2020年10月12日更新

映画館のIMAXってなにが違うの?IMAXレーザーとの違いやカメラについても解説

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映画館のIMAXってなにがスゴイの?違いやカメラについても解説

最近の映画館には、これまでとはひと味もふた味も違った革新的な映像や音響が楽しめる新しい上映システムが導入されています。「IMAX」や「MX4D」と銘打ったシアターも、多く見かけるようになりました。 この記事では、映画館での鑑賞をより極上のものにしてくれるIMAXについて詳しく紹介。そもそもIMAXとはなにか?というところから、IMAXの進化型システムの数々、さらにIMAXで観るべきおすすめ映画についてもお届けします。

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そもそもIMAXとは?

IMAXとは、カナダのIMAX社が開発した動画フィルムの規格・映写システムのこと。通常の映画で使われるフィルムよりも大きなサイズで映像を撮影・上映することができます。 I映画を構成する映像や音響、空間などの要素はすべて最高の水準まで高められ、これまでにない映像美や臨場感を体感することができるのです。

映像

2台のデジタルプロジェクターを同時に使用し、リアルタイムで映像を調節。スクリーンは鮮明で明るく、まるで実物の空間が広がっているような高品質の映像を生み出すことができます。

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音響

独立したスピーカーや高度なチューニングシステムによって、精密なサウンド調節が行われています。劇場全体がクリアなサウンドに包まれ、どこの座席に座っても素晴らしい音響を楽しむことができます。

空間設計

シアター内はIMAX社仕様にカスタマイズされており、スクリーンは通常よりも客席に近い場所に設置されています。さらに床から天井、左右いっぱいに広がる大型スクリーンは臨場感を生み出し、映画との一体感をもたらしてくれます。

上映形態その1:IMAXデジタルシアター

IMAXによる美しい映像を全身で体感するために、劇場の空間全体に独自の設計を施しているのが、IMAXデジタルシアターです。2台のデジタルプロジェクターを同時に使用することで、より明るく鮮明で高品質の映像を投影できます。リアルタイムの映像調整も可能です。 音響面では、独立した5つの音声チャンネルの専用スピーカーを持ち、高度なチューニングシステムで精密なサウンドも調整できます。どの座席でもクリアなサウンドが楽しめるのも魅力のひとつ。 床と天井、そして壁いっぱいに大型スクリーンが広がり、客席からの距離も非常に近いのが、IMAXデジタルシアター最大の特徴です。この専用シアターで上映するために、IMAX専用カメラで撮影した作品も増えてきました。

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IMAX3Dとは?

IMAXデジタルシアターで、さらに3D版を楽しめるのがIMAX3Dです。そもそも臨場感がすごいIMAXの映像が、スクリーンから飛び出してきて目の前に迫るようなリアリティには驚き! 普通の3D映画とは段違いの差を見せつけてくれます。

上映形態その2:IMAXレーザー

IMAXデジタルシアターの進化型であるIMAXレーザーでは、それまで2Kだった画質が4Kレーザープロジェクターでより鮮明になりました。さらに音響面でも12chのシステムを採用し、より臨場感あふれるサウンドを追求。 進化した特徴としては、深みのある映像コントラストとレーザー光源による明るさが挙げられるでしょう。スピーカーもサイドとオーバーヘッドが新たに設置され、ごく小さな音から轟音までもリアルに再現することができます。

上映形態その3:IMAXレーザー/GTテクノロジー

2015年11月に日本で初めて導入された、さらなる進化型IMAXレーザーのシステムが、IMAXレーザー/GTテクノロジーです。IMAX最大級の高さ18センチ×横幅26メートルという巨大なスクリーンに合わせて新しく開発され、IMAXフィルムと同じ1.43:1サイズでの上映が可能になりました。 最新鋭の4Kツインレーザープロジェクターと、最大級シアター向けに設計された分散型の12chサウンドシステムを採用し、さらに臨場感と一体感を増しています。 日本でIMAXレーザー/GTテクノロジーのシアターがあるのは、池袋のグランドシネマサンシャインと109シネマズ大阪エキスポシティで、東京と大阪の2カ所だけ!ぜひ1度は体験してみたいものですね。

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IMAXはこうして生まれた!

IMAXの歴史は、1960年代にまで遡ります。もともとはカナダ人のグレーム・ファーガソン、ローマン・クロイター、ロバート・カー、ウィリアム・ショーの4人によって開発されたシステムです。 ファーガソンたちは、1967年のモントリオール万国博覧会で披露した「マルチスクリーン投影システム」の技術をもとに、共同で「マルチスクリーン社」を創業。その後、大画面に投影する方式を導入する際、社名を「IMAX社」に変更しました。 IMAX社が開発したIMAX専用のフィルムとカメラ、それを映写するシステムは今や世界中で採用されています。クリストファー・ノーランのように映画館で観てもらう前提で、IMAXカメラを使用して撮影する監督も出てきました。

日本では、IMAXフィルムの映像を観ることができない?

IMAXのフィルムは1.43:1と正方形に近い形であるため、一般的なアスペクト比の2.35:1では画角が上下切れた映像になってしまいます。IMAXフィルムをそのままのアスペクト比で上映できるのは、前述したIMAXレーザー/GTテクノロジー方式のシアターのみ。 それも、IMAXフィルムをそのまま上映できるのではなく、デジタルデータに変換しなければなりません。しかしこの方法ならIMAX以外のフィルムやデータで撮影した映像であっても、IMAXフォーマットに変換して上映することも可能です。 世界でもIMAXで撮影されたフィルムをデジタルデータに変換せずそのまま上映できる映画館は、限られた数しか存在しません。日本でも上記のように変換しているデータだけが、IMAX専用のシアターで観ることができるのです。

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IMAXで観るべき映画とは?ノーラン監督のこだわりがスゴイ

クリストファー・ノーラン監督は、IMAXフィルムにこだわって映画を撮影することで知られています。2020年公開の最新作『TENET テネット』はもちろん、これまでの作品も『ダークナイト』(2008年)や『ダンケルク』(2017年)などIMAXカメラで撮影したものばかり。 特に『ダークナイト』は、はじめてIMAXカメラを長編映画に活用した作品です。その魅力はなんといっても、観客を映画の世界に没入させるスケール感と雄大さが表現できること。 2010年の『インセプション』と2014年の『インターステラー』でもIMAXカメラを使用し、度肝を抜く壮大な夢の世界や宇宙空間を表現しています。彼が映し出したい世界観には、IMAXカメラは必要不可欠なようです。

ノーランは世界に4台しかないカメラを壊した?

ダークナイト,バットマン
©Warner Bros. Entertainment Inc./Photofest/ZetaImage

クリストファー・ノーラン監督が『ダークナイト』の撮影中に、IMAXカメラを破壊してしまったエピソードはあまりにも有名。しかもそのカメラは、当時世界で4台しかないという代物でした。 カメラが破壊されたは、シカゴの公道を使ったカーチェイスシーン。リアリティを追求しようとしたために、激走する車両の真ん中に50万ドルもするカメラを設置して大破させたようです。 クリストファー・ノーラン監督は、実は『ダンケルク』でもIMAXカメラを水没させたこともあります。視点にこだわるあまり、着水する戦闘機の中にカメラを置いたとか。いずれにしても、もはや他を寄せ付けない執念を感じますね!

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そのほかにもさまざま!進化を続ける上映形態

ドルビーアトモス

「ドルビーアトモス」とは音響技術の研究・開発を行う「ドルビーラボラトリーズ社」が開発した、立体音響システムのこと。映画館や家庭、モバイルといったさまざまな鑑賞環境に向けた規格が用意されています。 例えば自宅にホームシアターをセットアップする際や、外出先でドルビーアトモスのサウンドをヘッドホンで聴くなど、映画館だけでなく身近なサラウンドシステムとして活用できます。

ドルビーシネマ

ドルビーラボラトリーズが提唱している、よりグレードの高いシネマデザインが「ドルビーシネマ」です。最高の映画館を「ドルビーアトモス」と「ドルビービジョン」によって実現しようというもの。 IMAXやMX4Dなどと同様に、音響・映像・空間に付加価値をつけたプレミアムシアターといえるでしょう。世界最高峰のドルビーシネマは、アカデミー賞授賞式が行われることで有名なハリウッドの「ドルビー・シアター」です。

MX4D

「MX4D」は、全身でいくつもの特殊効果を楽しめるアトラクション型の4Dシアター。風が送られたり香りを感じたりするシート効果や、閃光や霧が発生する劇場効果など、五感で映画を体験することができます。 映画をただ“観る”ものから、まるで遊園地のアトラクションに乗っているかのような“体感する”ものへ変えた画期的なシアターシステム。同種のアトラクション型シアターに「4DX」があります。

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SCREEN X

「SCREEN X」は、3面マルチプロジェクションによる上映システムです。正面のスクリーンに加えて両サイドの壁面にも映像が投影され、270度のワイドスクリーンで映画を鑑賞することができます。 SCREEN Xが初めて披露されたのは、2013年の釜山国際映画祭。2015年からは韓国の大手シネコン「CJ CGV」に導入され、それ以降日本を含む世界中の映画館でも採用されています。

さらに興行各社もスクリーンを開発!

ほかにもイオンシネマの「ULTIRA」やTOHOシネマズの「TCX」など、それぞれの特色を出した上映システムが開発されています。 ULTIRA(ウルティラ)は、高画質映像とクリアサウンドが楽しめるイオンシネマ独自の上映システム。上下左右いっぱいに広がる特別仕様の専用シルバー・スクリーンを採用しています。高音・中音・低音の領域をコントロールした立体音響で、鮮明で明るい映像とクリアなサウンドを実現。 TCXは「TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREEN」の略で、TOHOシネマズ独自の規格であるラージスクリーンのことです。天井や壁などダーク系に統一した劇場で、スクリーン以外の光の反射を軽減しています。

進化し続けるIMAX!より迫力ある映像を映画館で観よう

1960年代に生まれ、時代とともに進化を続けてきたIMAX。他にもさまざまなプレミアムシアターやアトラクション型シアターが登場し、映画館はもはやただ映画を“観る”場所ではなくなりつつあります。 家で手軽に鑑賞できる配信サービスも最盛期を迎えていますが、IMAXのように映画館で観てこそ圧倒的な映像体験ができる上映システムは、今後も進化していくはず。ぜひ迫力ある映像を、映画館で体験してください!