この森で、天使はバスを降りた

この森で、天使はバスを降りた

作品情報

原題 The Spitfire Grill
製作国 アメリカ

新着感想・ネタバレ

mazda620の感想・評価
刑務所から出所した若い女性の再スタートである村の人たちに小さな変化をあたえた話。
結論からいえばこの村の人たちはおそらく何も変わらなかった。"犯罪者"という肩書きのイメージで人を判断するということは悪いことかもしれないけど、みんなが顔見知りの平凡な小さな町に、ある日突然傷害罪で刑務所にいた身元不明の人間が親しみのあるカフェで住み込みしているときけば警戒するのは無理もないと思う。
この映画はある大きな結末を得るけど、それによって村の人達の他人への目線や態度が変わったのか、何かを得ることができたのかと問われると、すごくあやふやな終わりによって観てる側だって満たされないきもちになる。
日々の暮らしで大きな出来事が起きた時、その事によって何かに気づけた人変われた人というのは以外と少ないと思う。ほんとはもっとそれをきっかけに気づくべきことがあるはず、風化とか忘れるとかいう言葉を使いたくないけど、時間は流れるし新しく人に出逢い別れを繰り返す中で、大半の人には人生の中の一つの出来事にしかならない。だからこの大きな結末に対して村の人々の変化や誰かの成長も特別感じないまま終わる。
ただその出来事がまったく誰にも届いていないわけじゃない。主人公の女性がこの人を助けてあげたい、優しくしてあげたいという行動や些細なそのきもちは必ず誰かに届いている。目に見える変化はなくても誰かにとってのこの先の...
HMworldtravellerの感想・評価
観終わって、静かに心に沁みわたるこの気持ちは感動じゃない。感動のオブラートに包まれた無念と虚無感+ほんの少しの希望。

5年の刑期を終えた若い女性パーシーが再出発に選んだのは森に囲まれた田舎の小さな町。その町で飲食店を経営するハナのもとで住み込みで働くことになる。

まっとうであるがゆえに苦しみ、プツリと切れた糸のように怒りがリミットを超え罪を犯した過去を持つ主人公。どんな理由があっても罪は罪。だが、新しくやり直したいと願い、癒しきれない過去と向き合いながら前へ進もうとしていた人間に対するこの結末はあまりにも救われない。再会、再生、悔悛・・部分的に見ればハッピーエンドはあるけれど誰かの犠牲の上に成り立った幸せに、手放しに良かったとは言えない自分がいる。

ラストは皆がそれぞれの立場で何かを悔い改めたり考え方を変えたようには見えるけれど、時間と共に風化しそうな淡白さもまた漂っているように感じたのは私だけだろうか。小さな町の閉塞感や排他性は、ひとたび仲良くなればとてもアットホームなのだが、よそ者に対しては冷たく無関心という性(さが)は変わっていないように見えた。他の誰よりも彼女にこそ幸せになってほしかったのに。。もたらされたものの代償だと考えるにはあまりにも大きすぎる。

ハナと息子のこれから、飲食店の新たなオーナー、社会復帰の支援基金などの希望のシーンを観ながら、みんなで届いた作文を読み上げて笑っていた短くも楽しい時間を思い出し、泣いた。
maejimaの感想・評価
森の景色が綺麗で排他的なアメリカの田舎町で主人公が人生をやり直そうとする姿が良かったです。
ラストシーンも素敵でした。
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