2017年7月6日更新

【驚き】CGを使っていない、ヤバいシーン10選!

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1.ミキサー車大回転シーン!?

2014年公開『マイティ・ソー/ダークワールド』より。

『アベンジャーズ』などマーベル映画はCGが多用される傾向にあります。しかし、『マイティ・ソー/ダークワールド』で監督を務めたアラン・テイラーは実写や特殊効果を好む人物です。 『マイティ・ソー/ダークワールド』の一場面に巨大セメントトラックが倉庫内で回転するシーンがあります。この場面のトラックはCGで再現されたものではありません。実際のセメントミキサー車を吊るし、機械制御で回転がコントロールされていたそうです。 さらに、象徴的なバトルシーンでもグリーンバックは使用せず、アイスランドの荒野でロケーション撮影が行われるなど、アラン・テイラーは本物にこだわっていました。

2.バットモービルとゴミ収集車の衝突シーン!?

2008年公開、クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』より

クリストファー・ノーランと言えば、CGを好まない監督として有名です。 『ダークナイト』予告映像でゴミ収集車とバットモービルのチェースシーンを観たノーランファンは、大作映画のプレッシャーに負け、クリストファー・ノーランがついにCGに頼るようになったと思っていたそうです。 しかし、実際このシーンはCGで再現されたものではなくファンの勘違いでした。3分の1スケールのバットモービルとゴミ収集車の模型を作成、2台の模型をシカゴのストリートでフルスピードで衝突させ、あの迫力ある名シーンは生まれました。

3.トレイラー横転シーン!?

2008年公開、クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』より

『ダークナイト』にはまだまだ、CGが使われていない迫力のシーンがあります。バットマンがグラップリングホックを使ってジョーカーのトレイラーを横転させるシーンがそのひとつです。 もしクリストファー・ノーラン以外の監督がこの場面を撮るとしたら、まずストリートの映像を撮影をして、後からCGで再現したトラックを横転させるか、巨大なグリーンバックの前で本物のトラックを横転させ、後からゴッサムシティの映像を合成させるかのどちらかを選択するはずです。 ノーランが望んだのは両方を実写で再現すること。撮影が行われたのはシカゴ、ダウンタウンのストリートの一画を封鎖、トレイラーの底にスチーム式のピストン装置を取り付け、合図と共に装置が発動、トレイラーが横転する仕組みになっていました。 最終処理でピストンを消さなくてなりませんでしたが、あれだけのシーンを実写で再現したことを称賛するべきでしょう。

4.ニューヨーク総攻撃シーン!?

1996年、ローランド・エメリッヒ監督『インデペンデンス・デイ』

『インデペンデンス・デイ』はCGがふんだんに使用された作品ですが、ある印象的な一場面にはCGが全く使用されず、撮影方法の工夫と模型で再現されていました。 無数の宇宙船がニューヨークのストリートに火の玉を落とすシーンです。この場面は花火を模型の街で爆破し、その模様を撮影、後に映像をスローダウンさせて火の玉を再現していました。 このシーンの完成には数か月が費やされていたそうです。

5.パンは5時間をかけて再現されていた!?

2007年公開、ギレルモ・デル・トロ監督『パンズ・ラビリンス』より

ギレルモ・デル・トロの傑作ダークファンタジー『パンズ・ラビリンス』には奇妙なキャラクターが山ほど登場します。 意外に思うかもしれませんが、主人公の少女オフェリアを迷宮へと誘う角の生えたクリーチャー、パンはCGではありません。ダグ・ジョーンズがパンを演じていました。 特殊メイクアーティストによって制作された4.5キロあるラテックスフォーム製の角、約20cmの高さの器具を足に取り付けるなど、タグ・ジョーンズは5時間をかけパンに変身していたそうです。

6.5次元空間でさえCGを使用しなかった!?

2014年、クリストファー・ノーラン監督『インターステラー』より

クリストファー・ノーランのこだわりは最新作『インターステラー』でも変わっていませんでした。 マシュー・マコノヒー演じる、ジョセフ・クーパーが不思議な5次元空間に落下するシーンはCGではありません。この場面のセットはインスタレーションという現代美術の手法が用いられ、インスタレーションにマシュー・マコノヒーの宇宙服やブーツを吊るすことで、無重力空間を再現していました。 その他にも、溶けた氷河を上から撮影して、惑星を再現したり、巨大ファンを使って砂嵐を表現するなど、出来るだけリアルなタッチが映像に現れるようにクリストファー・ノーランは工夫を凝らしていました。

7.ラプトルの襲撃シーン!?

1993年、スティーヴン・スピルバーグ監督『ジュラシック・パーク』より

『ジュラシック・パーク』はCGと昔ながらの特殊効果がバランスよく取り入れられた傑作です。 特殊効果が使用された名シーンのほとんどがスタン・ウィンストン・スタジオで撮影されたもの。スタン・ウィンストンはからくり人形型のパペットやラプトルの着ぐるみなど素晴らしい小道具を生み出した人物です。 ラプトルのスーツアクターはジョン・ロセングラントが務めていました。スーツの中でスキーヤーのようにかがむ必要があったため、ジョンは撮影に入る前にスキーのインストラクターと共にトレーニングに励んだと言います。 これによってハモンドの孫たちがレストランのキッチンでラプトルに追われる名シーンが生まれていました。

8.ホビットの身長を目の錯覚で再現!?

ピーター・ジャクソン監督『ロード・オブ・ザ・リング』より

ホビットは物語の中でエルフ、ドワーフ、魔法使い、オークなど様々な種族と出会うことになります。ホビットの身長は約1メートルほどと小さいことが特徴の種族です。他の種族との身長差を再現する必要がありました。 ピーター・ジャクソンはこの身長差をCGではなく目の錯覚を利用して再現しています。 ホビットのバックショットを撮るときは子供がカツラをかぶるなどして代用、顔が必要なシーンは工夫が必要でした。 たとえば、フロドとガンダルフが面と向かって食事をするシーン。 まず、イライジャ・ウッド(フロド)とイアン・マッケランは違うテーブルに座ります。通常サイズの食べ物や飲み物をガンダルフの前に、そして、通常より巨大化した物をフロドのテーブルにセット、完璧なカメラアングルから撮ることで身長差を再現しました。

9.CGではなく舞台の経験を生かしていた!?

2005年、ミシェル・コンドリー監督『エターナル・サンシャイン』より

『エターナル・サンシャイン』のあるシーンでCGが使用されていなかったと聞けば、驚かずにはいられないでしょう。 ジム・キャリー演じるジョエルが薄れ行く記憶の中、部屋から部屋へ移動する1カットの長回しシーンです。この場面はジョエルがドアを開け、部屋に入る、数秒後に入った時とは異なる衣装で扉から登場、一見CGなしでは不可能に思えます。 しかし、舞台のバックグランドがあるミシェル・コンドリーにとって不可能ではありませんでした。まずセットの出口に隠しトンネルを作り、そこでジム・キャリーが早着替え、カットを切らず、逆側から出てきたジム・キャリーを捉えていました。 これによって役者のテンションを切らさずに撮影が可能に、あの名シーンが生まれることになりました。

10.回転する廊下でのバトルシーン!?

2008年、クリストファー・ノーラン監督『インセプション』

『インセプション』はアカデミー作品賞にノミネート、視覚効果賞、撮影賞を受賞した作品です。斬新な映像で世界中を驚かせました。 特に印象的なシーンの一つが回転する廊下でのバトルシーンです。 『メメント』『ダークナイト』などノーランと長年タッグを組んできた撮影監督ウォリー・フォスターでさえ、このシーンを撮影すると知った時は驚いたそうです。
“廊下が回転するシーンの台本を読んだとき、呆気に取られて、どうしたら良いか分からなかったよ。”
『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』でも使用された、第一次世界大戦時代のハンガー(格納庫)に360度回転する廊下のセットは建てられました。 アーサーを演じたジョゼフ=ゴードン・レヴィットはこのシーン撮影の3週間前からスタントマンと2週間のトレーニングに励み、回転床でのアクションに備えていたそうです。