「ハリポタ」と「ファンタビ」の関係をイマイチわかっていないあなたへ!時系列と共通点をざっくり解説
J・K・ローリングの著書を原作に映画化された「ハリー・ポッター」シリーズと「ファンタスティック・ビースト」シリーズは、ともに世界中で大人気となっています。 同じ魔法界を舞台としているこの2つのシリーズにはもちろん共通点も多いのですが、時代や国が違うため、些細なものから決定的なものまでさまざまな違いが。 そこで今回は「ハリー・ポッター」と「ファンタスティック・ビースト」の共通点や違いをおさらいしていきましょう。また、魔法ワールド作品の全体の時系列も整理して紹介します。 ※この記事には、「ハリー・ポッター」シリーズおよび「ファンタスティック・ビースト」シリーズのネタバレが含まれます。未鑑賞の方、ネタバレを知りたくない方はご注意ください。
そもそも「ファンタビ」ってなに?「ハリポタ」との関係性は?
「ファンタスティック・ビースト」シリーズの主人公である魔法動物学者ニュート・スキャマンダーは、「ハリー・ポッター」シリーズの主な舞台となったホグワーツ魔法魔術学校の出身です。しかしニュートが在籍していたのは1910年代で、「ハリポタ」の物語が始まる80年近く前。 ハリーたちが在学中には、ニュートが書いた魔法動物に関する著書がホグワーツの教科書となっており、「ファンタビ」はこの著書が原作となっています。つまり、「ファンタビ」は「ハリポタ」の前日譚といえるでしょう。
「ハリポタ」と「ファンタビ」の共通点と違い
ご存知のとおり「ハリー・ポッター」は、1990年代のイギリスが舞台になっています。一方で「ファンタビ」は主に1920年代の出来事を描いており、1作目はアメリカ、2作目はイギリスとフランスが舞台です。 ここでは国や年代による違いと、両シリーズの共通点を紹介しましょう。
【共通点】登場人物やアイテム
「ファンタビ」シリーズには、「ハリー・ポッター」につながる要素がたくさん散りばめられています。
ホグワーツ魔法魔術学校
先に触れた通り、ニュートはホグワーツ魔法魔術学校の卒業生で、ハッフルパフ寮の出身です。「ファンタビ」シリーズの1作目ではそのことには触れられませんでしたが、2作目にはニュートのホグワーツでの恩師アルバス・ダンブルドアが登場し、物語に大きく絡んでいきました。 さらに3作目となる「ダンブルドアの秘密」では、クィディッチや学生が集まる講堂、「必要の部屋」などホグワーツにまつわる事柄の数々が登場するようです。
ダンブルドアをはじめとした登場人物
「ハリー・ポッター」シリーズの登場人物やその親戚も「ファンタビ」には多数登場しています。 アルバス・ダンブルドアはもちろん、デス・イーターのベラトリックス・レストレンジと親戚関係にあると思われるリタ・レストレンジ、そして「ハリー・ポッター」にはヘビの姿で登場したナギニが実は人間の女性だったことも「ファンタビ」で明らかになり、ファンを驚かせました。
不死鳥も登場!かわいい魔法動物
両シリーズの大きな共通点として挙げられるのが、ユニークな魔法動物たち。特にダンブルドア家を守護する不死鳥は、両シリーズで欠かせないアイコンとなっています。 「ファンタビ」ではニュートが魔法動物学者ということもあり、登場する魔法動物にも注目が集まっていますね。今後の「ファンタビ」シリーズには、「ハリポタ」でお馴染みの魔法動物も登場するかもしれません。
『幻の動物とその生息地』
主人公ニュート・スキャマンダーの著書『幻の動物とその生息地』は、ハリーたちの時代にはホグワーツで教科書として使われていました。2作目「黒い魔法使いの誕生」のときには刊行されたばかりだった本です。
【違い】イギリスとアメリカの魔法界
「ファンタビ」と「ハリポタ」の違いは?
まずイギリスとアメリカの魔法界では、非魔法族(魔力を持たない人間)の呼び方が違います。イギリスでは「マグル」と呼ばれる彼らは、アメリカでは「ノー・マジ」と呼ばれているのです。 「ファンタビ」の舞台である1920年代当時、アメリカの魔法界のほうがイギリスに比べて「ノー・マジ」との関わりを避ける傾向にありました。アメリカでは1693年に「セーラムの魔女裁判」と呼ばれる大勢の無実の魔女やノー・マジが処刑されるという悲劇があったため、その影響が残っていたようです。 またイギリスの魔法省は18世紀から魔法界の中央政府として機能してきました。しかしアメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)は、セーラムの魔女裁判を受けて設立され、その目的は魔法使いの賞金稼ぎやスカウラーと呼ばれる無法者たちを取り締まることでした。このスカウラーたちが、セーラムの魔女裁判を引き起こしたとも言われています。 1920年代ごろからは、MACUSAも人間界の政府と似た役割を担うようになりました。
「ハリポタ」から「ファンタビ」までの全作品を時系列で解説【ネタバレ】
映画シリーズ以前の出来事
「ファンタビ」シリーズの重要人物であるアルバス・ダンブルドアは1881年、ゲラート・グリンデルバルドは1883年に生まれました。 グリンデルバルドはダームストラング専門学校を放校処分になり、ゴドリックの谷に住む大おばのバチルダ・バグショットのもとに身を寄せていたとき、アルバス・ダンブルドアと出会います。 1899年、急速に惹かれ合ったダンブルドアとグリンデルバルドは「お互いを相手に戦うことはしない」という血の誓いを立てます。2人は3つの死の秘宝をすべて探し出し、「死を制する者」になることを目指していました。 しかしその計画を知った弟のアバーフォース・ダンブルドアは、兄アルバスを止めようとします。彼らの対立はやがて決闘となり、ダンブルドアの妹アリアナが巻き込まれて命を落としてしまいました。 そこでアルバスはようやく自身の過ちに気づいたのです。
【1926年】『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)
イギリスの魔法動物学者ニュート・スキャマンダーは、ある目的のためアメリカにやってきました。しかしそこで彼の魔法のトランクが人間のものと取り違えられ、中に入っていた魔法動物たちが人間の世界に逃亡してしまうトラブルが発生。 ニュートは現地で知り合った魔女のティナとその妹クイニー、そして非魔法族のジェイコブとともに動物たちを捕まえていくことに。しかし時を同じくして、闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドがアメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)にスパイとして潜入していたことがわかり、拘束されます。
【1927年】『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)
MACUSAに捕らえられていたグリンデルバルドは、アズカバンへ移送中に脱走に成功。人間を魔法族の支配下に置くため、再び行動を起こします。ニュートは恩師であるホグワーツの校長ダンブルドアからグリンデルバルドとクリーデンスを探すよう依頼され、パリへ行くことに。 しかしパリでがグリンデルバルドが行った集会で、クリーデンスやクイニーが彼の陣営に加わってしまいます。そして自分が何者なのかを探っていたクリーデンスに、グリンデルバルドは驚きの真実を告げるのでした。
【1930年代】『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022年)
集会の後、勢力を増していった闇の魔法使いグリンデルバルド。魔法界を支配しようと動き出したグリンデルバルドに対抗するため、ダンブルドアはニュートに「秘密の作戦」を託します。 そこで、ニュートは助手のバンティと兄テセウス、リタ・レストレンジの異父兄ユスフ、教師のユーラリー、ノー・マジのジェイコブを含めたチームを結成。新たな冒険の旅に出た彼らは、グリンデルバルドの信奉者たちと戦いを繰り広げることになります。
【~1945年】「ファンタスティック・ビースト」4・5作目
「ファンタビ」シリーズは5部作になると発表されており、4・5作目の内容はまだ明らかになっていません。 ニュートや仲間たち、そしてダンブルドアとグリンデルバルドの物語はどのような結末を迎えるのでしょうか。1945年にダンブルドアとグリンデルバルドが対決することは「ハリポタ」本編ですでに明らかになっているため、おそらく5作目ではその対決が描かれることになるでしょう。 また、のちにヴォルデモート卿として知られるようになるトム・リドルは、1938年にホグワーツに入学します。今後「ファンタビ」シリーズで彼のことが語られる可能性にも期待したいですね。
【1970年〜1981年】第一次魔法戦争
1940年代から魔法族の純血主義が台頭しはじめ、1970年にヴォルデモート卿という強力なリーダーを得たことで第一次魔法戦争が勃発しました。 混血やマグル生まれの魔法使いを排除しようとするヴォルデモートに賛同した魔女や魔法使いは彼の手下「死喰い人(デス・イーター)」となり、魔法界は恐怖とパニックに支配されます。アルバス・ダンブルドア率いる「不死鳥の騎士団」が彼らと戦い、ヴォルデモートは「闇の帝王を倒す」と予言された子どもを殺そうとします。 しかし、母親が我が子にかけた「守りの魔法」によってヴォルデモートが放った「死の呪い」が弾かれ、彼は肉体を失いました。
【1991年〜1992年】『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年公開)
意地の悪いおじの家で虐げられて暮らしていたハリー・ポッターは、あるときホグワーツ魔法魔術学校への入学許可書を受け取り、自分が魔法使いであることを知ります。しかも彼はかつて魔法界を恐怖に陥れたヴォルデモートを倒した伝説の存在だったのです。 ホグワーツに入学したハリーは人生で初めて友人たちに囲まれ、楽しい学校生活を送りはじめます。しかし、復活を目論むヴォルデモートの魔の手が彼に迫っていました。
【1992年〜1993年】『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002年公開)
ハリーたちは2年生になった年、ホグワーツではマグル出身の生徒たちが次々と石にされる事件が発生。その真相を調べていくなかで、彼らはホグワーツ創立者の1人であるサラザール・スリザリンが残した「秘密の部屋」の存在と真相を突き止めます。 実はここでも、肉体の復活を目指してヴォルデモートが裏で糸を引いていました。
【1993年〜1994年】『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年公開)
魔法牢獄アズカバンから脱獄した凶悪殺人犯のシリウス・ブラックが、自分の命を狙っていると知ったハリー。アズカバンの看守である吸魂鬼(ディメンター)たちがホグワーツの警備にあたることになり、ハリーはその影響に苦しみます。 その後、シリウスはハリーの父ジェームズの親友で、ロンとともに新聞に映っていたネズミのスキャバーズを追ってホグワーツにやってきたことがわかりました。 ハリーの両親を裏切ったのはピーター・ペディグリューという人物で、彼はネズミに変身して長年身を隠し、ヴォルデモート復活の手助けをしていたのです。
【1994年〜1995年】『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005年公開)
4年生になったハリーは、三大魔法学校対抗試合の選手に選ばれてしまいます。ハリーはなんとか勝ち進みますが、それはすべてヴォルデモートの部下であり、闇の魔術に対する防衛術の教授ムーディに化けたバーテミウス・クラウチ・ジュニアが仕組んだことでした。 本作でヴォルデモートの肉体は完全に復活し、ハリーたちは本格的に戦いに身を投じることになります。
【1995年〜1996年】『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007年公開)
この作品から、ヴォルデモートとハリーの戦いを中心とする「第二次魔法戦争」が始まります。 魔法省はヴォルデモートの復活を主張するダンブルドアを監視するため、ドローレス・アンブリッジを「闇の魔術に対する防衛術」の教授に派遣。危機が迫るなか、彼女が実技を教えない理由を知ったハリーたちは自発的に戦い方を学ぶため「ダンブルドア軍団」を結成しました。 本作ではヴォルデモートの手下である死喰い人(デスイーター)たちの正体が明らかになり、ハリーの名付け親であるシリウスが命を落とすなど、重要な出来事が多く描かれます。
【1996年〜1997年】『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009年公開)
ヴォルデモートの勢力が拡大するなか彼の防御を崩す手がかりを探るため、ダンブルドアはホラス・スラグホーンをホグワーツに迎え入れました。 同じ時期、ハリーは「純血のプリンスの蔵書」と書かれた魔法薬学の教科書を手に入れます。彼はダンブルドアから個人授業を受けることになり、ヴォルデモートの不死性を支えている分霊箱の存在を知るのでした。 最終章の重要アイテムとなる「分霊箱」の存在が明かされた本作。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人はそれらを探すため旅立ちます。
【1997年〜1998年】『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 1』(2010年公開)
ヴォルデモートの分霊箱探しの旅に出たハリー、ロン、ハーマイオニーの3人。その間にもヴォルデモートの手下によって魔法省は乗っ取られ、ホグワーツも死喰い人のスネイプが校長になるなど、その支配は広がっていました。 思うように捜索が進まず1度は仲間割れしてしまった3人ですが、ダンブルドアの遺品からヒントを導き出し、「死の秘宝」の存在を知ります。 本作では、「ニワトコの杖を盗んだ人物」としてグリンデルバルドについて言及されています。
【1998年〜1999年】『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2』(2011年公開)
次々と分霊箱を見つけ出し、破壊していくハリーたち。ヴォルデモートはハリーを殺すため、死喰い人を総動員してホグワーツを包囲させます。壮絶な戦いが繰り広げられるなか、ハリーは彼自身がヴォルデモートの最後の分霊箱だと知るのでした。 「ハリー・ポッター」シリーズの最終章となった本作では、スネイプの悲しい過去や強い覚悟が明かされました。そしてハリーたちの勝利によって「第二次魔法戦争」が終結します。
「ハリポタ」と「ファンタビ」のつながりが面白い!
「ハリー・ポッター」シリーズの前日譚となっている「ファンタスティック・ビースト」シリーズには、のちの魔法界に影響を与えていると思われる出来事が描かれており、そのつながりを見つけるのは楽しいですね!ここには書ききれなかったつながりもあるので、ぜひ探してみてください。 今後「ファンタビ」シリーズが続くにしたがって、新たな事実も明らかになるのではないでしょうか。次作を楽しみに待ちたいですね。