タップできる目次
- 1.『キューティ・ブロンド』の決め手はやっぱりピンクです!
- 2.クロエ・セヴィニーのヴィヴィアンも見たかった……
- 3.ハーバード大学は太っ腹!?
- 4.マシュー・デイヴィスの一途な気持ちは届きませんでした……。
- 5.キャンパスに不釣り合い(!?)な男たち
- 6.エンディングの秘密~その1~
- 7.エンディングの秘密~その2~
- 8.いつもエルと一緒でした
- 9.エルのスタイルに胸キュン!あのパリス・ヒルトンも…。
- 10.エルのベースはここにあります
- 11.'semester'の語源を考えました
- 12.もう一人のエル。やっぱり彼女も魅力的!
- 13.エルのおしゃれは事件も解決!
- 14.法律の勉強も本物です
- 15.映画『キューティ・ブロンド』の大ヒットで得たものは…。
1.『キューティ・ブロンド』の決め手はやっぱりピンクです!
この映画『キューティ・ブロンド』はアマンダ・ブラウンが書いた同名の本が元となっています。彼女はリース・ウィザースプーン演じるエル同様スタンフォードのロースクールで過ごし、家によく手紙を送っていました。手紙にはあまり仲良くなかったクラスメイトたちのことを詳しく書いていたそうです。
彼女はこの手紙を元に原稿を書き、エージェントに送りましたが、エージェントはすぐにその原稿に興味を持ったと言います。というのは、その原稿は山のようにあった持ち込み原稿の中で唯一ピンクの用紙に書かれていたからです。
2.クロエ・セヴィニーのヴィヴィアンも見たかった……
リース・ウィザースプーン演じる主人公エルが元彼ワーナー・ハンティントンを追ってハーバードのロースクールに入学しましたが、時既に遅し…彼には婚約者がいました。その婚約者ヴィヴィアン・ケンジントン役はセルマ・ブレアが演じています。
元々はクロエ・セヴィニーにヴィヴィアン役をオファーしていたのですが、クロエはパリでの映画の撮影が入っていたため断ったそうです。
ちなみに彼女は、映画『ボーイズ・ドント・クライ』(1999)で性同一障害の主人公の彼女役でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。
3.ハーバード大学は太っ腹!?
原作の小説でエルはUSC(南カリフォルニア大学)卒業後、スタンフォード大学のロースクールに通う設定でしたが、映画ではCULA(ロサンゼルス市立大学)卒業後、ハーバード大学のロースクールに通う設定となっています。
これはスタンフォード大学が大学として映画に関わることを許可しませんでしたが、反対にハーバード大学は映画で大学名が使われることを了承したからです。
ちなみにキャンパスでの撮影は主に、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)とUSCで行われました。
4.マシュー・デイヴィスの一途な気持ちは届きませんでした……。
冷たくエルを振ってしまうワーナーを演じたのは、マシュー・デイヴィス。しかし実生活では、彼は15歳の時からリース・ウィザースプーンの大ファンだったそうです。
撮影当時、ウィザースプーンは結婚していたにもかかわらず、デイヴィスは彼女にずっとファンであったことを伝えましたが、そこはさすが女優!彼女はその気持ちをうれしく思いながらも、ちゃんと映画撮影に取り組むよう、彼に告げたのでした。
5.キャンパスに不釣り合い(!?)な男たち
オープニングで上半身裸の男の子たちが芝生の上で群がっているシーンを覚えていますか?
彼らは実際にカリフォルニア工科大学の学生で新入生歓迎のゲーム(儀式?)をしているところでした。そのゲームは2チームに分かれ、体にオイルを塗られた新入生をどちらのチームが先にゴールまで運べるかという競争です。
そのシーンはほんの少しの時間でしたが、映画を観た母親が、自分の息子がそのシーンに出演しているのを見つけました。
それにしても不思議なゲームですね。
6.エンディングの秘密~その1~
本作のエンディングは、エルと新恋人のエメットが裁判所の階段のところでキスをするシーンのあと、エルとヴィヴィアンで「ブロンド・リーガル・ディフェンス・クラブ」を結成しているシーンで終わる予定でした。
しかし、テスト試写をした人はそのエンディングにがっかりしたそうです。エルがワーナーにリベンジしたり、彼女がその後どうなったのかが分かるシーンが観たかったからです。
その結果、法廷の外でワーナーと対立しているシーンや最後の卒業式のシーンを撮り直し、このエンディングが採用されました。
7.エンディングの秘密~その2~
エンディングの卒業式のシーンは実は、リース・ウィザースプーンとマシュー・デイヴィスのみイギリスで撮影し、他の出演者たちはロサンゼルスで撮影しました。そして2箇所で撮影したフィルムを編集して仕上げていたそうです。
また2人はそれぞれ他の映画を並行して撮影していたため、ウィザースプーンはショートヘアに、デイヴィスは髪を剃っていました。そのため、2人ともウィッグをつけて撮影に臨んだそうです。
8.いつもエルと一緒でした
映画の中でエルがいつも抱いていた愛犬、チワワのブルーザーが2016年3月にロサンゼルスで亡くなりました。本名はムーニー、18歳でした。
人間に換算すると90歳近くになりますが、ムーニーは子犬の時に里親としてトレーナーに引き取られて、見事この映画で準主役とも言える役を獲得したのです。
エル役のウィザースプーンも写真を添えて次のようなコメントを出しています。
9.エルのスタイルに胸キュン!あのパリス・ヒルトンも…。
ヒルトンホテルの創業者一族の令嬢であり、モデル活動もしているパリス・ヒルトンは2002年よりティンカーベルと名付けたチワワを飼い始めました。この映画がきっかけだそうです。
ピンクの服を着せたチワワを飼っているというエルのスタイルは、彼女のその後に大きく影響を与えました。ティンカーベルとパリスはいつも一緒に行動し、海外へも連れて行くなど溺愛していたと言います。
パリスの愛情を一身に受けてきたティンカーベルですが、2015年、14歳という老齢のため亡くなりました。
10.エルのベースはここにあります
エルの役を演じるにあたって、リース・ウィザースプーンは女子学生クラブの子たちのふるまいを学ぶため2週間彼女たちと一緒に過ごしました。
それまで言われていたおバカなイメージとは違い、彼女たちはみんな本当に親切で礼儀正しい子ばかりで、ウィザースプーンはとても楽しく2週間を過ごすことができたそうです。
彼女は女の子たちと同じように、買い物をしている女性たちをカフェから観察したり、法科大学院の授業に一日出席したりもしました。
11.'semester'の語源を考えました
パーティのシーンで、イーニッドが半期を意味する'semester'という用語について話すシーンがあります。
'semester'は「精液」を意味する' semen 'が由来の用語なので、「卵子」を意味する'ovum' に置き換えて'ovester'に用語を変えようという主張でした。
しかし実際はラテン語の'semestris'から由来しており、それは「6ヵ月の」という意味だそうです。
12.もう一人のエル。やっぱり彼女も魅力的!
この映画『キューティ・ブロンド』を元に、ブロードウェイミュージカルが制作されています。2007年4月29日にニューヨークのパレス劇場にて始まった舞台は、595公演を数え、2008年10月19日に千秋楽を迎えました。
ミュージカルの舞台では記憶に残る音楽とダイナミックなダンスが繰り広げられ、ハチャメチャに面白く、かつ心温まるストーリーになりました。
特に主人公エルを演じたローラ・ベル・バンディは高い評価を得ており、2007年のトニー賞では主演女優賞にノミネートされています。
13.エルのおしゃれは事件も解決!
主人公のエルはブランド・ファッションを着こなすおしゃれなキャラクター。ロースクールで弁護士の勉強を始めたエルは、彼女の持っていたおしゃれの知識から事件を解決します。
そんなおしゃれなキャラクターを演じるため、実際に映画の中では、40種類のヘアスタイルが施され、30以上ものアクセサリーが使われたそうです。
14.法律の勉強も本物です
エルが女子学生クラブ会員のエイミーとLSAT(法学大学院進学適性試験)の勉強をするシーンがあります。
エイミーがエルに出した問題は、分析的判断力を測る分野で、実際に2000年6月のLSATで出題された問題31番です。
15.映画『キューティ・ブロンド』の大ヒットで得たものは…。
この作品の製作費は1,800万ドル、興行収入は北米のみで9,700万ドル、世界での総額では、なんと1億4,000万ドルを記録。
主役のエルを演じたリース・ウィザースプーンは1991年に子役でデビューしましたが、この作品の大ヒットで彼女自身の知名度がアップし、「ラブコメの女王」と呼ばれるようになりました。
2年後に公開された続編『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX』も大ヒットしており、この作品はウィザースプーンにとっても、映画制作側にとっても大きな意味をもつものになったのは間違いありません。