石田ゆり子出演のオススメ映画5選

1988年の女優デビュー以降、いつまでも少女のような”清純派”として親しまれてきた女優、石田ゆり子。声優を務めたスタジオジブリ映画、献身的なヒロイン役やこれまでのイメージを覆す役柄の作品など、出演作の中からオススメを5本ご紹介します。
石田ゆり子のプロフィール
石田ゆり子は、1969年10月3日生まれの東京都出身、女優・エッセイストとして活動しています。妹は同じく女優の石田ひかりで、共に個人事務所「風鈴舎」を立ち上げ、自ら社長を務めています。
高校1年生の時、スカウトを受けモデルデビューを果たし、CMやポスターに登場していました。1988年のドラマ『海の群星』で女優デビューし、『101回目のプロポーズ』や『Dr.コトー診療所』などに出演。声の出演も多く、スタジオジブリ映画の声優、番組ナレーションも多数担当しているようです。
近年は、2016年3月公開の映画『僕だけがいない街』、10月放送のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』などに出演しています。何歳になっても美しい”清純派”女優として、視聴者から親しまれてきました。
1.スタジオジブリ映画のヒロインの声優を務めたことも【1997年】


スタジオジブリの長編アニメーション映画で、構想16年・制作に3年もの月日をかけた、宮崎駿監督作。石田ゆり子は、ヒロインの”サン”と、主人公のアシタカの許嫁・カヤの2役を担当しています。
室町時代の日本、倒した”タタリ神”に呪いをかけられた少年・アシタカは、呪いを断つ方法を探すため西方へ旅立つことになります。やがて製鉄を生業にして暮らす”タタラ”の村に辿り着くも、”シシ神”の森を破壊する人間を憎む少女、”もののけ姫”と呼ばれるサンの襲撃を受けて・・・・・・。
今作のヒロイン・”サン”は、人間に捨てられ犬神の”モロの君”に育てられた少女。タタラ場の人間と争いを繰り返していましたが、双方が共に歩む道を探そうとするアシタカに出会い変化が現れます。石田は、人間であることと”もののけ”として生きることの間で、揺れ動くサンの心を絶妙に演じました。
2.難病に侵された青年と無償の愛を捧げる恋人の姿を描く【2004年】
とても爽やかで、長崎の素朴さが出ていて、 好感のもてる作品。
「愛しているから、別れよう。 愛しているから、別れない。」 というキャッチコピーも印象的。


2002年に刊行された、”さだまさし”による短編集の表題作を映画化、2004年には『愛し君へ』の題名でテレビドラマ化された作品です。大沢たかおと石田ゆり子のW主演、富司純子や田辺誠一らが出演しました。
東京の小学校で教壇に立つ高野隆之は、体調不良を訴えて診察を受けた結果、視力を失っていく”ベーチェット病”と診断を受けます。留学中の恋人・朝村陽子とも別れ、帰郷した長崎で懐かしい景色を目に焼き付ける隆之。そんなある日、帰国した陽子が訪ねて来るものの、その将来を思う故に苦悩するのです。
石田が演じる朝村陽子は、「視力を失ってしまっても、恋人の目になって人生を支えたい」という、非常に献身的な女性。聖福寺で出会った老僧が説いた”解夏”の日、失明への恐怖から解放されるまでを精一杯過ごす恋人に寄り添う、美しも強いヒロインを見事に表現しています。
3.初恋の相手と過ごした奇跡のような四日間【2005年】
女の子と出会ったシーンは衝撃的。 銃でピアニストにとって命の手を女の子をかばう為に撃たれ、絶望に嘆くあの叫び声、すごい。 主役の冷たいんだけど温かい、あの演技は彼にしか出来ない。
ピアニストを弾いてるシーンは圧巻です。

5年前のロンドン、将来を嘱望されていたピアニスト・如月敬輔は銃撃事件に巻き込まれ、左薬指の切断してしまい夢を断たれます。失意の中、両親を亡くしたサヴァン症候群の少女・楠本千織を引き取る敬輔。優れた音楽の才能を持つ千織と共に、各地の施設へ慰問演奏の旅を始めて・・・・・・。
主演は吉岡秀隆と、療養センターの職員で敬輔に憧れていた高校時代の後輩、岩村真理子役の石田ゆり子です。一度は農家に嫁入りするも、子供が出来ないことを理由に離婚された、哀しい過去を持つ役どころ。敬輔らを施設の演奏会に招待し、12年ぶりの再会に胸をときめかせていました。
しかし演奏会の後、突如襲った落雷から千織を庇った真理子は意識不明の重体に陥ります。その魂は千織の体に宿り、4日間の余命を与えられた真理子は、敬輔と共に人生を振り返るのです。
4.借金を抱えた夫と癌を患った妻の逃避行【2011年】


実際に起きた事件に基づき、借金を背負った夫と末期ガンを患う妻の、272日に及ぶ最初で最後の旅路を綴った手記を映画化。主演の夫婦役は、夫の清水久典を三浦友和、妻のひとみは石田ゆり子が演じました。
1999年12月、9ヶ月もの間ワゴン車で各地を放浪した結果として、妻を死なせたため”保護責任者遺棄致死”で逮捕された清水久典。かつては縫製工場を営み、11歳年下の妻と一人娘にも恵まれ、平凡だが幸せな日々を送っていました。しかし借金の保証人になったことで生活は一変、多額の借金を抱えてしまいます。
そんな中、ひとみの大腸ガンが発覚し手術を受けたものの、医師からは早ければ3ヶ月で再発する可能性があると告げられたのです。青いワゴン車で宛のない旅に出た2人は、再発し進行していくガンと、先の見えない生活に追い詰められていって・・・・・・。
5.女優人生を捨てる覚悟で向き合った難役【2015年】


天童新太による同名の第140回直木賞受賞作を、2012年の舞台化に際して演出を手掛けた堤幸彦が、自ら監督を務め映画化した作品です。不慮の死を遂げた死者を悼むため、全国放浪の旅を続ける主人公・坂築静人と、彼を取り巻く人々をめぐる人間模様や死生観などを描き出しました。
石田ゆり子演じる奈義倖世は、最初の夫からDVを受けていた上に、再婚相手から「殺してくれ」と頼まれ殺害してしまう難役。出所後に訪れた殺害現場で静人と出会い、旅に同行する中で人生を見つめ直します。
夫を殺した罪の意識に苛まれ、その亡霊に付きまとわれている女性を演じるのは、精神的にも肉体的にも過激なシーンが多かったのだとか。原作のファンだという石田は、”ここで女優人生が終わってもいい”という覚悟で撮影に臨み、役に自分をあげてしまうくらいの気持ちで演じたそうです。