2017年7月6日更新

坂東玉三郎、今でも公演は超人気の歌舞伎役者を紹介!

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坂東玉三郎

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坂東玉三郎のプロフィール

現在の五代目坂東玉三郎は、1950年4月25日東京都に生まれました。本名は守田伸一です。生まれは梨園ではなく料亭を営む家でしたが、幼い頃に患った小児麻痺後遺症のリハビリ目的で日本舞踊を習い始め、その魅力の虜になってしまいます。 6歳の時には十四代目守田勘弥の部屋子となり、翌1957年には坂東喜の名で初舞台を踏みました。1964年6月、14歳のときには勘弥の芸養子となり五代目坂東玉三郎を襲名します。歌舞伎座での襲名舞台は『心中刃は氷の朔日』でした。 並行して、学業は1969年に聖学院高等学校を卒業しています。

歌舞伎界人気実力とも頂点に立つ女形に

ようやく玉三郎の人気が出始めたころ、養父の守田勘彌が68歳で他界してしまいます。玉三郎はまだ25歳でした。 しかしそうした不運、また玉三郎自身が梨園の出でないこと、小児麻痺後遺症に苦しんだ過去があったこと、さらに173cmと女形にしては長身である欠点などを、絶え間ない努力と研鑽、もちろん天性の才能によって見事に克服し不動の地位を築いていきます。 やがて当時の市川海老蔵や片岡孝夫らとのコンビで、女形として絶大なる人気を博していきました。戦後女形の最高峰と言われた六代目中村歌右衛門が2001年に他界してからは、名実ともに頂点に上り詰め、今日の歌舞伎界を背負って立っています。

世界各地で公演を行い、国際的にも高い評価!

当代きっての女形として、積極的に海外公演も行っています。1982年には初のアメリカ公演。1984年には、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場100周年記念に招聘されての二度目のアメリカ公演を成功させます。その後も、パリ、ロンドン、ウィーン、ベルリン、台北などで公演を実施し、各地で高い評価を得ています。 その結果、国内外で様々な賞を受賞。2013年には非常に名誉ある、フランス芸術文化勲章コマンドゥール章を授与されました。

古典歌舞伎だけでなく、近代劇など表現の場を拡大

中国の伝統劇は人気演目のひとつ

玉三郎は早くから歌舞伎の舞台だけに留まらず、新派や近代劇など様々な演目に表現の場を拡げていきます。中国の伝統劇などにも挑戦し、日中両国で度々上演されています。 ユネスコ世界無形文化遺産に登録されている中国の伝統劇である昆曲の演目「牡丹亭」は人気演目のひとつとなり、2008年の初演以降、日本全国、中国、香港などを巡回。2011年には、北京国家大劇院で日中合同公演も行われました。

鼓童と組んだ舞台が話題に!

2012年には世界中で人気を博す和太鼓集団「鼓童」の芸術監督に就任します。音楽舞踊劇「アマテラス」では、自身がアマテラスに扮し、そのスケールと芸術性が高く評価されました。

世界的アーティストと共演した坂東玉三郎

モーリス・ベジャールの振り付けによる、世界屈指のバレエダンサーであるジョルジュ・ドンらとの共演、チェリストであるヨーヨー・マとのコラボなど、世界的アーティストとの共演も数多くあります。 1994年には、ポーランドが誇る巨匠アンジェイ・ワイダ演出で「ナスターシャ」が舞台化され、大変な話題になりました。同年には同じく玉三郎主演で映画化もされています。

坂東玉三郎は複数の映画にも出演!

『夜叉ケ池』

篠田正浩がメガフォンをとり、1979年に公開された映画『夜叉ケ池』で、映画初出演を果たしています。夜叉ヶ池に封じ込められた竜神にまつわる幻想的な泉鏡花の戯曲をもとに、玉三郎は主人公の百合と夜叉ヶ池の主である白雪姫の二役を演じました。 玉三郎は、芝居でも度々『夜叉ケ池』に取り組んでいます。また、1988年の映画『帝都物語』では泉鏡花自身に扮しました。

『天守物語』

1995年には、やはり泉鏡花の戯曲をもとにした映画『天守物語』において、主人公の富姫を演じ、さらに監督もつとめました。姫路城の天守に住む女と若侍の恋を描いた物語で、共演は宮沢りえ、宍戸開らです。松竹創業100周年記念にあたる作品です。

映画監督にも挑戦する坂東玉三郎

『外科室』

上記の『天守物語』以前に、自身が監督をつとめた映画作品をすでに2作品発表しています。1991年には泉鏡花原作の『外科室』を初監督。麻酔を拒否する伯爵夫人と執刀する外科医の関係を耽美的に描いた作品で、主人公は吉永小百合、外科医は加藤雅也が演じました。

『夢の女』

1993年には、再び吉永小百合を主演に迎えて『夢の女』を監督します。娼婦に身を落とす女の半生を描いた永井荷風の小説が原作で、永島敏行らが共演しています。 憂いをにじませたモノクロの美しい映像が話題になり、ベルリン映画祭の正式出品作品に選ばれました。

過去、CMでは小林麻央とも共演していた

玉三郎は、複数のCMに登場していますが、2008年には、12年ぶりに出演したCMで、現在闘病中の小林麻央とも共演していました。「美しい、の内側へ」をキャッチフレーズにした化粧品会社POLAのCMで、二人は美しさについて語っています。 2013年からはエアウィーヴのCMに出演しています。 歌舞伎界を背負う、五代目坂東玉三郎のマルチな活躍ぶりには、これからも目が離せません。