前代未聞の大麻料理対決番組『クッキング・ハイ』からわかる大麻の実際とは?【Netflix】

2018年7月10日更新

日本では所持すら禁止されている大麻。しかし、それを使った料理対決番組『クッキング・ハイ』がNetflixで配信されています。これを見れば、楽しく正しい大麻の知識を得られること間違いなし!?

この番組がヤバい!大麻料理対決『クッキング・ハイ』

2018年6月からNetflixで配信が開始され、一部で大きな話題を呼んでいる『クッキング・ハイ』。この料理番組が注目を集める理由は、ずばり使用される食材に必ず大麻が含まれていることです。 日本では所持すら禁止されている大麻は、“危ないもの”“悪いもの”というイメージが強いのではないでしょうか。そういった日本の常識から考えると驚いてしまう『クッキング・ハイ』ですが、大麻に関する知識を得られる貴重なシリーズでもあります。 この一風変わったシリーズを見て、大麻についての正しい情報を楽しく手に入れましょう。

『クッキング・ハイ』ってどんな番組?

『クッキング・ハイ』は、基本的に普通の料理番組とあまり変わりません。毎回2人のシェフが30分でテーマにそった料理を作り、2組の審査員が10点満点でそれぞれの料理を評価します。 ほかの料理番組と違うのは、料理には必ず大麻が使われていること。 番組に登場するのは、人気料理対決番組『トップ・シェフ』(2006〜)への出演経験がある人など、さまざまなジャンルの凄腕シェフたち。 俳優のジョシュ・リーヴァが司会をつとめ、コメディアンであり、大麻に関する著書も多数出版しているンガイヨ・ビーラムが、毎回料理に使う大麻を提供します。

『クッキング・ハイ』の注目ポイント

シェフたちの手際がすごい

『クッキング・ハイ』に登場するシェフたちは、バーベキューやオーガニックフード、そして医療大麻の取り扱い免許を持った大麻料理専門のシェフまで、さまざまなジャンルのエキスパートばかり。 そんな彼らに与えられるのは、30分の制限時間と1つのキッチン。2人のシェフが同じキッチンで同時に料理をするわけですが、コンロや作業台を交代でうまく使い分け、その手が止まることはありません。 さすが一流のシェフというほかないですね。

審査員が楽しそう

料理の審査をする2組の審査員は、大麻使用経験のあるコメディアンやミュージシャンなどです。 シェフたちが料理をする間、彼らと司会のジョシュはこれまでの大麻での失敗談などを語り、ンガイヨが専門的な解説や豆知識を披露したりします。 試食を終えた後は、大麻の効果が現れるまでしばし休憩。その間に審査員はゴキゲンに。審査結果を発表するころには、彼らはハイテンションで笑いっぱなしになっています。 その姿はとても楽しそうでもあり、ある意味こわいかもしれません。

大麻に関する情報満載

『クッキング・ハイ』に大麻の専門家として登場するンガイヨ・ビーラムは、毎回違った種類の大麻を持ってきて、その特徴や効果の違いなどを説明します。 彼は大麻に含まれる成分やその作用、最新の研究結果などを紹介。また、大麻料理専門のシェフがどんなところで、どんな目的で仕事をしているかということも話してくれます。 日本ではなかなかこういった情報に接する機会はないので、『クッキング・ハイ』で多くの知識を得ることができるでしょう。

大麻って実際どんなもの?

大麻はアサ科アサ属大麻草の葉を乾燥、または樹脂化、液状化させたもので、マリファナとも呼ばれます。 大麻(麻)の繊維は丈夫で、洋服だけでなくロープなどにも使われます。日本でも、しめ縄や神事のお祓いで使う大幣(おおぬさ)などに使用されていました。 主成分であるテトラヒドロカンナビロール(THC)は薬としての作用があり、嗜好品、医薬品として紀元前から用いられています。その摂取の仕方はさまざまで、タバコ用の紙に巻いて喫煙したり、水タバコで気化させて吸入したり、調理して食べたりします。

医療用として使われる大麻

医療大麻は気分を高揚させる「THC」と、「CBD」と呼ばれ、興奮を抑える作用があるカナビジオールが主成分です。 その効果は鎮痛作用や鎮静作用、催眠作用、食欲増進作用、抗がん作用、眼圧の緩和、嘔吐の抑制など。 それぞれの成分の配合により、ガン全般やHIVからアルツハイマー、緑内障、強迫神経症、気管支喘息、多発性硬化症、パーキンソン病など、約250種類の疾患に効果があるとする論文もあります。 しかし大麻の医療効果についてはまだまだわからないことが多く、さまざまな国で研究がつづけられています。

嗜好品としての大麻

大麻(マリファナ)の嗜好品としての使用というと、ヒッピーのイメージがあるのではないでしょうか。ジャマイカのミュージシャン・ボブ・マーリーも、大麻を愛煙していたことで有名です。 大麻には、気分を高揚させ活動的にするサティバ種、リラックス効果があるインディカ種、この2つをかけ合わせたハイブリッド種の3つの品種があります。 ハイブリッド種は多種多様で効果もさまざま。なかには、品種改良によってハイになる作用が強いものや、逆にリラックス効果が高いものもあります。 『クッキング・ハイ』で使われる大麻の多くはハイブリット種で、専門家であるンガイヨがその特徴や、使用上の注意を説明してくれます。

知ってる?世界の大麻事情

世界初の大麻合法化国:ウルグアイ

2013年、南米のウルグアイが世界で初めて大麻を合法化しました。これは、政府の監視下で大麻の栽培、販売、使用を認可することで、ブラックマーケットを解体し、犯罪組織の資金源を減らすことを狙ったものです。

ウルグアイにつづく2国目の合法化:カナダ

2001年から医療目的での大麻の使用が事実上合法化されたカナダでは、世界で初めて医療大麻使用者に対する医療費控除も導入されました。 2015年の選挙では、嗜好用大麻の合法化を公約に掲げたジャスティン・トルドーが勝利し首相となり、2018年6月に嗜好用大麻を合法化する法案が成立。同年10月から施行されることが決定しています。

大麻だけでなくハードドラッグも非犯罪化:ポルトガル

それまでドラッグが蔓延していたポルトガルでは、2001年から大麻だけでなくヘロインやコカインなど、全ての薬物が非犯罪化されました。これによって依存症の治療を受けられる人が増え、結果的にドラッグ使用者は減少したということです。 この件は、ドキュメンタリー映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(2016)でも扱われています。 大麻については1日2.5gの使用が許可されていますが、ケンカなどのトラブルを起こした場合は没収されます。

自治体の判断で小売店に販売認可:オランダ

大麻をはじめとするソフトドラッグの使用者が多いオランダでは、それを完全に取り締まることはできないと考え、「ハーム・リダクション」という対応を取っています。これは、少量のソフトドラッグの使用を非犯罪化することで、ハードドラッグへの移行を防ぐという考え方。 そのため、自治体ごとに「コーヒーショップ」と呼ばれる小売店で、1人1日5g以下のソフトドラッグの購入が許可されています。 ちなみに18歳未満の未成年は、大麻を購入することもコーヒーショップに入店することも禁止されています。

州ごとに医療用・嗜好用を住民投票で合法化:アメリカ

アメリカでは2018年現在、医療目的、娯楽目的合わせて28の州で大麻が合法化されています。 医療用・嗜好用ともに合法となっているのは、首都ワシントンDCがあるワシントン州をはじめ、アラスカ州、ネバダ州、カリフォルニア州など8州。 アリゾナ州やニューメキシコ州、ミシガン州、フロリダ州、ミネソタ州、ハワイ州、ニューヨーク州など20の州では、所持や摂取方法の条件は異なりますが、医療用大麻が合法化されています。 2014年にいち早く嗜好用大麻を合法化したコロラド州プエブロ郡では、大麻販売の税収を高校生の奨学金にあてる制度を導入しています。

違法だけど犯罪ではない:一部のEU加盟国

一部のEU加盟国では大麻は基本的に違法ですが、取り締まりはあまり厳しくありません。 ドイツでは、首都ベルリンでのみ15gまでの所持が認められていますが、公共の場での使用は禁止。また医療目的や学術目的の栽培に限っては、例外的に認められています。 フランスは2018年1月に禁固刑を廃止し、駐車違反と同程度の罰金をその場で徴収する方針を発表しました。

使用者には優しく、密輸者には厳しい:中国

中国では、大麻の使用者は更生施設に入れられるだけです。 しかし、50g以上の密輸で捕まると懲役15年以上、無期懲役、または死刑になる場合も。

『クッキング・ハイ』で大麻の知識を手に入れよう!

日本では覚醒剤や幻覚剤などと同列に語られることの多い大麻ですが、ほかの国々では医療効果などの研究が進み、次々と合法化、またそれに向けた運動が起こっています。 ネガティブな情報が多いなか、正しい知識を身につけるのは至難の技。多方面からの意見を知ることで、自ら考えるきっかけになるのではないでしょうか。 『クッキング・ハイ』自体は、大麻に対して肯定的な態度をとっていますが、その効果を絶賛するものではありませんし、基本的には料理番組で、審査の基準は料理のおいしさです。 ハイになっている審査員の姿を見て「楽しそう」と思う人もいれば、「怖い」と感じる人もいるでしょう。 しかし、多くの情報に接することは意味のあることです。ぜひ一度見てみてください!