2018年3月22日更新

眩しく美しきサイケ感!映画の中のネオンカラーに目を奪われてみない?

美しくも妖艶な魅力を放つネオンカラー。映画の中で使われるとまるで異世界にトリップするような感覚に陥ってしまう、そんなネオンカラーが効果的に使われた6作品を紹介!

美しく妖艶!ネオンが眩しい映画たち

『ネオン・デーモン』
(C)2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch

映画において照明は重要な要素の一つでもありますが、そんな照明を大胆にもネオンカラーで演出する映画があるのはご存知でしょうか。美しくも妖艶なネオンカラーは僕たち観客をあっという間に異世界に誘い、魅了します。 今回はそんなサイケ感溢れるおすすめ映画を6本ご紹介します!

ドラッグを描いたアシッド・ムービーの原点『白昼の幻想』

『白昼の幻想』は「B級映画の帝王」ことロジャー・コーマンが監督、LSDによるバッドトリップを題材にしたアシッド・ムービーの元祖です。トリップ状態をそのまま映像化するというコンセプトの元、ひたすらにクラクラするような極彩色の世界が続きます。 離婚問題で頭を悩ませる男が自分を見つめ直そうとLSDに手を伸ばす、という非常にシンプルなストーリーですが、60年代ならではのチープで万華鏡のようなトリップ演出は見どころ。短いカットバックとネオンカラーのイメージの連続によって主人公の錯乱が表現されています。 ちなみに『シャイニング』の父親役でブレイクする前のジャック・ニコルソンが脚本を担当。主演のピーター・フォンダと共に、本作がきっかけで名作『イージー・ライダー』が製作されたようです。

カルト的人気を誇る極彩色美少女ホラー『サスペリア』

2018年にリメイクの公開も決定している、ダリオ・アルジェント監督による言わずと知れたカルト・ホラー映画。原色を多用したやりすぎなほどの色彩が恐怖と不安を煽りながらも、どこか絵画のような美しさを感じさせる名作です。 鮮血のような赤、寒々とした青、異形の存在を匂わせる緑の三色が基調となる奇怪で異様な色使いは、まるで異世界に迷い込んだかのよう。舞台となるバレエ学校のセットも凝っており、難解なストーリーながらも雰囲気だけで満足できる程の映像美が堪能できます。

毒々しいまでの東京のネオンが光り輝く『エンター・ザ・ボイド』

鬼才ギャスパー・ノエ監督が東京を舞台に、輪廻転成とLSDによるトリップを描いた悲劇のドラマ。目眩のするようなオープニングから、まさにドラッグの追体験。射殺された主人公から幽体離脱した目線で描かれるため常にカメラが漂っており、独特の浮遊感が味わえます。 注目すべき点は目まぐるしい夜の東京のネオン。様々な色が攻撃的に煌き、ネオンとは対照的な悲壮感のあるストーリーがより際立ちます。ロマン・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』でも描かれていましたが、東京の喧騒は人をより侘しく感じさせるようですね。 また、猥雑にも感じるラブホの看板やクラブの照明が幻想的に描かれており、本作を見終えた後では東京の街がいつもと違って見えてくるのではないでしょうか?

狂ったファッション業界を独自の映像美で描く『ネオン・デーモン』

ファッション業界で渦巻く嫉妬や狂気を描いた、「美」と「若さ」に関する怪作です。ニコラス・ウィンディング・レフン監督は過去作でもネオンカラーを多用してきましたが、本作では真骨頂とも呼べるほどのネオンカラーの際立ち。冒頭から色合いの美しさに引き込まれます。 監督の過去作『オンリー・ゴッド』でも炸裂したピンクや青を基調とした色使いが神秘的、かつ妖艶な雰囲気を映画全体から醸し出します。主演のエル・ファニングの美しさも相まって危うい世界を覗いているような背徳感もたまりません。

アングラ映画の帝王によるめくるめく快楽の世界『快楽殿の創造』

『ルシファー・ライジング』や元祖ゲイ映画『花火』で知られるケネス・アンガー監督による中編。神や歴史上の人物が続々と登場し、「快楽」をモチーフとしたサイケデリックなイメージが全編を覆います。 数多くの映像作家に影響を与え続けるだけあって、次々と繰り広げられる狂乱の映像センスは抜群。赤を基調としたネオンカラーが常に暗闇から人物を照らし、不気味ながらどこかいやらしく、強烈なインパクトを残します。 特に宝石などを自分に取り込むシーンが印象的で、ケネス・アンガーのファンを公言しているニコラス・ウィンディング・レフンは独自に解釈して『ネオン・デーモン』の衝撃的な“あの”ラストシーンを作ったのでしょう。

ネオンが照らすフロリダの夜『スプリング・ブレイカーズ』

主演4人のネオンカラーのビキニも眩しい青春犯罪物語。青々としたフロリダのビーチが舞台で、ビキニの女子大生が主役となれば華やかな映画を予想しますが、実際にはダークで死の匂いが全編通して立ち込めるハーモニー・コリン監督らしい作品となっております。 夜のシーンになると、ブラックライトでフロリダの街中を照らしているようなネオンカラーに画面が染まるのですが、それはまるで無軌道な若者たちの軽薄さを表しているよう。特に暗闇に浮かび上がるピンクの強盗マスクとビキニがスタイリッシュかつ不気味で必見。 ネオンカラーは美しさだけでなく、周りとの相対的な演出次第で様々な印象を受けることができます。まだまだ可能性を秘める色の表現力、ぜひ映画の色使いに注目してみてはいかがでしょうか?