1:限りある命の尊さがテーマのスペース・ファンタジー【1981年】
Go_Hisatomi
人生で最初に泣いた映画。
松本零士によるSF漫画『銀河鉄道999』。主人公の少年・星野鉄郎が謎の美女・メーテルとともに、無料で機械の体が手に入るという星を目指して、宇宙空間走行列車「銀河鉄道」で旅をするという物語です。1978年にテレビアニメ化されると、その壮大な世界観や謎めいた魅力的なキャラクターが人気を呼び、当時を代表する大ヒット作となり、劇場版も製作されました。
『さよなら銀河鉄道999』は劇場版の第2作。前作で機械帝国は滅んだはずでしたが、地球では機械化人間たちの占領が進んでいました。鉄郎はメーテルからのメッセージにより再び旅に出ます。本作で『銀河鉄道999』という壮大なスペース・ファンタジーに一区切り付ける形になっていて、機械の体を生み出す「機械帝国のシステムの秘密」や「謎めいたキャラクターたちの正体」なども明らかにされています。
主人公の鉄郎は「銀河鉄道999」に乗り旅をしながら、様々な困難に遭い、驚愕の真実を知り、大きく成長しました。果たして、機械の体によって得られる永遠の命は本当に幸せなのか?限りある命の尊さを改めて考えさせられる作品です。
2:引き裂かれた友情、ルイ・マルによる自伝的作品【1987年】
chooasaichi
何度観てもみんなでチャップリンの映画を観るシーンでボロ泣きしてしまう…!
Keimiyazato
お金持ちの子供達の通う小学校の先生がユダヤ人で ちょっとした事で逆恨みを受けてナチに密告されます、映画のタイトルはラストシーンでその先生が子供達に向けて言う台詞です、凝った作りや気取った演出の多いルイ マル(自分のイメージはそんな監督)だけどこの作品では控えめで 鬼火と同じくらい好きです。
フランスの映画監督ルイ・マルが、自身の少年時代の経験を基に、脚本・製作・監督を務めた自伝的作品です。舞台は、フランスがナチスの占領下に置かれていた1944年。主人公のジュリアンはクリスマス休暇を終え、寄宿学校に戻ってきます。そこへやってきた3人の転校生。その中の1人・ジャンはとても優秀な少年で、ジュリアンは興味を抱きました。
実はジャンというのは偽名で、寄宿舎に匿われているユダヤ人でした。初めはぎこちないふたりでしたが、次第に友情が育まれます。寄宿舎で互いに楽しい時間を共有する日々を重ねていたところに、突然ドイツの秘密警察がやってきて……。
幼い少年たちにも容赦なくふりかかるナチス・ドイツの虐待。本作は、少年の目線から、戦争の悲惨さ、愚かさを描いています。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作品。
3:少年“S”の刺々しい青春時代を描く【2000年】
tora
田舎での鬱屈した生活、仕事に嫌気がさし、
彼女の給料を盗んでマルセイユのギャングに入ってしまう青年の物語。ジムで身体を鍛え、ギャングの大物にも見初められ台頭し始める主人公ですが…マルセイユが舞台ってだけで贔屓してしまう…
ラストで救われました。
1時間くらいの映画なのでサクッと観れます。お勧めです。
『天使が見た夢』で高い評価を得たエリック・ゾンカ監督による第2作目。パン屋で住み込みとして働く少年“S”は、田舎での変わり映えのしない生活に不満を持っていました。そんなある日、店の主人から遅刻を理由にクビになり、住まいも職も失ってしまいます。自暴自棄になった“S”は、親身になってくれる恋人のお金を盗み町から飛び出して……。
ギャングの一味となり犯罪に手を染める“S”でしたが、完全に裏の世界には馴染めない自分を感じてもいました。そして、“S”がとった行動は?彼の良心は、彼自身を立ち直らせることができるのか?誰もが多かれ少なかれ経験する、葛藤の青春時代をハードに描いた作品です。
4:中年医師の純愛物語【2005年】
mari9
曲から入って、映画を知って観賞。
展開のスピードに戸惑ったけど、とにかく曲がいい。
曲のイメージを壊さないとてもいいラスト。
omame
兎に角、出演陣が豪華!ちょい役でも豪華な役者さん使ってた。大森南朋とか出てたけど、たぶん20秒くらいしか出てないんじゃないかな?(笑)スチャダラパー、アフラ、クラムボン郁ちゃん、ソウルセット、ハナレグミとミュージシャンも多数出てた。これも竹中直人の人脈なんじゃないかな。竹中直人の凄さを見せつけられた作品。勿論、楽曲も最高。
「SUPER BUTTER DOG」の同名曲を基に、竹中直人が監督・主演を務めた作品。医師・佐々木が務める海の見える病院に、同級生で初恋の相手の未知子が子宮がんで入院してきます。なんとかして憧れの人を治したいと思う佐々木。はじめ未知子は佐々木のことを忘れていたようでしたが、次第に思い出し、ふたりの距離も縮まります。そして、未知子の治療の成果も出始めますが……。
何十年も想い続けている憧れの女性と再会した純粋な中年男性の恋物語を、竹中特有のコミカルさを交えながら切ないラブストーリーとして描きました。竹中が医師・佐々木を、ヒロイン・未知子を原田知世が演じています。共演は、段田安則、中島みゆき、内村光良のほか、永積タカシ、北川悠仁、斉藤和義、スチャダラパーなどのミュージシャンも多数出演。
5:歪な愛の形を描いた衝撃作【2013年】
Kouji_Tomida
深いです。
主人公たちの行動に共感しずらかった。
それで気づいたら主人公たちの心理を考えさせられていた。
ある意味監督の思うつぼだったのかな?
こういう重い話は嫌いではないので自分の中では高評価です。
IOWA104
・面白い
・愛の形は様々と考えさせられる映画
芥川賞作家・吉田修一の小説を原作に、大森立嗣監督が映画化。とある渓谷で幼児の遺体が見つかり、容疑者としてその母親が逮捕されました。しかし、隣の尾崎家の夫と容疑者が不倫関係にあることが、尾崎の妻の証言により浮上し、尾崎に共犯の疑いがかかります。事件を追う週刊誌の記者は、尾崎夫妻をめぐる15年前の事件にたどり着き……。
本作は、“ごく普通に見える夫婦。だがふたりは残酷な事件の被害者と加害者だった─。”というキャッチコピーでほぼネタバレしていますが、重要なのは登場人物の愛の在り方です。加害者である夫の贖罪。被害者である妻の復讐。それぞれから生まれた歪な愛を、真木よう子と大西信満が好演しました。また、監督の実弟である大森南朋も記者役として出演。第35回モスクワ国際映画祭 審査員特別賞をはじめ多数の賞を獲得した作品です。
6:激動の時代の青春ドラマ【2013年】
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葛藤。無垢で純真で年頃な女の子が、成長して大人になるというより虚しさの中に悟りを開いていくような。親友とは何なのか、母親とは何なのか、父親とは何なのか、世界とは、政治とは、平和とは、生きるとは、何なのか。感情移入しすぎると本当にどうしようもない気持ちになります。いい感じに報われない。すごく好きです。
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取り敢えずものすごく怒りたくなった時に観るのにはオススメというか、猛烈に腹立たしい人物が登場しますので。自分はこんなもんだという投げやりさと世界を変えることができるという思い込み、それが当たり前に同居している【少女】というものをきっちり描ききっている。
イギリス出身のサリー・ポッター監督による青春ストーリー。舞台は、1960年代のロンドン。核戦争寸前のキューバ危機を迎え、世の中は反核運動で盛り上がっていました。幼馴染のジンジャーとローザは、何をするにも一緒で大の仲良しでしたが、反核運動に対する考え方の違いや、ジンジャーの父親とローザとの関係などから、ふたりの友情に溝が生まれ……。
核兵器による緊張感、激動の社会の中で青春時代を過ごした少女たちの多感な心と、その成長を描いた作品。『SUPER 8/スーパーエイト』のエル・ファニングがジンジャーを、ジェーン・カンピオン監督を母に持つアリス・イングラートがローザを、瑞々しく見事に演じています。
7:難病の女性と介護人とに通う厚い友情【2014年】
flowermurmur
ALSに侵された女性を介助することになった、性に奔放な女子大学生。女性版『最強のふたり』っぽいけど、こっちの方が残された時間は確実に少ない。少しきれいにまとめすぎた感じも否めないことは確か。でも病気の彼女を「好き」と言える心の透明さがわたしには響いた。
エイミー・ロッサムは化けたなあ。もう『オペラ座の怪人』のクリスティーヌだった頃の面影はもうない。とんでもないビッチだった(笑)。ダコタ・ファニングがチェリーボム歌ってた映画に比べたら抜群によかったけど。
whentheycry
ヒラリー・スワンク、エミー・ロッサム、ジョシュ・デュアメルの配役が素晴らしく感情移入しやすかったです。
ベックに向けたケイトの言葉がこれから希望に満ち溢れた人達全てに向けられたように聞こえて涙が止まらないと同時にベックと同じように励まされた。
一歩踏み出す勇気があれば世界は輝く。というとある映画のキャッチコピーが頭に浮かびました。
原題の『You're not you』に込められた意味も印象に残ります。
あなたと一緒にいる時の自分が好き。そんな自分を見てくれてる人がいる。そう思える時が来たらどんなに幸せなんでしょう。
弁護士の夫や友人たちと幸せな日々を過ごしていたケイトでしたが、35歳で難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断が下り、1年半後には車椅子なしでは生活できなくなりました。それでも友人たちの前で気丈に振る舞うケイト。しかし、そんな毎日にも疲れ始め、女子大生の介護人を雇います。性格も環境も全く違うふたり。初めは衝突ばかりでしたが、ある事件をきっかけに心が打ち解け……。
ALSは治療が確立されておらず、その命は確実に削られていきます。どうにも抗えない現実を前に、ケイトと介護人ベックの間に生まれた深い友情と固い絆を描いた作品。監督は、『最後の初恋』などのアメリカ出身のジョージ・C・ウルフ。『ミリオンダラー・ベイビー』でオスカーを手にしたヒラリー・スワンクが、ケイトを感情豊かに熱演。介護人ベックは、ミュージカル映画『オペラ座の怪人』のエミー・ロッサムが務めました。
8:5組の男女を描いた群像劇【2014年】
toshibakuon
人それぞれに人生があって悩み、もがき、苦しみ、それでも生きていく。歌舞伎町という泥臭い雰囲気は結構好きだったりする。ラブホテルという特殊な空間はいろんな人が来るし様々なストーリーが混在し、いやらしさも全くなくむしろ素の人間模様が観れた気がする。犯罪者でも苦悩を抱えてきた事がわかると捕まるなって応援してしまいたくなる。自転車の二人乗りは目立つしそれで捕まったらシャレにならないと思った。
skr_icj
#eiga #movie
演技も、演出も、脚本も良くてずるいなあと思ってしまう。様々な男女が絡み合い、もがき、やがてしっくりする道へ進んでいく様子の描き方が秀逸。1日、たった1日で壊れたりふっきれたり進めたり。それが歌舞伎町のラブホテルだから、意外と暗くない。混沌の中にある小さな閉ざされた世界から現実世界へ出て行くみんなを後押ししてあげたくなった。何か特別なことが起こっているわけではないのに、どうしてほっとするのだろう、すっきりするのだろう。変に明るい音楽も印象的。
一流ホテルで働いていると周りに嘘をつき、実は歌舞伎町のラブホテルの店長をしている徹。同棲中のミュージシャン志望の彼女とは倦怠期を迎えつつありました。徹が勤める「ホテル・アトラス」には様々なお客がやってきます。アダルトビデオの撮影隊、風俗スカウトと家出少女、不倫の刑事など、訳ありな男女の人生が複雑に絡み合い……。
監督・廣木隆一、脚本・荒井晴彦のコンビは、『ヴァイブレータ』『やわらかい生活』に続き3作目。『ヒミズ』などで多くの賞を獲得した染谷将太と、『もらとりあむタマ子』で高い評価を受けた前田敦子が、物語の中心となる倦怠期カップルを演じています。共演は、南果歩、松重豊、大森南朋、田口トモロヲなどの実力派と個性派の俳優陣。
小規模公開で大々的な宣伝もなかったそうですが、それぞれの人間模様が観客の心に強く響き好評を得た作品です。