実は良作が多い?ラブドールを題材にした映画とその魅力

2017年7月13日更新

性欲処理の道具として誕生したラブドール。今では見た目も肌も質感も本物の女性に近づいています。近年、アート作品としても扱われるようになったラブドール。今回はその魅力とラブドールを題材とした映画を紹介します。

性処理道具からアート作品へ、進化が止まらないラブドール

男性の性処理玩具として作られたラブドール。今までは、その用途から「性的」や「いやらしい」というイメージが強かったのですが、近年そのラブドールに対するイメージが変化してきました。 日本では、1970年代から発売されたラブドールは進化し続け、見た目だけではなく肌の質感も人間に近いものになりました。そして、最近の傾向としては癒しやただ一緒に寝るだけの目的で購入する人も増えているそうです。 さらに、ラブドールをモチーフとした映画の制作や、2017年4月29日には数多くのヌード写真を撮ってきた写真家、篠山紀信によるラブドールを題材とした写真展が開催されるなど、アート作品としても扱われるようになりました。

心を持ってしまった人形の切ない恋の物語

『空気人形』

日本映画界の巨匠、是枝裕和の監督作品『空気人形』は、ある日突然命を吹き込まれたラブドールの物語。 冴えない中年男性、秀雄は独身の寂しさを空気人形(ラブドール)、のぞみで紛らわせる毎日を送っていました。そんなある日、のぞみに命が宿り自由に動き出します。 外に出て世界を見ることで沢山のことを学び、のぞみには感情が芽生え始め......。空気人形ののぞみが徐々に人間なり生まれる心の変化や、ビデオレンタル店で働く純一に対する恋心の描写がリアルで観ている人を切なくさせます。 そして迎える衝撃の結末はまさに誰もが予想できないものに......!

まさかの周囲の対応に心温まるヒューマンドラマ!?

『ラースと、その彼女』

『ラースと、その彼女』は、アメリカの小さな町を舞台にシャイで女性と話すことが苦手な男性、ラースとラブドールの少しおかしな恋愛を描いています。 シャイで女性と話すことが苦手なラースを兄夫婦は心配していました。ある日、嬉しそうに彼女を紹介すると兄夫婦に話したラースが連れてきたのは何と、ラブドールのビアンカ。 兄夫婦や周囲の人間はラースの狂言にも似た妄想に戸惑いながらも、ラースを傷つけないようにビアンカを生きている人間として接していきます。心優しいラースの人間性、ビアンカへの献身的な愛、また周囲の人々の思いやりに感動させられる映画です。

2本の映画のラブドールの役割においての考察

上記で紹介した2本の映画はどちらもラブドールが題材ですが、その役割は全く違っています。 『空気人形』ののぞみは自分の意思を持ち、さらに自分が性欲処理のための道具だということを理解しています。劇中でもセックスシーンが含まれています。 そして、持ち主の秀雄にとっても愛する純一にとっても自分がただの代用品であることを知ってしまう......。ラストは存在理由を失ったのぞみは自らゴミ捨て場に横たわり人形としての最後を迎えます。 一方『ラースと、その彼女』では、ビアンカは実際にはただの人形。あくまで、ラースの妄想の中での生きている女性です。 そのため、劇中では性処理の道具として扱われることは一切無く、ラースに大切に扱われています。ラースがトラウマを克服し、人と向き合えるようになった後、ラースの妄想の中のビアンカは死を迎えます。

魅力溢れるラブドールの世界へ!

性欲処理の道具だけではないラブドールの魅力を知っていただけたでしょうか? 実際に、ラブドールの展示には女性も多く訪れていたりと、その魅力に女性も惹き付けられています。性欲処理の道具から芸術作品へと進化したと言ってもいいでしょう。 『空気人形』も『ラースと、その彼女』も映画の中での役割は違いますが、結末は役割を終え「処分」されてしまいます。人間のためだけに作られたラブドールを題材にした映画はどこか切なくなってしまいます。 紹介した作品以外にもラブドールを題材とした映画は数多く存在するので、この機会に是非チェックしてみてください!