ニコラス・ケイジも自画自賛!狂気の親描く『マッド・ダディ』を最速レビュー
いつもと変わらぬ朝に訪れる大パニック。狂気のハイ・ボルテージ・スリラー映画!
言わずと知れたハリウッドのトップスターであり、主演を務めるアカデミー賞俳優ニコラス・ケイジに「ここ十数年の出演作の中で一番気に入ってる作品さ!」と言わしめた映画『マッド・ダディ』。演技派かつ肉体派のニコラス・ケイジと、エクストリームな作品で話題を集めてきた映画監督ブライアン・テイラーがタッグを組み、未だかつてない傑作スリラーが誕生しました。
ある日突然狂い出した親たちは……。
愛する妻と2人の子どもに恵まれながらも、求めていた日々からは遠い少々冴えない日々を過ごす主人公・ブレント。いつも通りに会社で仕事をこなしていた彼のもとに飛び込んできたのは、国中の親が実の子どものみを殺害し、大パニックに陥っているというニュース。 我が子の身を案じ、急いで会社から自宅へ向かうブレントだったが、子どもたちの顔を見た途端、その身体は謎の狂気と殺意に包まれてしまい……。 ある日突然親が我が子へ殺意を向けるという衝撃的な設定と、ブラックジョークとバイオレンス、そして愛と狂気に満ちたハイ・ボルテージ・スリラーです。
豪華キャスト陣に注目
主演は個性派アクションスター、ニコラス・ケイジ
本作で主演を務めたのは、ハリウッドの大スターニコラス・ケイジ。15歳の頃に演技を始め、1982年に『初体験/リッジモント・ハイ』で映画デビュー。 その後1996年の『ザ・ロック』や1997年の『コン・エアー』、2004年の『ナショナル・トレジャー』シリーズなどの超大作で肉体派としての能力を見せつけ、さらに1995年の『リービング・ラスベガス』では米アカデミー賞主演男優賞を受賞するなど、演技派俳優として長年に渡って映画界に君臨する名優です。
『ヘルボーイ』シリーズのヒロイン役で話題を呼んだセルマ・ブレア
主人公・ブレントの妻で、彼と同じく我が子殺しの狂気に包まれる母親・ケンダルを演じたのは、幅広い活躍を続けるセルマ・ブレア。 1972年にアメリカ・ミシガン州に生まれ、演技の世界を志しステラ・アドラー芸術学院にて演技を学び、1997年にスクリーンデビュー。1999年に出演した『クルーエル・インテンションズ』では作中で演じたキスシーンがMTVムービー・アワードでベスト・キスシーンを受賞しました。 その後も2004年のギレルモ・デル・トロ監督作品『ヘルボーイ』および2008年の『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』でヒロイン役を演じるなど、目覚ましい活躍を続けています。
監督は映画『アドレナリン』などで知られるブライアン・テイラー
大いなる狂気と凶暴性を持つ本作でメガホンを取ったのは、そのバイオレンスでエキセントリックな設定が話題となったジェイソン・ステイサム主演の『アドレナリン』などで知られる映画監督ブライアン・テイラー。 家庭用ビデオカメラを撮影に使用するなど、型破りな撮影法を取り入れた独特の作風が特徴で、主演のニコラス・ケイジとは2012年のオカルト映画『ゴースト・ライダー2』以来のタッグとなります。 ほとんど作品を同じく映画監督のマーク・ネヴェルダインと共同で制作していますが、本作はブライアン・テイラーが単独で監督を務めています。
ダークな設定が光る本作の見どころ
親が我が子に牙をむけるという陰惨な物語設定
本作の最大の見どころである、親が自分の子どものみに殺意を抱くという衝撃的で陰惨な物語設定。そのうえそれが単発的な事件としてではなく、国中で分け隔てなく起こる社会現象として扱われているため、観客に得体の知れない恐怖心と不穏な気持ちを抱かせます。 また、バイオテロや洗脳などといったはっきりとした原因はなく、物質的な要因が明らかにならないまま物語は進んでいくため、予想のつかない展開に引き込まれてしまうこと間違いなしです。
社会的な状況へのダークでねじれた視線
本作の根底にあるのは、人間が極限まで追い詰められたときにほんのはずみで生じてしまう普遍的な狂気。一見突飛な物語設定のようで、そこにあるのは愛と憎悪という紙一重的な境界が危ういふたつの存在であり、誰もが持つ感情が歪んだ思考に傾いてしまったときに起こり得るパニックを、役者たちの真に迫る演技とバイオレンスな映像表現を伴って描かれています。 加護欲に何らかの力が働き、ゆえにその真逆の行動をとってしまうという人間の心理状態のゆらぎを、監督のねじれた視線を通して体感することができます。
いよいよ6月23日に日本公開!
豪華なキャスト陣と才能豊かなスタッフ、そしてその驚愕の物語設定で日本公開前から注目を浴びている映画『マッド・ダディ』。いよいよ2018年6月23日に日本公開が決定していますので、ぜひ劇場でスリル満点の本作を楽しんでみてはいかがでしょうか。