を統御し、現実によく似たすこしふしぎな世界を構築する。
僕は深津絵里さんが好きだ。初めて見たのは多分踊るの時だったろうか。見事に年齢を重ねて女優として前進していく姿はとても眩しい。オードリー・ヘップバーンみたいな気さくさと可愛らしさがあると思う。得な顔立ちだ。声もたおやかで好きなんすよね。
僕は浅野忠信さんが羨ましい。若い頃から日本映画の至宝として君臨なさるその経歴は垂涎ものだ。私事を言えば、浅野さんの所属事務所ANOREに入りたいと中学の時分から思ったものである。
そんな2人が黒沢清の世界に入り込むのだからそれだけで見ようと食指が動く。しかしてその実態はすこしふしぎな死者との二人旅だ。
浅野さん扮する優介は3年間の放浪の末、深津さん演じるみずきのもとに帰ってくる。突然暗がりに佇んでいる。なにせ死んだのだから。それなのに実体を伴って再び妻の前に姿を現す。
優介が3年の間にお世話になった人のところに会いに行く2人。新聞屋の老人、食堂を営む夫婦、道中みずきは優介の不倫相手に会いに行っちゃったりもする。この蒼井優が最高。当代屈指の日本映画の華が相対する画面のなんと至福なことか。優介が先生と慕われる田舎にも行くよ。柄本さんがいます。
映画は引きの構図と長回しの多いのを好む僕には今作はドストライクだった。長回しというほどの肩肘張ったものではないにせよ、浅野さんと深津さんのアンサンブルにぐいぐい引き込まれる。
死者との旅という日本的情緒の作品だが、フランスのスタッフも参加しているのが黒沢清作品ならでは。
2014年に短編映画『Seventh Code』はあったものの、長編としては2008年『トウキョウソナタ』以来、約7年ぶりとなり黒沢清ファン待望の作品。
浅野忠信と深津絵里がW主演で、失踪していた夫(浅野忠信)が突然帰ってきて、失踪中にお世話になった人の元に妻(深津絵里)とともに旅に出る・・・というストーリーです。フランスで大ヒット作品となりました。フルオーケストラの劇中音楽の美しさも印象的です。
10:『ダゲレオタイプの女』【2016年】
2016年に公開されたこの映画は、なんと全編フランス語、キャストもフランス人中心と言う世界を股に掛ける映画となりました。原題は『La Femme de la Plaque Argentique』、邦題は『ダゲレオタイプの女』となっています。
ホラーラブストーリーの本作は、1839年に発明された古典的な写真撮影術であるダゲレオタイプを物語のモチーフにしています。
前作『岸辺の旅』もフランスで大ヒットしており、今回は更にフランス語映画なので、フランスでの評価も期待されました。