映画に遊び心はつきもの
映画製作者は、遊び心や隠れたユーモア、自分の趣味や憧れを映画本編に忍ばせる事が大好きです。ファンにとってもそんな遊び心を見つける喜びはひとしおですし、思わずニヤリとしてしまうことでしょう。
今回はそんな遊び心のつまった映画について紹介していきます。
ディパーテッド【2006】
映画『ディパーテッド』では多くの登場人物が死を迎えますが。。。なんとそれぞれの登場人物が死を迎える前にXの文字が出ているのだそうです。
ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)からコリン・サリバン(マット・デイモン)、そしてクイーナン警部(マーティン・シーン)までもが死を迎える前にXの文字が映像中に出てきます。そのため映画内には山ほどのXが見られるんですよ。
ファイト・クラブ【1999】
映画『ファイト・クラブ』の監督デヴィッド・フィンチャーは、映画内のほぼすべてのシーンにスターバックスのカップがあることを述べています。
映画『ファイト・クラブ』は消費主義、物質至上主義を批判的に描いた作品となっていて、デヴィッド・フィンチャーは世界中にチェーン店を持つ巨大なコーヒー会社スターバックスにもアイロニーのスポットを当てたのです。
モンスターズ・インク【2001】
ピクサーの製作陣よりも遊びのきいた隠れメッセージが好きな人たちはいないでしょう。
映画『モンスターズ・インク』でもその遊び心が見られます。それは人間の女の子ブーが毛むくじゃらの青いモンスターサリバンが部屋を去る時に、ニモの人形を渡したシーンです。映画『ファインディング・ニモ』が『モンスターズ・インク』の後に制作されることになるとは、当時の観客は誰も知りません。結果的にこのシーンはファンにとって思い出深いシーンとなりました。
他にもブーはサリバンにピクサーの象徴でもあるルクソー・ボールを渡したりしています。
ファインディング・ニモ【2003】
映画『ファインディング・ニモ』も同様に、公開前の映画キャラクターがひそかに登場していました。そのキャラクターとは2004年公開の映画『Mr.インクレディブル』の主役Mr.インクレディブルです。歯医者のオフィスで、少年がMr. インクレディブルのマンガを読んでいるシーンを見ることができます。
ピクサーの映画からは、次に公開される映画の情報を掴むことができます。例えば歯医者のオフィスには、他にも映画「トイ・ストーリー」シリーズのバズ・ライトイヤーがおもちゃ箱の近くにいるのが確認できます。
トイ・ストーリー【1995】
映画『トイ・ストーリー』で編集を担当したリー・アンクリッチは映画『シャイニング』の大ファン。それゆえに、子供向けの王道映画『トイ・ストーリー』と、恐ろしいホラー映画『シャイニング』に似たような箇所を作ってしまいました。
『トイ・ストーリー』の登場キャラクター、シド(「おもちゃ殺し」と称される少年)の家のカーペットは『シャイニング』の舞台であるオーバールック・ホテルのカーペットとそっくりです。そして映画「トイ・ストーリー」シリーズ三部作を通して、あまり有名ではない映画『ルーム237』と似たような箇所が度々登場いたします。
『ルーム237』とは映画『シャイニング』をコマ送りや、逆戻しにして隠されたメッセージを読み解くというドキュメンタリー映画です。
キル・ビル【2003】
「キル・ビル」シリーズでは主人公ザ・ブライドを演じるユマ・サーマンのタフネスぶりが目立ちますが、今までにクレイジー88との戦闘シーンでの彼女の靴に注目をしたことはありますか??カメラが床に落ちると、ユマ・サーマンの靴底にはっきりと「Fuck U(くたばれ)」の文字が。
それはユマ・サーマンがオートバイに乗っているシーンでも確認できます。
チャーリーズ・エンジェル【2000】
映画『チャーリーズ・エンジェル』では、ディラン・サンダース(ドリュー・バリモア)がエリック・ノックス(サム・ロックウェル)に窓の外から撃たれたシーンの後に急いで丘を降りていくシーンがあります。彼女は素っ裸で少年2人がビデオゲームを楽しんでいる家に迷い込むことに。
その迷い込んだ家は映画『E.T.』と全く同じ家。そしてドリュー・バリモアは幼少期に『E.T.』に出演していましたという共通点が。もし類似点が分からなくてもご安心ください。テレビの後ろにE.T.のポスターが張られています。
アイアンマン【2008】
マーベルのキャラクターたちは共演を何度も行っています。映画「アベンジャーズ」シリーズはもちろんですが、2008年に公開された『アイアンマン』でも実はヒーローのつながりが確認できます。
アイアンマンこと主人公トニー・スタークの後ろにキャプテン・アメリカの盾のレプリカが確認できるのです。アイアンマンはキャプテン・アメリカのファンだったのでした。
ディズニー映画
ディズニー映画の隠された遊び心と言えば、隠れミッキーです。それはディズニーランド内だけではなく、ほとんど全てのディズニー映画で確認できます。
例えば映画『アラジン』では、ジャスミンのペット、ラジャーが魔法が解けて元のサイズに戻る時に隠れミッキーが登場します。
映画『きつねと猟犬』ではコッパーが水の中にいるシーンで恐らく確認できるでしょう。水の波紋がミッキーの形になっているはずです。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン【2002】
レオナルド・ディカプリオがフランク・W・アバグネイル・Jrを演じた映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は実話をもとに製作されています。
フランク・W・アバグネイル・Jrがついに逮捕されるシーンでのこと。実は彼を逮捕した警察官は本物のアバグネイルだったのです。本物のアバグネイルはフランスの警察官を演じ、レオナルド・ディカプリオをパトカーに乗せる手伝いをしているのです。
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人【2004】
映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、双子の兄弟フレッド・ウィーズリー(ジェームズ・フェルプス)とジョージ・ウィーズリー(オリバー・フェルプス)がハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)に忍びの地図を渡します。忍びの地図とは、ホグワーツ全体を表した地図というだけでなく、人々の位置さえも示す不思議な地図です。
エンドロールまで待つと、忍びの地図に映画関係者のクレジットが表記されるのを見る事ができます。地図上ではホグワーツでの人々の動きを足跡で追っていて、左下に注目をすると、地図上で4つの足跡が確認できます。
そのうち2つの足跡は足を開いていて、もう2つはおおいかぶさっているように見えます。その結果『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』はPG指定されてしまいました。。。
アルフレッド・ヒッチコック監督の映画
映画界の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督は39もの自身の映画に巧妙にカメオ出演していました。その中には代表作『めまい』、『北北西に進路を取れ』、『サイコ』、そして『鳥』も含まれます。
ヒッチコックの出演は主に映画の冒頭シーンで確認できます。時には冒頭のクレジットシーンで出演するので、アルフレッド・ヒッチコックを探すのに時間をかける必要がありません。しっかりと映画に集中できるようになっています。