2018年5月29日更新

映画館が定額制?マサラ上映?気になる世界の映画館カルチャーを徹底紹介!

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映画館

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海外の映画館事情に興味ありませんか?

映画館 客席 フリー画像

海外旅行に行って、その地の映画館で映画を見たことはありますか?言語の問題もありますが、実はその国の文化を知るには最適な観光地!チャレンジしてみるのも面白いかもしれません。 いざ行ってみると、いかに日本の映画チケット代が高いかがわかります。アメリカでは定額制が始まり、韓国では年々値上げがあるにもかかわらず安価、中国やインド、メキシコでは平均500円以下! 座席・作品・時間帯や地域によって料金が違うのも海外の映画館の特徴。そんな様々な相違に着目して、映画産業が盛んでも入場者数が伸び悩んでいる日本の映画館が今後どう変わるべきかも予想してみたいと思います。

アメリカでは映画見放題って本当!?驚きの定額制の試みとは

2011年に創設されたアメリカの映画チケット販売サービス「MoviePass」。2017年8月に月9.95ドル(約1,100円/1日1本)の全米統一定額制を実施し、大きな注目を集めて会員数も急激に伸び、2018年2月には200万人を超えました。 MoviePassに入会すると会員カードが2週間以内に送付されます。MoviePassのアプリから観たい映画が上映している映画館と上映時間を選び、会員カードを使ってチケット売り場かキオスクでチケットを受け取るシステムです。 NetflixやHuluなどの定額ネット配信サービスを映画館に取り込んだといえるシステムですが、損失ばかりでどこから利益を徴収するのかなど、今後もこのビジネスが上手く循環するためにはまだ課題があるようです。 しかし定額制で映画が見放題なのは、映画ファンにとっては一番の幸せ!映画館チェーン大手のCinemarkも会員制の定額サービスを2018年に入って開始しました。アメリカでも低迷する入場者数をアップするために様々な試みが行われているようですね。

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日本は世界一チケット代が高い国?鑑賞料金の違いを見てみると

日本の一般的な映画チケット代が1800円なのは妥当なのか?ということが気になります。家族4人で週末に映画を観に行って飲食物やグッズを買うと、もう一万円近くに!では、他の国はどのくらいの価格で映画を観ているのでしょうか?(※2018年5月末現在のレートで換算) アメリカでは平均8.93ドル(978円)で、映画館数の多さも特徴。イギリスは平均10〜12ポンド(1,464〜1,756円)、フランス・ドイツは平均11〜12ユーロ(1,410〜1,538円)で、映画館によっても料金が違うといいます。 しかし日本のチケット代が一番高いというわけでもなさそうです。スイスは18スイスフラン(1,984円)、デンマークは130デンマーククローネ(2,242円)、バーレーンやカタールなどのアラブ圏も高額!そもそも座席が豪華!

韓国では時間帯や座席の場所によって細かく料金設定が違います。平均では8,000〜10,000ウォン(810〜1,013円)ですが、朝早い回は6,000ウォンに値下げされ、見にくい席は一番安くなっていたりします。 中国やインドは地域や劇場によってかなりチケットの価格が変動するようです。中国は平均29〜42元(498〜719円)、インドでも高級モール内の映画館で通常席が250ルピー(400円)だそうです。地方に行けばもっと驚くほど安いとか!

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人口に比例していない?入場者数が示す各国の映画業界事情

「グローバルノート」の各国入場者数ランキングによると、世界の1〜10位は以下の通りです。 1位:インド、2位:中国、3位:アメリカ、4位:メキシコ、5位:韓国、6位:フランス、7位:ロシア、8位:ブラジル、9位:イギリス、10位:日本 日本は10位という微妙な順位ですが、映画の歴史も古く映画産業が盛んな国々がランクインしていることは間違いありません。しかし4位メキシコや5位韓国など、単純に人口に比例しているわけでもないようです。 ここにもやはり各国の映画館の料金体制が大きく関わっているように思えます。上位5カ国はどこも平均的に1000円以下で映画鑑賞ができる国。日本の映画館が入場者数を伸ばすヒントが、ここにありそうですね。

最新の海外映画館事情は?日本の映画館はかなり特殊?

ポップコーン 映画館 フリー画像

入場者数上位の国々では様々な工夫が劇場で行われています。足が伸ばせるリクライニング座席やカップル席、4DX/3D/IMAXなどの特殊な上映方法も増えてきています。家族連れをターゲットにし、ショッピングモールにシネコンが作られることも多くなってきました。 スマホ普及率が高い国ではオンラインで手軽に映画チケットを購入するのが一般的になってきていますが、中国では2017年にはオンライン購入率が80%に達したとのこと。ネットでの事前購入でかなりの割引が行われているようで、最低販売価格が19.9元に決められたほど!

ところで日本のように映画のパンフレットやグッズが高値で売られているのは、世界的に見ても珍しいようです。また、劇場内への外部の飲食物持込禁止が一般的なのも日本ならではで、コンセッションやストアの売上に頼っている一面が伺えます。 中国や韓国の映画館では、割と飲食物を食べる音や話し声も聞こえるとか!インドには上映中に歌ったり踊ったりする「マサラ上映」というスタイルも。日本ほど静かに映画を観ている国は案外少ないのかも?それでも最近では日本でもインド流マサラ上映が話題になったり、ライブビューイングというスタイルも確立されてきています。

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これから、日本の映画館はどうなる?

ここまで海外の映画館事情を見てきましたが、日本の映画館ならではのサービスや独自性も逆に知ることができました。日本の上映作品は現在主にハリウッド製の洋画と純国産の邦画が半々ほどの割合を占めていますが、海外の映画館では邦画は上映しているのでしょうか?

調べたところ、是枝裕和監督の『三度目の殺人』が2018年5月17日からロシアの劇場で、5月18日からメキシコの劇場で封切られていました。5月19日にカンヌ国際映画祭で、是枝監督の『万引き家族』がパルム・ドールを受賞する直前の絶妙なタイミング!またメキシコの大手シネコン「Cinemex」では日本のアニメも人気で、6月に『キャプテン翼』が上映されるようです。 これからの日本の映画館には、今までの上映方法や料金体制の見直しなどが求められていくかもしれません。多様化してきた社会を反映して様々な国の映画の上映や、外国人観客向けのサービスや邦画の輸出も今後さらに必要になってくるのではないでしょうか。