魅惑のヒールマノロ・ブラニクの秘密、知りたくない?
マノロ・ブラニクとは?
マノロ・ブラニクは同名のデザイナー、マノロ・ブラニクによって1972年に設立されたロンドン発祥の靴の高級ブランド。その優美なデザインは故ダイアナ妃を始め多くのセレブリティ、そして世界中の女性を魅了してきました。 高価格なブランドであることから、「靴の王様」や「靴のロールス・ロイス」とも呼ばれています。
デザイナーのマノロ・ブラニクとは?
20 世紀、そして21世紀を代表する靴のデザイナーと言われるマノロ・ブラニクとは一体どんな人物なのでしょうか?ここではあまり知られていないブラニクの生い立ちから現在までを探ってみます。
バナナ園で育った少年時代
マノロ・ブラニクはチェコ人の父とスペイン人の母の元、スペイン領のカナリア諸島サンタ・クルス・デ・ラ・パルマに生まれ、バナナ農園で育ちました。
ファッションの世界へ
スイスのジュネーヴ大学で建築学と文学を学んだ後、パリに移りアートと舞台デザインを学びます。その後ロンドンでサンデー・タイムズのファッション写真家やイタリアのメンズ版ヴォーグであるルウオモ ヴォーグのライターとして働くなど、ファッション界に関わっていきます。
運命を変えたヴォーグの編集長との出会い
その後旅行先のNYで、友人であり、あの有名なアーティスト、ピカソの孫娘であるパロマ・ピカソからアメリカ版ヴォーグの編集長であったダイアナ・ヴリーランドに紹介されます。 当時舞台デザイナーになりたいと思っていたブラニクですが、彼のスケッチと彼が履いていた靴のセンスを見たヴリーランドは、”足に面白い小さなもの”を作ることに専念したほうがいい、と靴のデザイナーになることを勧め、ブラニクはそのアドバイスに従い靴のデザインを始めたのだそうです。
最初に作った靴は? そして靴のデザイナーとしてデビュー!
マノロ・ブラニクが最初に作った靴はなんと山本寛斎のために作ったもので、その名も「ザ・ブリック」。レンガという意味で、下駄にインスピレーションを受けたというこの靴は、マノロ・ブロニクの優雅で繊細なイメージとは全く違ったスタイルでした。 その後1972年のデザイナーのオジー・クラークのコレクションための靴を作ったのを皮切りに、クリスチャン・ディオール、イヴ・サンローランといった有名デザイナーのファッションショーでモデル達の足を美しく飾っています。 2007年にはイギリスにおけるファッション産業への貢献が認められ大英帝国勲章受章を受章しています。
マノロ・ブラニクの靴作り
なんと驚くことにブラニクは靴作りを正式に学んだことはありません。靴の製作工房を訪ね、靴職人や技術者と話をすることによって靴作りについて学んでいったのだそうです。
ヒールのこだわり
厚底と太いチャンキー・ヒールが流行った1970年代に細いスティレット・ヒールを提唱したブラニク。ウェッジヒールを嫌い、ヒールの醸し出すセックス・アピールにこそ魅力があると信じているのです。
靴に込めた愛情
ブラニクは自分の作る靴に愛情を込めて製作するのだと言っています。ただ単に靴のデザインをするのではなく、靴の木型を自分で削ったり自ら手作業で靴を仕上げるのです。 大量生産化が始まった時、ブラニクは実際に全ての工程をチェックし、オリジナルのデザインと全く同じに作られているか確かめたのだとか。 そして自分が今までにデザインした25000足にも及ぶ靴を全てバースの自宅にガラス戸棚に入れて年代順に飾ってあるそうです。自分の生み出した靴に対する愛情が感じられるエピソードですね。
マノロ・ブラニクのシグネチャー・デザインとは
マノロといえば、尖ったつま先に美しい足のシルエットを作り出す華奢で細長いスティレット・ヒールとレザーソール。そして斬新な色使いとビーズやリボン、スワロフスキーといった美しい装飾が特徴的です。 また、つま先からかかとまでのラインが流れるように美しく、重心がしっかりして安定しているため、ヒールが高いにもかかわらず履きやすく、走れるピンヒールと言われています。
マノロ・ブラニクの意外なトリビア
靴の王様と言われるほどの偉大なデザイナーのブラニクですが、実は意外な一面も。ここではちょっとしたブラニクのトリビアをご紹介しましょう。
UKヴォーグの表紙を飾った初めての男性モデル!
靴のデザイナーとして活躍し始めていた1974年の1月号のイギリス版ヴォーグ誌を女優のアンジェリカ・ヒューストンとともにビーチでグラスを傾けているポーズで表紙を飾っています。なんとブラニクこそがイギリス版ヴォーグ 誌で表紙を飾った初めての男性モデルだったのです。 そのほかにも幾つかのショットが掲載されており、若い頃のブラニクはなかなかハンサムだったよう。
マノロおじさん? あのセレブのオムツも替えてあげたことも!
ブラニクが1973年にロンドンでオープンしたブティックはすぐにセレブやファッショニスタの顧客を持つ人気店になりました。ミック・ジャガーの当時の妻であり、娘のジェイド・ジャガーを出産したばかりのビアンカ・ジャガーもその一人。 赤ちゃんのジェイドをとても可愛がったブラニクは、度々ミック・ジャガーの家にジェイドに会いに行き、なんとオムツまで変えてあげたこともあったのだとか。
マノロ・ブラニクの美しい靴はテレビや映画のスクリーンにも登場
靴のデザインを始める以前は舞台や映画の仕事に興味があったというブラニク。1990年代後半から映画やデレビドラマのシューズデザインを手がけています。
マノロ・ブラニクといえば「SATC」(1998-2004)!
世界中の女性達に一大ブームを引き起こしたアメリカのテレビドラマシリーズ、「SATC」こと『セックス・アンド・ザ・シティ』。 恋愛コラムニストの主人公、キャリー・ブラッドショーが愛したのがマノロ・ブラニクの靴。それまではセレブや上流階級のための靴という,知る人ぞ知る高級ブランドだったのが、「SATC」の人気とともに一気に知名度は上がり、ファッション界を代表するシューズブランドになりました。
マノロ・ブラニクの靴でプロポーズ! 映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』(2010)
映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』で一度は結婚式をすっぽがしたミスター・ビッグがとうとうキャリーにプロポーズ! 膝間付くミスター・ビックにシンデレラのように美しいブルーのマノロの靴をはかせてもらうキャリー。この感動的でロマンチックなシーンにうっとりした女性も多いはず。 この靴こそ、ブルーのシルクのサテン生地にスワロフスキーのビジューが施されたマノロの”ハンギシ”。一躍アイコンシューズと成りました。 ちなみにこの”ハンギシ”はナポレオン一世と妻ジョゼフィーヌ、そしてナポレオンの妹ポーリーヌ・ボナパルトからインスピレーションを受けたという華やかなデザインで、スワロフスキーが装飾されたバックル部分はイタリアで見つけたヴィンテージのアクセサリーから発想を得たのだとか。
マリー・アントワネットの靴をデザイン!『マリー・アントワネット』(2007)
日本のドラマにも!『せいせいするほど愛してる』(2016)
キルスティン・ダンスト主演による若きマリー・アントワネットの豪華な宮廷生活を描いた『マリー・アントワネット』。美しくゴージャスなヴェルサイユ宮殿とマリー・アントワネットのマカロンカラーの豪華なドレスやヘアスタイルが夢見るように美しい映像が印象的でした。 そして何と言っても靴好きのマリー・アントワネットの足元を飾るのはマノロ・ブラニクの、やはりマカロン色の美しく可愛らしい靴達!その色といい可愛らしいデザインといい、まるでお菓子のようでした。18世紀のロココな雰囲気を現代的に見事にアレンジしたマノロ・ブラニクの靴が楽しめます。 監督のソフィア・コッポラは、マノロ・ブラニクに依頼した理由を、映画に出てくる靴は全て超豪華にしたかったからと話しています。劇中のマリー・アントワネットの靴は全てマノロ・ブラニクのデザインだとか。本当に超豪華! そして靴を作りたい人物としてマリー・アントワネットの名前を挙げていたマノロ・ブラニクにとってはまさに夢がかなった映画です。
2016年に放送された滝沢秀行と武井咲の主演によるTBSドラマ『せいせいするほど愛してる』ではティファニーの全面協力ということもあり、豪華なディファニーのジュエリーはもちろん、武井咲演じる未亜のファッションも話題になりました。 その第1話。セレクトショップで未亜が滝沢秀明演じるティファニーの副社長にプレゼントされた靴が、なんとあのSATCでキャリーがミスター・ビックからプレゼントされたのと同じマノロ・ブロニクのハンギシ! 画面を見ながらうらやましさのあまりため息の出た女性も多かったのではないでしょうか。
そんなマノロ・ブロニクのドキュメンタリー映画が公開!
マノロ・ブロニクの素顔に迫ったドキュメンタリー映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』が、2017月12月23日より日本で公開することが決定しました! このユニークなタイトルはブラニクがバナナ農園で育った少年時代、チョコレートの包み紙でトカゲのために靴を作るのに熱中していたという微笑ましいエピソードから付けられたのだそう。 ブラニクの美しい靴作りの原点はトカゲだったのですね。
気になるドキュメンタリーの内容は?
ドキュメンタリーでは世界中の女性の憧れであるマノロ・ブラニクの美しい靴が生み出されるブラニクのアトリエ、そしてバースの自宅、そして今までにブラニクが世に送り出した靴のアーカイブを公開。 それに加えてイタリアのミラノのアトリエで職人たちと完璧な靴を手作業で作り出す過程、そしてマノロによる美しいデザインのスケッチ画等が、マノロ自身のインタビューやブラニクの靴の魅力にとりつかれたセレブ達、そしてマノロの友人のインタビューを交えて映し出されています。
『プラダを着た悪魔』のモデルとなったヴォーグの編集長も登場。マノロ・ブロニクを語る!
『プラダを着た悪魔』の鬼編集長のモデルとなったヴォーグ編集者、アナ・ウィンターもドキュメンタリーに登場。ファッションショーの最前列に座るときですら外すことのないおなじみのサングラスを外し、普段はあまり見せない表情を見せてブラニクを語る姿にも注目です。 ちなみにアナ・ウィンターは、マノロ・ブラニクでない靴を履いたのはいつだったか覚えていないと発言。靴のラベルを見なくても常にマノロ・ブラニクを選んでしまうというくらい、マノロ・ブラニクの靴に魅せられているよう。 そのほかマノロ・ブラニクの愛用者として歌姫リアーナ、故デヴィッド・ボウイの妻でモデルのイマン、古くからの友人パロマ・ピカソ、そしてなんと若い頃にブラニクと共にヴォーグの表紙を飾った女優のアンジェリカ・ヒューストンが登場し、ブラニクの愛すべきプライベートの素顔を語っています。
なんといっても魅力的なのはマノロ・ブラニク本人!
映画のインタビューでもお茶目な一面が垣間見られるブラニク。靴の王様と崇められ、20 世紀、そして21世紀を代表する靴のデザイナーと言われるブラニクですが、実際は靴だけでなく、マノロ・ブラニク自身が魅力的で愛される人物のよう。そのブラニク自身の魅力をこのドキュメンタリーで、靴の魅力とともに是非堪能して下さい! マノロ・ブラニクのファン必見の映画です!