蟻の兵隊

蟻の兵隊

作品情報

新着感想・ネタバレ

tmmyonの感想・評価
中国山西省で敗戦を迎えた将兵約2600人は、武装解除を受けることなく、残留を命じられた。中国国民党軍闘の部隊として、敗戦後3年8カ月にわたって中国共産党軍と戦った彼らは、多くは戦死し、700人以上が捕虜となり、昭和30年前後にようやく帰国した。
このドキュメンタリーは、その部隊にいた奥村和一さんが国に戦後補償を求める裁判を上告し続ける様子や、80歳過ぎてから自分たちが配属されていた中国へ赴く姿を追っている。
私はこの映画を見るまで、この「日本軍山西省残留問題」のことを知らなかった。この映画を撮影している最中にも、「生き証人」の方々が無くなっていく。だが、日本政府は、「武装解除」をしなかったという事実を認めてしまうと、「ポツダム宣言」を違反したことになるため奥村さん達の訴えを全て棄却する。
奥村さんは2年前に亡くなったそうだが、「生き証人」がいなくなった今、私達はこの問題を無かったことにしていいのだろうか?そんなことを考えた。
changpianの感想・評価
池谷薫監督、2006年のドキュメンタリー映画。CS放送を録画したもので鑑賞。閻錫山と日本軍部の密約により、山西省に残留し国共内戦を戦った日本人兵士。国からは自らの意思で中国にとどまったとされ、補償を得られずにいる。この映画では、そのような兵士の一人だった奥村和一に焦点を当て、彼の山西への取材旅行にも密着する。
 奥村は、中国でも基本的には日本語を話しているが、子どもに対して、「男の子なのだから泣くな」と中国語で話しかけるシーンは印象的。家庭では戦争について一切口にしないことも印象に残った。日本軍や中国人に強姦された女性の告白も。それと、靖国神社で小野田寛郎に「侵略戦争を美化するのか?」と詰め寄るシーンもある。共に残留日本兵でありながら、その思想には大きな隔たりがある。そこには、奥村が共産党軍に勾留され教育を受けたことも影響しているのかもしれない。奥村という人の大きさ、そして戦争、時間の流れ、など、色々なことを考えさせられる映画だった。
sabiinuの感想・評価
2006/08/16 第七藝術劇場
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