キッズ・リターン

キッズ・リターン

作品情報

製作年 1996年
日本劇場公開日 1996年7月27日
製作国 日本
上映時間 108分

新着感想・ネタバレ

southpumpkinの感想・評価
学校の鼻つまみ者だった二人が卒業してそれぞれの道を歩み始める過程を淡々と捉えた青春映画。この映画を観て青春映画の定義を自分の中で定めることができました。ずばり「青年が成長する過程」を描いているのが青春映画なのです。ホモセクシャルの雰囲気を帯びる二人は、退屈な学校生活を送っていたが、ボクシングとヤクザでそれぞれの生きる道を見つける。よっしゃ、これで食っていくんだ!と決めた矢先、人生は実はそんなに甘くない。この映画を鑑賞した後の感覚は、まるで久しぶりの同窓会に顔を出した時に似ています。人が成長し、時にはすっかり変わってしまうあの感じ。そんなたくさんの人々が画一的に詰め込まれた学校というおかしみ。時にビートたけし(らしさ)が顔を出す映画は明らかにフィクションですが、印象としてはまるで自分の経験をそっくりそのまま切り取ったような瑞々しさがあります。映画の中でズバリ答えが導かれていない、というのも映画のクオリティを格段に高めている。この映画のメッセージはラストの二人の会話に集約されていました。「俺たちは終わったのか?」「馬鹿野郎、まだ始まってもいない」沁みます。
そんなシンプルな映画の中に、北野武の映画的な創意工夫がこれでもかと詰め込まれています。すごい!と思ったのが、ジャンプカット。車が全焼するシーン、強面の人にボコボコにされるシーンなど、ジャンプカットでギャグをやってのけるのです。登場人物の身に着ける服装の色にも気が回っている。十人十色、という映画のテーマそのものです。シンジがキタノブルーを身にまとっていたのはもちろん意図されたものでしょう。
theskinheadsの感想・評価
改訂版(加筆しました)
この映画はなんとも。
素晴らしい映画を観せてもらった。まさに世界の北野。流石です。
欲を言うならば高校時代、いや、中学校時代に観たかった。別にボクシングを始めようってわけじゃない。そうじゃなくて青春映画を観た時の甘酸っぱさを今惜しんでも取り返せないんだよな。青春映画はたくさんある。その多くが胸に響く。中でも特にキッズリターンはリアルだった。人生ってこうだろうなと思うことが映画の随所にあった。墓石のセールスマンになって、厳しさからタクシーの運ちゃんなら楽だろうって同僚に誘われた男。そんなことはなかった。
センスがないと馬鹿にされながらも3人しか集められなかったコンビが夢を掴む。ちょうど録画してた成功の遺伝子って番組を見てた。何で録画したかっていうとビートたけしが出てるから。最近すごく尊敬するようになってて、浅草キッドを歌うっていうから録画した。浅草キッドは最後の大サビの部分だけツイッターで歌ってる人がいて知ってた。全部は知らなかったしどんな思いが込められてるかなんて全くだ。その歌の意味を知った時、大迫力で歌うビートたけしを観た時、魂が震えるとはこのことだね。涙が止まらなかった。そしてちょうどキッズリターンを思い出した。このシーンだ。
客が2人の 演芸場で
夢をたくした100円を
投げて真面目に 拝んでる
キッズリターンに出てくるお笑いコンビはそういうところと重ねても...
Keisuke__Aoyagiの感想・評価
当時、格好いい系の映画だと思って見てたけど、金子さんと安藤さんの顔でボクシングとヤクザっておかしくね?と保守的な世間の空気からハラスメントを感じました。二人とも女の子とイカしたデートしてそうなのに、ストイックで誠実そうな部分をたけしに弱みと見られてしまったのかな。ストイックな主役二人とサブカルで水と油のようにまとまらない完全分離の内容が逆にリアルに思えます。全体的に人を小馬鹿にした作りだけど、また久石譲の音楽の本気度が違う。もしかしたら自分と同じ感覚で見ていた方もいるかもしれません。
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