2017年7月6日更新
トム・ハーディの素晴らしいパフォーマンスランキング!
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第10位.マックス『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
2015年ジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』マックス
今作で最も人気を獲得したキャラクターは、シャーリーズ・セロン演じるフュリオサかもしれませんが、トム・ハーディはメル・ギブソンからマックス役を引き継ぎ、素晴らしいパフォーマンスを披露しました。
セリフは最低限、ほとんどを身体的アクションに頼り、マックスというキャラクターの魅力を最大限引き出しています。今作の撮影はテクニカルなディテールに出来るだけこだわっていたため、トム・ハーディにとってストレスの溜まる現場だったと言われています。
しかし、映画リリース後、トム・ハーディはジョージ・ミラーに現場で自分は“短絡的”だったと公共の場で謝罪していました。
とにかく、セリフが少ないことは関係ありません。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は2015年を代表する映画、トム・ハーディなしではここまでの成功はなかったでしょう。
第9位.ベイン『ダークナイト・ライジング』
2012年クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト・ライジング』ベイン
クリストファー・ノーラン『ダークナイト』三部作最終章でトム・ハーディは、ヴィランのベインを演じました。ベインはマスクを着けたキャラクターのため、声が聞き取りづらいという意見もあるようですが、今作のトム・ハーディのパフォーマンスは際立っています。
激しい肉体改造に取り組んでいたこともあり、トム・ハーディのベインは、威圧感、存在感が半端ではありません。バットマンとのバトルはアクション映画史上最高のバトルのひとつでしょう。
第8位.フォレスト・ボンデュラント『欲望のバージニア』
2012年ジョン・ヒルコート監督『欲望のバージニア』フォレスト・ボンデュラント
トム・ハーディは『欲望のバージニア』でアメリカが禁酒法を施行していた時代に密造酒を売っていたフォレスト・ボンデュラントを演じています。
チャーリーを演じたガイ・ピアースなど、ほとんどのキャストがオーバーな演技をする中、トム・ハーディは抑えたパフォーマンスで狂気を表現、それだけにフォレストが怒り、バイオレンスが爆発する場面は恐ろしく、フォレスト・ボンデュラントは存在感のあるキャラクターになっていました。
第7位.トミー・コンロン『ウォーリアー』
2011年キャヴィン・オコナー監督『ウォーリアー』トミー・コンロン
クリストファー・ノーラン『インセプション』などに出演していたものの、トム・ハーディのアメリカでのブレイク作は2011年『ウォーリアー』です。今作でトム・ハーディは元海兵隊で、総合格闘技の世界に挑戦するトミー・コンロンを演じました。
マックスと同じように、トミーのセリフは多くありませんが、トム・ハーディにとってセリフなどそれほど重要ではありません。その分、肉体、表情、立ち姿でキャラクターを表現、素晴らしいパフォーマンスを披露しました。
アメリカ映画で主役を演じることがなかったトム・ハーディは、『ウォーリアー』によってアメリカでの知名度をグンと上げる結果となりました。
第6位.マイケル・ピーターソン『ブロンソン』
2008年ニコラス・ウィンディング・レフン監督『ブロンソン』マイケル・ピーターソン
『ドライヴ』で知られるニコラス・ウィンディング・レフン監督作『ブロンソン』でトム・ハーディはイギリス史上最も凶悪な囚人、チャールズ・ブロンソンことマイケル・ピーターソンを演じました。
『ウォーリアー』はアメリカでのブレイク作でしたが、今作はイギリスでのブレイク作品です。今作で称賛するべきなのは、圧巻の肉体的説得力です。
トム・ハーディは凶悪な囚人ブロンソンを終始エネルギッシュなパフォーマンスで体現、多くの観客を釘付けにしました。音を消してこの映画を鑑賞しても、エンターテインメント性は損なわないかもしれません。
第5位.ロナルド&レジナルド・クレイ『レジェンド(原題)』
ブライアン・ヘルゲランド監督『レジェンド(原題)』ロナルド&レジナルド・クレイ
1960年代ロンドンに実在した双子のギャングの半生を描いた映画『レジェンド(原題)』でトム・ハーディは双子のギャングクレイ兄弟を一人二役で演じています。
レジナルドを演じる時は首尾一貫したパフォーマンス、ロナルドを演じる時はいつも怒りを秘めているようなパフォーマンス。怒った時にはセリフを判別できないほど激しいロナルド、一方、レジナルドは冷静を保ち、怒りを押し殺すようにして演じるなど、見事に双子を演じ分けています。
『レジェンド』で、難しい役柄を一人二役で見事に演じたトム・ハーディは改めて素晴らしい俳優であることを証明しました。
第4位.リッキー・ター『裏切りのサーカス』
2011年トーマス・アルフレッドソン監督『裏切りのサーカス』リッキー・ター
パズルのように難解な物語を濃密で美しいショットで描いたスパイスリラー『裏切りのサーカス』でトム・ハーディはイギリス人工作員リッキー・ターを演じています。
ブロンドのエージェント、リッキーが命を狙われ、切迫した状況の中、意図的に落ち着こうと努める姿がとても印象的。リッキー・ターは主役ではありませんが、物語のカギを握る重要なキャラクターです。
リッキー・ターをトム・ハーディベストパフォーマンスのひとつとして選出しない訳にはいきません。
第3位.タック・へンソン『Black&White/ブラック&ホワイト』
2012年マックG監督『Black&White/ブラック&ホワイト』タック・へンソン
トム・ハーディ作品をランク付けしたリストで『Black&White/ブラック&ホワイト』をここまで上位にランクインさせるリストは他にはないかもしれません。
今作のジャンルはロマンティックコメディ。トム・ハーディのキャリアの中で異色の作品です。まず、それだけで一見の価値があります。
しかし、映画のプロットに工夫はなく、セリフは陳腐。マックGは映像にはとことんこだわる人物ですが、俳優からベストパフォーマンスを引き出すような監督ではありません。
トム・ハーディは今作で何ひとつミスを犯していません。精一杯やれるだけのことをやっていました。もしも、トム・ハーディが出演していなかったら、もっと悲惨な事態となっていたでしょう。
第2位.イームス『インセプション』
2010年クリストファー・ノーラン監督『インセプション』イームス
複雑な構造を持つSF映画『インセプション』でトム・ハーディはイームス役を演じています。
イームスは今作のキャラクターの中では比較的シンプルな人物です。プロットが複雑な今作では、トム・ハーディはほとんどトム・ハーディそのままでイームスを演じています。
イームスが登場する場面はいわば、観客をノーランのイマジネーションへと案内するナビのような役割を果たしていました。それだけではなく、トム・ハーディのパフォーマンスは今作に魅力とユーモアを生み出すためには必要不可欠でもありました。
そのままの自分を出してここまでクールなパフォーマンスを披露できる役者はこう多くありません。
第1位.アイヴァン・ロック『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』
2013年スティーヴン・ナイト監督『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』アイヴァン・ロック
『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』はスクリーンに登場するのはトム・ハーディただひとり、その他のキャラクターは声だけでの出演です。
つまり、トム・ハーディの独壇場、映画が上手くいくかどうかは彼ひとりにかかっていたと言っても過言ではありませんでした。
アクションにも全く頼っていない作品のため、トム・ハーディが発する言葉そのもので物語を前進させ、観客に感情移入させなくてはなりませんでした。
そのため、今作にとってセリフは命、トム・ハーディは場面によって、話し方や間の取り方を繊細に使い分け、アイヴァン・ロックを実在感あるパフォーマンスで演じました。セリフ劇ながら『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』はとてもスリリングな作品に仕上がっています。
もしも、実力のない俳優が同じ役を演じていたら、悲惨なほど退屈な作品となっていたでしょう。