全ての不良少年に捧げる。『クローズ』が生ぬるく感じるリアリティのヤンキー映画

2017年7月6日更新

松田翔太主演で公開された映画『ワルボロ』。その続編が今回ご紹介する『ズタボロ』です。実話を基にした不良高校生達の鬱屈した不安や、暴力の衝動、未来への閉塞感をリアルに描き切った作品です。

ハードでシリアスな『ズタボロ』とは

『ズタボロ』は今年公開予定の映画です。2007年に松田翔太主演で公開された『ワルボロ』の続編です。原作は前作同様、ゲッツ板谷氏原作の自伝的小説です。今作は『ワルボロ』では描かれなかった高校生の鬱積した悩みや、将来に対する葛藤、閉塞感など現実に即した不良高校生の実態に迫るものになっています。

原作は原作者の板谷氏が自身の高校生時代の体験を綴ったものです。東京の立川市が舞台となり、主人公達が暴走族、不良集団、暴力団の抗争などに巻き込まれ、その中で自分自身や自身の人生を見出す物語なのです。

主演は俳優の永瀬匡がオーディションを経て抜擢されました。監督は『探偵はBARにいる』などの橋本一が務め、脚本は『凶悪』の高橋泉が務める。

ハードな男の世界そのストーリーとは

ズタボロ1

コーイチ、ヤッコ、チャーム達は中学校で絆を深め合った仲です。絶対に裏切らない強い繋がりで結ばれていました。そんな3人も中学校を卒業し、コーイチは高校に進学、他の2人は進学をしなかった。3人は地元で最凶最悪の暴走族「立川獄門」に入るが、そこで待っていたのは、新人教育と称した理不尽なヤキを日々入れられ続ける。

コーイチは高校で新たに植木、鬼と言う仲間が出来、清水と言う恋人も出来、日々喧嘩に明け暮れながらもそれなりに高校生活を送っていました。しかし、そんな中ヤッコはついに追い込まれて精神を病み、引き籠ってしまう。

コーイチは暴力団に誘われていたが、ずっと渋っていました。しかし、ヤッコとの友情を考え立川獄門へ復讐する為、暴力団の叔父の舎弟になることに・・・・。

紆余曲折の映画製作までの道のり

ズタボロ5

今作の原作は『メタボロ』、『ズタボロ』の2つが基になっていますが、原作者の板谷氏が『メタボロ』の執筆中、何と脳出血で倒れると言う重大な事態に陥りました。

4年もの長いリハビリ生活と言うブランクが出来、映画化の話しが棚上げになったと思っていた板谷氏でしたが、リハビリ終了後残りの分を書き上げたと同時に映画会社から連絡があったと言います。

映画のプロデューサーは「これでようやく続編に取り掛れますね」と板谷氏に伝え、それを聞いた板谷氏は非常に喜んだと言います。

映画の仕上がりについて板谷氏は2冊で1000ページに及ぶ小説を1本の映画にまとめ上げた結果に付いて「これほど短くしたにも関わらず、原作のパワーは一切失われておらず、それどころか主題がピクリともブレてなくて、正しく一流のマジックか何かを見せられた様な気分でした」と満足げに高い評価をしています。