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何故、ミニオンは子供だけでなく大人にもウケているのか。

2017年8月10日更新 22786view

新作『怪盗グルーのミニオン大脱走』が公開し、日本でもヒット記録を更新し続けています。子供には勿論、実は大人にも人気が高い印象を受ける、ミニオンというキャラクターと作品。何故、ミニオンが子供だけでなく大人にもウケているのか探っていきます。

『怪盗グルー』シリーズが興行収入が世界一!ミニオン旋風止まず!

先日、遂にイルミネーション・エンターテイメントによる『怪盗グルー』シリーズが、ドリームワークスの『シュレック』シリーズを抜いて、世界で最も興行収入の高いアニメシリーズになった事が米DEADLINEにて報じられました。新作として現在公開中の『怪盗グルーのミニオン大脱走』も、既に世界で8億7,947万ドルを突破。シリーズの累計収入は35億2,800万ドルと、とんでもない数字を叩き上げました。 そんな大人気シリーズ、なんと言ってもミニオンが可愛いと話題になっています。もはや、人気の秘訣はミニオンの存在と言っても、過言ではありません。

そもそも、なんでミニオンって人気なの?

そもそも、あの黄色い生き物ミニオンがここまで人気になったのは何故なのでしょう。理由の一つとして考えられるのは、そのフォルムです。皆だいたい、丸い。そして、そんな可愛らしいフォルムなのに、ささやかな髪が生えていたり、中には完全にツルツルなハゲ頭というギャップがあります。 しかも一見幼いように見えて、彼らは太古の恐竜が生きていた時代から生きているのでかなり長寿なはず。さらに、スピンオフ映画『ミニオンズ』からわかるように、彼らは不死身の可能性が高いです。それでもって、数多くのメカを使いこなして悪事を働いています。なんだかスペックが高い……。 とにかくそんな容姿の可愛さ、中身のギャップ、そして何より愛おしい程「ばからしい」のが彼らの人気のポイントです。「おならのジョーク」や「バナナジョーク」の連発は、子供たちが多いに喜びますね。

海外と日本でのミニオン・バズ

先述の通り、今や世界的に最もポピュラーなキャラクターの仲間入りを果たしたミニオン。特に海外では、インターネットミームとしても人気を博し、FacebookなどのSNSで以下のような「ミニオンと名言」たる画像が大流行しています。

「ミニオンというキャラクターと、ブラックジョーク風な名言」のミスマッチ感が受けているのですが、日本ではまだインターネットミームは浸透していません。では、日本ではどのようなバズが起きているのでしょう?

街中では、若い女の子たちがミニオンのスマホケースをはじめとしたグッズを持っているのが頻繁に見受けられます。 さらに、作品のプロモーションとしては主にフォトジェニックを意識したものが目につきます。マクドナルドはミニオンとコラボし、ハッピーセットを展開中。その仕掛けも秀逸なものです。子供が貰って嬉しいミニオンの玩具だけでは済ませず、玩具と食事が入っているミニオンデザインのハッピーセットボックスの、ミニオンの目の部分を切り取ってストローに刺すと、フォトプロップスという撮影用の小道具になるという仕組み!まさに、フォトジェニックさも欠かせない、ミニオンが大好きな若い女の子をターゲットにしたプロモーションだと言えますね。 しかし、そもそも何故ミニオンが若い女の子に人気なのでしょう?

ミニオンが特に日本の若い女の子に受けるワケ

1.ミニオンとグルー、三姉妹のキャラクターにほっこりする

怪盗グルー
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ミニオン好きなファンの中には「グルーと三姉妹のやりとりにほっこりする」という意見があります。怪盗グルーは家族を持たず、しもべのミニオンを従えて生きてきました。そんな彼が、ひょんな事から三姉妹を引き取ることに。最初は本気で子供が嫌だった彼が、世話をしていく過程で彼女達を家族として大事にするようになる。その様子が愛らしいのです。

2.ファッション的要素が強い

そして、圧倒的な理由として挙げられるのがコスプレのしやすさです。黄色のトップスに、デニムのつなぎ、ゴーグルにブーツを合わせれば完成!このお手軽さから、ハロウィンでするコスプレとしても非常に人気が高いです。更に、友人と同じようにコスプレすれば、まさに“ミニオンズ”!集合写真を撮ってSNSに投稿する、という楽しみも増えるのです。 しかも、若年層に人気の高いファッションコーデアプリWEARでは、「#ミニオン」というハッシュタグが存在。そこには、ミニオン風のコーデから本気のコスプレまで幅広いコーディネートが投稿されています。そう、もはやミニオンとはキャラクターに留まらず、一種のファッション的要素にまで発展しているのです。

3.USJの「ミニオン・パーク」の存在

更に、大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンに『怪盗グルー』シリーズ、特にミニオンにフォーカスした「ミニオン・パーク」がある事も要因のひとつ。パークがあるからこそ、映画公開時のみならず常にグッズが販売され、人々にも馴染み深くなってくるのではないのでしょうか。更にUSJに行く際に、ミニオンのかぶり物をして「ミニオン・パーク」で撮影をすれば、またフォトジェニックな写真が撮れるというわけです。

“アナ雪”は子供向けで、“ミニオン”は案外大人向け?

怪盗グルー
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同じく大ヒットを記録し、根強い人気を博したアニメーション映画『アナと雪の女王』と「ミニオン」シリーズを比べたいと思います。二作とも、大ヒットを記録し、根強い人気を博したアニメーション映画という共通点がありますが、『アナと雪の女王』は2013年に、1作目『怪盗グルーの月泥棒』は2010年に公開された作品。なんと、「ミニオン」の方が3年も前から登場していたのです! “アナ雪”ブームはようやく落ち着いた印象がありますが、ミニオンの人気は現在も衰えていません。その差は、『アナと雪の女王』より『怪盗グルー』及び『ミニオンズ』に大人がハマったからだと、考えられます。

怪盗グルー
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『アナと雪の女王』、そして多くのディズニー映画は基本的に勧善懲悪なストーリーが特徴的です。子供も大人も安心して観る事ができます。しかし、この『怪盗グルー』や『ミニオンズ』はディズニーとは正反対のコンセプトを持っています。 主人公のグルーは正直ダメ人間、というか悪人。更に、彼の後ろをニコニコと愛らしい様子でくっついてくるミニオンズには「圧倒的な力を持つ悪者に仕える」というモットーがあります。そう、彼らは「悪い事をする」事をライフワークとしているのです!この100%悪を支持するスタンスがパンチとなっていて、劇中には大人が思わずクスッと笑ってしまうようなブラックジョークも含まれているのです。

怪盗グルー
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更に、『ミニオンズ』等ではバンドのビートルズやアポロ計画、ヒッピーにジミ・ヘンドリックス、アンディ・ウォホールといった大人だからこそわかるパロディも満載。大人が楽しめる仕掛けも施されているのです。 そして何より、疲れた時を含めてどんな心身でも観る事ができる具合の良い映画でもある、という事が大人にも人気な原因なのではないでしょうか。 実際、シリーズの中で多くの死人や怪我人が出ている(!)『怪盗グルー』シリーズ。最新作では遂に刑務所に服役中のタトゥー入りミニオンが登場します。一層、子供より大人向き?となりそうな『怪盗グルーのミニオン大脱走』は7月21日より絶賛公開中です。