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リュック・ベッソン監督が『グラン・ブルー』のカットシーンの真相を語る!【取材】

2018年3月16日更新

3月14日(水)TSUTAYA TOKYO ROPPONGIに、『ヴァレリアン』のPRで来日したリュック・ベッソン監督が登場!ファンミーティングの中で、今作における魅力や自身の手がけた過去作について惜しみなく語ってくれました!

リュック・ベッソンが仕事の事からプライベートの事まで惜しみなく語る!

リュック・ベッソン
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新作『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』のPRを兼ねて来日した監督のリュック・ベッソン。選ばれた彼のファンが六本木のTSUTAYA TOKYO ROPPONGIに集まり、特別トークイベントが開催されました。 自身の幼少期、バンドデシネとの出会いを通して脚本を書く事を学んだ経緯や過去作の裏話などを中心にトークが展開されました。

フィフス・エレメントとは全く違う作品である

リュック・ベッソン
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ユートピアなSFの世界観に圧倒される『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』。リュック・ベッソンのSFといえば、近年の『LUCY』もそうですが、カルト的な人気を誇るのは『フィフス・エレメント』でしょう。 『フィフス・エレメント』が『ヴァレリアン』と同じ世界線にあるのではないかという質問に対して「同じ監督だからね」とジョークをかます監督。 監督自身はこの2作品は全く違う作品だと説明し、特に時代にギャップがあるとのこと。曰く、『ヴァレリアン』での出来事は『フィフス・エレメント』の300年後くらいに起きる事なのだそう!

『ヴァレリアン』に出会ったリュック・ベッソンの幼少期

幼少期、地方に住んでいたリュック・ベッソン監督。 「義父がテレビを家におかない主義だったので、周りは牛しかいなくて、子供の頃の自分にとってはきつかったよ。だから、当時のバンドデシネ(コミック)は自分にとってテレビだった。」と語ります。 むしろ、バンドシネがテレビ以上の存在であった事も明かしています。 「時間を超えて、宇宙空間を超えられて、色々なエイリアンに出会えるものだった。そこが大好きだったんだ。だから10歳から20歳の頃まではあらゆるコミックを読んでいたよ。ただ、映画を作り始めてからはあまり読まなくなったけどね。」 更に、今作『ヴァレリアン』の原作との出会いも振り返ります。実は彼が今日における巨匠の地位を築けたのも、この漫画のおかげだった?

リュック・ベッソン
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「この『ヴァレリアン』はピロットという週1発行の漫画雑誌で連載されていたんだけど、毎回2ページしか掲載されなかったんだ。だから、翌週を待つ過程で忍耐力を学んだし、次の展開を想像していった。展開や使用される色彩までもを考えて、こんな風に10歳の僕は脚本家の卵になって、物語を描くことを漫画から学んだんだ。」 実際、発刊された次の2ページは想像と全く違っていたり、想像を超える程良いものだったりすると語る監督。更に、自分の幼少期と現代の子供の生き方の違いについて言及しました。 「毎週2ページしかなかった連載のおかげで脳のトレーニングができたし、想像力を発達する事ができた。今日における子供達は簡単にワンクリックで情報を手にする事ができる時代に生きている。ただ、残念だし興味深くもあるのは、どんな事でも学べるし、見ることができるのに、わざわざ検索して見るのは「スケートボードに乗った犬」だったりするんだ。好奇心はどこにいってしまったんだろうね。」

今作の主題歌を手がけた姪っ子に関して

アレクシアン
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今回『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』の主題歌である『A Million On My Soul』を歌うのは、アレクシアン・シラという若手歌手です。 彼女は実はリュック・ベッソンの姪!彼が『アーサーとミニモイの不思議な国』を手がけた際に、13歳だった彼女は「この映画の曲を書きたい!」と言ったのだそう。彼女のクリエイティビティを阻害したくなかったリュック・ベッソンは、「じゃあ書いてごらん」と言ったものの、あがってきたのがヘビーでダークすぎる楽曲だったため、「アレクシアン、これは子供向けのアニメ映画なんだよ!?」と使用を却下してしまった過去がありました。 そして今回、アレクシアンから再び『ヴァレリアン』の楽曲を書きたいと言われ、伯父さんベッソン監督は「ミニモイ」の一件を思い出しつつも承諾したそう。実際、かなり良い出来に感動して今作に使用する事にしたと話していました。 ただ、彼女の曲を使用したのは自分の姪だからではなく、楽曲が素晴らしかったからだという点を強調しています。

ルトガー・ハウアーをキャストしたのは何故?

実は、今作にはあのルトガー・ハウアーが出演しているのですが、そのキャスティングの背景をベッソン監督は以下のように語ってくれました。 「『ブレードランナー』の大ファンだったんだ。彼は「『ブレードランナー』でレプリカント、つまりエイリアン(非人間)だった彼が逆に今作では人間であり、人類の代表としてあらゆる種族と握手を交わす冒頭のシークエンスに登場するのは面白いアイデアだと感じたんだ。小さな役ではあるけれど、彼が今作に参加してくれたのはとても嬉しかったです」

今だから語る!?『グラン・ブルー』のカットシーンの真相

日本人が出てくるシーンを覚えているかな?『グラン・ブルー』の配給会社が日本で今作を公開したいと申し出た際に、「少し差別的なので、このシーンをカットした方が良い」と言われたのだそう。監督としては一つのジョークであり、差別と捉えられたくもなかったので、それを快諾してカットしたバージョンを作り、いざ映画は公開へ。 しかし、その後その配給会社からグランブルーのロングバージョンを配給したいと再び申し出がありました。しかし、再び例のシーンをカットしたいと言われた監督は、「(カットするとロングバージョンにならないから)ノーだ。ロングバージョンを公開するのであれば、それはオリジナルエディティングであるべきだ」と断ったのです。配給会社は暫く考えた末に、日本人のシーンを含んだロングバージョンを配給する事に。 そして公開されるロングバージョンのPRのために来日したリュック・ベッソンでしたが、ジャーナリストからの取材だけでなく一般ファンからも「何故あのシーンをカットしていたのか!?」と質問責めを受けたのだそう! 「僕はとても混乱したよ。けど、それと同時に日本の方もユーモアのセンスがあるんだなって思ったよ(笑)」

リュック・ベッソン「SF映画を作る方が楽しい」

リュック・ベッソン
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『レオン』『グラン・ブルー』や『ニキータ』等、SF映画でない作品も手がけてヒットさせてきた監督。SF映画とそうでないものを作る上で、こんな違いがあると語りました。 「SF映画を作る方が楽しい側面が多いね。一つの現実を追いかけて忠実に描く義務がないから。全てを自分で再発明して、新たに生み出す事は作り手にとってとても光栄だし面白い事なんだ」 ヌーヴェルヴァーグ以降のフランスの映画史に、大きな影響を与えてきたリュック・ベッソン。次回作『アンナ』はアクションスリラーとの事なので、引き続き注目したいところです。