2017年7月6日更新

作家別、SF小説原作のおすすめ映画まとめ

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『ブレードランナー』

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おすすめのSF映画を作家、映画化された作品順に紹介します

SFとはScience Fiction(サイエンス・フィクション)の略になります。誰も見たことがない想像の世界へ誘ってくれるのがSF映画の醍醐味といえるでしょう。

1:SF小説の巨匠フィリップ・K・ディック

アメリカが第2次世界大戦で敗戦して日本とドイツの勢力下にある設定の歴史改変SF小説『高い城の男』が2015年にドラマ化され話題になりました。『高い城の男』は1963年にヒューゴー賞で長編小説部門を受賞しています。 代表作に『暗闇のスキャナー』『流れよ我が涙、と警官は言った』『パーキーパットの日々』などがあります。

『ブレードランナー』(1982)

原作は1968年に発表した『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(原題はDo Androids Dream of Electric Sheep?)です。謀反した人造人間(プリカント)の捕獲を依頼された専任捜査官(ブレードランナー)の姿を描いた近未来サスペンス映画です。 『ブレードランナー』は『リサーチ試写版』(ワークプリント)、『オリジナル公開版』(初期劇場公開版)、『ブレードランナー 完全版』(インターナショナルバージョン)など1982年に3つのバージョンが存在します。 さらに1992年に公開10周年を記念して再編集された『ディレクターズカット/ブレードランナー』、2007年にデジタル処理を加えた『ブレードランナーファイナルカット』が公開されています。

『トータル・リコール』(1990)

原作は1966年に発表した『追憶売ります』(原題はWe Can Remember It for You Wholesale)です。主人公のダグは希望通りの夢を見せて疑似体験させてくれる「リコール社」に赴きますが、記憶を操作されて命を狙われてしまいます。 主演のアーノルド・シュワルツェネッガーの出世作で、2012年にコリン・ファレル主演でリメイクされています。

『マイノリティ・リポート』(2002年)

原作は1999年に発表された『少数報告』(原題はThe Minority Report)ですが、映画化決定後に映画と同じタイトルに変わっています。 スピルバーグ監督とトム・クルーズ主演の近未来SFサスペンス映画。予言者と呼ばれる3人のプリコグ(予知能力者)たちで構成された殺人予知システムにより、事件を未然に防ぐことが可能になった世界を描いています。 2054年のワシントンDCが舞台で、犯罪予防局のチーフをしていたアンダートンは自分が殺人の加害者となる予知をされ、追われる立場になってしまいます。

2:ミスターSFロバート・A・ハインライン

それまでSF小説をSF雑誌に載せる作家が多い中、『サタデー・イブニング・ポスト』という一般紙に掲載したことにより、SFを文学の道に広めて貢献しました。代表作に『夏への扉』『月は無慈悲な夜の女王』『人形つかい』などがあります。

『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)

原作は1959に発表された『宇宙の戦士』(原題はStarship Troopers )です。『ロボコップ』『トータル・リコール』『氷の微笑』などで知られるポール・バーホーベン監督作品です。アラクニド・バグズ(昆虫型宇宙生物)と地球連邦軍との激しい戦闘を描いた映画です。 民主主義崩壊後に軍隊に入ったリコが故郷を破壊され、両親を失い、復讐と仲間を救うために敵の母星へ向かいますが、敵の圧倒的な数と力を目の当たりにします。

『プリデスティネーション』(2015)

原作は1959年に発表された『輪廻の蛇』(原題はAll You Zombies—)です。双子の監督マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグによるSFサスペンス映画で、主演はイーサン・ホーク。 舞台は1970年のニューヨーク。人々は連続爆弾魔による凶行に脅えていました。場末のバーのバーテンダーにジョンは自らに起きた悲惨な身の上話を打ち明けます。 しかし、そのバーテンダーは爆弾魔の犯行を阻止するために未来からやってきた時空警察のエージェントでした。

3:科学小説の父ハーバート・ジョージ・ウェルズ(H.G.ウェルズ)

科学師範学校に入学し、生物学、進化論などを学び、ジャーナリスト時代には『ネイチャー』に寄稿するなど、科学知識から生まれる作品が多い作家です。代表作に『モロー博士の島』『月世界旅行』『透明人間」などがあります。

『宇宙戦争』(2005)

原作は1898年に発表された『宇宙戦争』(原題はThe War of the Worlds)です。スピルバーグ監督とトム・クルーズのダッグによるSF超大作。アメリカのニュージャージー州の港湾ドッグでコンテナ作業の肉体労働をしているレイは、突如現れた巨大な宇宙船が地球を破壊し、人類を殺戮する中、娘と必死に逃げます。 1953年に公開された同タイトルの映画をリメイクした作品です。

『タイムマシン』(2002)

原作は1896年に発表された『タイム・マシン』(原題はThe Time Machine)です。舞台は1890年のニューヨーク。大学教授のアレクサンダーは恋人を暴漢に殺されてしまいます。 彼女を助けるために研究に没頭して4年後にタイムマシンを完成させますが、トラブルによって約80万年後へタイムスリップします。 そこには温和でのんびりとした性格の民族エロイと、気性の荒い戦闘民族のモーロックの2つの種族が対立する世界が存在していました。 1960年に公開された『タイム・マシン/80万年後の世界へ』をリメイクした作品です。

4:SFの開祖ジュール・ヴェルヌ

19世紀のフランス人作家です。その時代から想像した未来を題材にした作品が多く、現代からすると少し前の時代の設定になるため、古く感じる科学技術が登場することになります。代表作に『八十日間世界一周』『海底二万里』『十五少年漂流記』などがあります。

『月世界旅行』(1902)

原作は1870年に発表された『月世界へ行く』(原題はフランス語のAutour de la lune)ですが、後半部分はH・G・ウェルズが1901年に発表した『月世界最初の人間』(原題はThe First Men in the Moon )がベースになっています。 天文学会のメンバーが巨大な砲弾の中に乗り、月へ向かいます。しかし、異星人の襲撃を受けて生け捕りにされてしまいます。 当時、非日常を描いた作品としては画期的で、世界初のSF映画になります。15分32秒のサイレント映画です。

『海底二万哩』(1954)

原作は1870年に発表された『海底二万里』(原題はVingt mille lieues sous les mers )です。1868年、怪物によって船舶が沈没する事故が頻発していました。アメリカ政府が調査船を派遣しますが、3ヵ月間調査をしても怪獣は姿を見せませんでした。 しかし、帰国を決定した日に襲撃され、調査団は漂流します。そこで彼らは怪物の正体が巨大な潜水艦であることを知ります。

5:SFにサスペンスやミステリー要素を取り入れたアイザック・アシモフ

ロシア生まれのユダヤ人。作品のテーマも多岐に渡り、短編小説『われはロボット』の中で示されたロボット3原則があまりにも有名です。 1・ロボットは、人間に危害を加えてはならない。 2・ロボットは、人間から与えられた命令に服従しなければならない。 3・ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのない限り、自己を守らなければならない。 サイボーグやアンドロイドが登場する作品にも影響を与え、現在のロボット工学にも応用されています。SF界の3大巨匠と呼ばれ、著作は500以上に及び最も成功したSF作家のうちのひとりです。

『アンドリューNDR114』(1999)

原作は1976年に発表された『バイセンテニアル・マン』(原題はThe Bicentennial Man)です。人間になることを夢見るロボットのヒューマン・ドラマです。ロボット工学3原則をプログラムされ、家事手伝いや人間を助けるために造られた家事用ロボットのNDR114。 マーティン一家が購入したNDR114はアンドリューと名付けられます。そんなアンドリューはあることがきっかけとなり、自我が目覚めてきます。

『アイ,ロボット』(2004)

原作は1950年に発表された『われはロボット』(原題はI, Robot)です。ウィル・スミス主演のSFサスペンス映画で、ロボットが人間社会にすっかり溶け込んでいる2035年が舞台です。 ロボット工学の第一人者であるランニング博士が不可解な死を遂げ、ロボット嫌いな刑事が事件の謎を追うストーリーです。

6:様々な顔を持つベストセラー作家のマイケル・クライトン

全世界で1億5000万部を売り上げたベストセラー作家で、ハーバードで医学博士号を取得した経歴があり、医学や科学を土台に斬新なテクノロジー技術の発想が作品に使われています。 アメリカの長寿TVドラマだった『ER 緊急救命室』の製作総指揮、脚本なども手掛けていました。

『アンドロメダ…』(1971)

原作は1969年に発表された『アンドロメダ病原体』(原題はThe Andromeda Strain)です。 小さな村に墜落した衛星を回収する陸軍兵士たち。しかし、村には死体があちらこちらに転がり、連絡を取り合っていた本部では兵士たちの悲鳴が聞こえたあと、電話が切れてしまいます。

『ジュラシック・パーク』(1993)

原作は1990年に発表された『ジュラシック・パーク』(原題はJurrassic Park)です。考古学生物学者のグラントとサトラーは大富豪ハモンドの招待で南米コスタリカの沖の島に行くことになります。 そこには琥珀に閉じ込められていた蚊から恐竜のDNAを採取し、遺伝子工学の力で蘇らせた本物の恐竜たちが生息していました。恐竜のアミューズメントパーク「ジュラシック・パーク」を開業しようとする中、恐竜たちが暴れ出します。

7:シニカルでカルト文学の鬼才カート・ヴォネガット

SF作家としてレッテルを貼られるのを嫌っていたといわれるカート・ヴォネガット。彼の小説はSFの名を借りた哲学書と評され、政治や宗教の権力を徹底的に否定し、皮肉り、ブラック・ユーモアもあります。 代表作に『チャンピオンたちの朝食』『猫のゆりかご』『タイタンの妖女』などがあります。

『スローターハウス5』(1972)

原作は1969年に発表された『スローターハウス5』(原題はSlaughterhouse-Five, or The Children's Crusade: A Duty-Dance With Death)です。実業家として成功した老境の男ビリーはタイプライターに向かって自分の回顧録を書こうとしていました。 ドイツで捕虜、飛行機事故で一人生き残り、地球外生命体に誘拐、自分の死、ドレスデン爆撃、過去と現在と未来を超越した不条理な体験が幻想的に流れていきます。時系列がバラバラに構成されている作品です。

8:3大SF作家のひとりアーサー・C・クラーク

アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインラインと並ぶ三大SF作家のひとりです。ロンドン大学で物理と数学を学び、リアルな近未来を表現して映画化もされた『2001年宇宙の旅』は、科学技術に精通していたからこそ生まれた作品といわれています。 代表作に『幼年期の終り』『宇宙のランデヴー』『3001年終局への旅』などがあります。

『2001年宇宙の旅』(1968)

原作は1968年に発表された『2001年宇宙の旅』(原題は2001: A Space Odyssey)です。 『時計じかけのオレンジ』や『シャイニング』で有名なスタンリー・キューブリック監督作品です。遥か昔、謎の黒石版「モノリス」とヒトザルとの接触、人類が進化して木星へと旅をします。 哲学的で難解なストーリーと特殊効果の映像、クラッシックのBGMが、古さを感じさせない作品です。

『2010年』(1984)

原作は1982年に発表された『2010年宇宙の旅』(原題は2010: Odyssey Two)です。 『2001年宇宙の旅』の続編です。前作のディスカバリー号が木製探査した9年後の未来が舞台になっています。ディスカバリー号と船長が消息を絶ち、アメリカ人科学者3名を乗せたソ連のレオノフ号が探索に向かいます。

9: SF作家として初のピュリツァー受賞者レイ・ブラッドベリ

長年の功績を認められて2007年にSF作家として初のピュリツァー賞特別賞を受賞しています。日本にもファンが多く、演劇の原作にも使われ、漫画化もされています。 SFから怪奇幻想色の濃いものまであり、特に短編作品が俊逸だと評されています。難しくても面白いという評価が多く、代表作に『闇のカーニバル』『ウは宇宙船のウ』『何かが道をやってくる』などがあります。

『華氏451』(1966)

原作は1953年に発表された『華氏451度』(原題はFahrenheit 451)です。すべてが機械化され、TVから知識や情報を得る、活字が存在しない未来が舞台です。 主人公モンターグは禁止されている書物を燃やすファイアマンです。モンターグは若い女性と知り合うことになりますが、その女性は読書に熱心でした。そんなモンターグも生まれて初めて本を読み、のめり込んでいくことになります。

10:SF界の異端児ハーラン・エリスン

TVドラマのシナリオを書いていた経歴を持ちます。過激で暴力的な表現の文章が特徴的で、結末が難解でわかりにくいという先鋭的な作品もあります。 映画『ターミネーター』がハーラン・エリスン著作の『アウターリミッツ』からアイデアを盗んだとして裁判になり、映画の監督と脚本を担当したジェームズ・キャメロン側が敗訴しています。 代表作に『“悔い改めよ、ハーレクィン!”とチクタクマンはいった』『世界の中心で愛を叫んだけもの』などがあります。

『少年と犬』(1975)

原作は1969年に発表された『少年と犬』(原題はA Boy and His Dog)です。第4次世界大戦の核戦争後の2024年が舞台で、SFアドベンチャー作品です。放射能の影響で女性がほぼいない世界で、少年はテレパシーで人間と会話できる犬と放浪していました。 暴徒化した男たちに追われる少女と出会い、少年は文明社会が発達した地下都市の存在を知ることになります。

11:SF黄金時代を担ったジョン・W・キャンベル

SFホラー作家という印象が強い人物です。亡くなる直前までSF雑誌『アスタウンディング・サイエンスフィクション』の編集長をしていました。 SF作家のハリイ・ハリスンとブライアン・オールディスがキャンベルにちなんで1973年に「ジョン・W・キャンベル記念賞・新人賞」を設立しています。代表作に『月は地獄だ』『影が行く』などがあります。

『遊星からの物体X』(1982)

原作は1938年に発表された『影が行く』(原題はWho Goes There?)です。ホラー映画の巨匠ジョン・カーペンター監督作品で、南極観測隊が10万年前に地球に飛来した謎の巨大UFOを発見します。 しかし、氷塊に潜んでいた物体に研究所の人たちは襲われます。物体は不定型の異星生物から人体を介してクリチャーに成長し、研究所の科学者たちは混乱していきます。1951年に公開された『遊星よりの物体X』のリメイク作品です。

12:スペースオペラの王道エドガー・ライス・バローズ

『火星のプリンセス』からはじまった火星シリーズが有名で、他にも金星シリーズ、ターザン・シリーズなどシリーズ化されている小説が多いです。SF冒険モノの作品が多く、近年映画化される傾向があり、再評価の声があがっています。

『ジョン・カーター』(2012)

原作は1917年に発表された『火星のプリンセス』(原題はA Princess of Mars)です。 SFアクションスペクタクル巨編映画で、1881年のニューヨークで大富豪のジョン・カーターが謎の失踪をします。妻と娘を亡くし、心を閉ざしてきた彼は甥のエドガー・ライスに一冊の日記を託していました。 そこには洞窟で不思議な現象によって惑星パルスーム(火星)に瞬間移動し、異星人の種族と遭遇する壮大な冒険が綴られていました。