漫画『adabana 徒花』全話ネタバレあらすじ＆感想！胸糞サスペンス漫画の結末は？

凄惨な殺人事件をきっかけに、被害者と加害者となった2人の少女を追う『adabana 徒花』。広告も多く掲載され話題となった本作は、全3巻で非常に読みやすい漫画です。 そこで本記事では『adabana 徒花』を読もうか悩んでいる人に向けて、ネタバレあらすじを解説していきます！

『adabana 徒花』はNONによるサスペンス漫画で、『グランドジャンプ』にて2020年から2021年に連載されていました。 ある少女は家で殺人事件のニュースを観ると、いつものように母親に挨拶をし警察署にやって来ます。そこで彼女は自分が事件の犯人だと自首し、凶器の包丁を差しだしました。 身柄を拘束された少女は事件について語り始め、物語は被害者と加害者が親友だった過去まで遡るのです。

藍川美月は本作の主人公です。ウェーブがかった黒髪が特徴的で、左目の下にホクロがあります。物語開始当初は五十嵐真子殺人事件、石田辰夫殺人事件の犯人だと思われましたが、後にどちらも彼女の犯行ではなかったと判明しています。 親友である真子を自殺に追い込んだ人物に復讐するべく、行動している少女です。

五十嵐真子は美月の親友であり、彼女の死体を美月が処理するシーンから物語は始まります。茶髪を結んだ美少女で、元気で優しい性格をしていました。 前に母親を亡くしており、父の借金を返すため叔父から「秘密のバイト」を強要されていた彼女。実際に叔父の石田辰夫を殺したのは彼女で、彼女自身の死の真相は自殺でした。周りの男性が全員クズである不運の少女です。

暁裕樹は真子のストーカーであり、元カレでもある人物です。頭脳明晰で顔も整っていた彼は、ファンクラブができるほど女子に人気がありました。 裕樹は傘を忘れた真子に傘を貸したことで面識を持ち、その後も誠実な態度で彼女と付き合っていました。真子が悩みを打ち明けた際には、叔父と話をつけ真子を救っています。 しかし誠実な性格は取り繕った偽物で、本当の彼は独占欲が強く人を利用する狂った人物でした。作中では叔父と繋がっている描写もあり、真子を自殺に追い込んだ張本人でもあります。

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五十嵐真子(いがらしまこ)の殺人事件の犯人として逮捕された藍川美月(あいかわみづき)は、事件の詳細を語り始めます。 事件の発端は、真子の叔父が経営しているラーメン屋での出来事でした。親友の叔父に性的暴行を加えられた美月は、自分を守るため包丁で叔父を殺してしまいます。その現場に鉢合わせた真子は、すべてを無かったことにしようと提案しました。そして2人で叔父の死体を隠したのです。 しかし次第に真子はしつこいストーカーである元彼・暁裕樹(あかつきゆうき)からのストレス、叔父の殺害がバレる恐怖で憔悴していきます。そして裕樹との関係を誤解しパニックになった真子と美月は包丁を持ったままもみ合いになり、気がつくと真子は血を流し倒れていたのです。 美月側の視点で描かれた上巻。たしかにショックを受けている様子の美月ですが、最後に真子に向け言葉を発したりとまだまだ謎が多い内容でした……！

物語は真子視点に変わり、事件が起きる半年前まで遡ります。 母親を亡くした真子は、それでも親友である美月と共に楽しい学校生活を送っていました。しかし彼女には美月にも言えない、叔父との間でおこなわれる秘密があります。 そんな中彼女は裕樹に出会います。傘を貸してくれた彼が忘れられず、SNSで繋がる真子。デートにも行き良い雰囲気ですが、彼女の恋を「秘密のバイト」が邪魔していました。 話を聞いた裕樹は自分に任せてほしいと言い、叔父と話をつけます。すべてがうまくいき幸せになる真子ですが、裕樹が真子を盗撮していたと知り一気に絶望の淵に追いやられてしまいました。そして裕樹と叔父の繋がりも知ってしまった彼女は怒りの中、ラーメン屋で美月が襲われているのを見て叔父に刃物を向けるのでした。 知られざる真子の過去が描かれる中巻。ラストシーンでは物語を根底から覆す衝撃事実の片鱗がみえます……。

実際に叔父を殺害したのは、美月ではなく真子でした。叔父の殺害を隠蔽する2人ですが、美月は叔父のパソコンから真子の「秘密のバイト」を知ってしまいます。そして裕樹も真子を追い詰めていた犯人であると見抜いたのです。一方裕樹と会い話した真子は、すべてに絶望し自殺します。これが事件の真相だったのでした。 真子の携帯電話から裕樹の脅迫メールを見た美月は復讐を決意します。そして現代での裁判初日、自首をした彼女は五十嵐真子の殺害を否定したのです。 彼女が名前を出したため、裕樹は世間から真犯人扱いをされます。結果的に美月は殺人などの罪で実刑判決を、そして裕樹はストーカー規制法違反などで逮捕され社会的制裁を受けました。復讐の成功に満足した美月が、数年後に出所し物語は幕を閉じます。 すべての真相が判明する下巻。決して後味はよくないものの、主人公の復讐成功に不思議な気持ちになるラストでした。

『adabana 徒花』はクズに囲まれた2人の少女の秘密を追う作品で、徐々に真相が明らかになる展開が非常に面白いです。全3巻ですが、巻数以上の読み応えがあります。 不思議な雰囲気を纏う少女が殺人鬼のように描かれるシーンから始まり、彼女が実際は親友の復讐を願う少女だとわかったときは衝撃でした。また誰も浮かばれてはいないものの、親友のため満足して刑務所に入る美月の姿には涙がでてきます……！

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『adabana 徒花』はショッキングな描写もあるものの、続きが気になりページをめくらずにはいられないサスペンス漫画です。 あらすじを読んで気になった人は、ぜひ手に取って楽しんでみてください！