『弟の夫』原作漫画のあらすじネタバレを最終巻まで!ドラマ情報や海外の反応も一緒に
海外でも高い評価を受けている田亀源五郎による漫画『弟の夫』。LGBTQをテーマにしたホームドラマで、2018年にはNHKで実写ドラマ化もされました。 この記事では、漫画『弟の夫』の各巻あらすじをネタバレありで解説し、ドラマ版についても紹介します。 ※本記事にはストーリーのネタバレが含まれているため、未視聴の人は注意してください。
『弟の夫』のあらすじ
妻の夏樹と別れ、小学生の一人娘・夏菜と2人暮らしをしている折口弥一。ある日、彼のもとにカナダで暮らしていた双子の弟・涼二が亡くなったという知らせが届きます。そして、涼二はカナダで同性結婚をしていました。 涼二の夫であるマイク・フラナガンが来日し、弥一の家を訪問。弥一は見知らぬ外国人であり、ゲイであるマイクにどう接していいのかわからず、初めは戸惑うばかり。しかし夏菜の純粋な好奇心も手伝って、次第にマイクやゲイに対する理解を深めていきます。
【原作漫画】第1巻のあらすじ・ネタバレ
折口弥一は一人娘の夏菜を1人で育てるシングルファーザー。両親を高校生の時に事故で亡くし、双子の弟の涼二は10年前に家を出ています。涼二はカナダへ渡り、そこで同性婚をしていました。 涼二が亡くなり、カナダから結婚相手のマイク・フラナガンが弥一の家を訪れることに。マイクは髭面の大男で、弥一と初対面した際は涼二にそっくりなため思わず抱きついてしまいました。そんなマイクを内心では「ホモ」と罵倒する弥一。 一方で夏菜は同性婚や同性愛者への偏見がなく、いろいろ驚くことはあってもマイクにフラットに接することができました。夏菜はすぐにマイクを「叔父さん」として受け入れます。
【原作漫画】第2巻のあらすじ・ネタバレ
こうして3人の不思議な同居生活が始まりますが、夏菜はマイクにとてもよく懐いていました。学校の友だちや母親の夏樹にもマイクのことを嬉しそうに話しています。しかし弥一はいまだマイクのことが“わからない”がため、どう接してよいかわからずにいました。 実際、弥一はゲイのことも涼二のこともよく知りもせず、ただ受け入れがたいと思っていたのです。そんな時、夏菜の「どっちが奥さんだったの?」という無邪気な質問で弥一はハッとさせられます。 マイクの答えは「どっちもハズバンド」というもので、弥一は知らないうちに彼らにも「男女の役割がある」という固定観念を押し付けていたことに気付きました。
【原作漫画】第3巻のあらすじ・ネタバレ
自分が何もわかっていなかったことに気付き、自らマイクを理解しようと距離を近づけていく弥一。しかしまだ、近所の人にも「弟の友人です」としか答えられずにいました。それでもより深く考え続け、もしも夏菜が将来「ガールフレンド」を連れてきたら?と自問自答します。 同性愛者だけではなく、周囲にも「常識」や「普通」の枠から外れているとされている人たちが日々いわれのない差別と偏見を受けている……弥一はそんなことも考えるようになりました。 夏樹と夏菜、そしてマイクとともに温泉旅行に行った際には、弥一は彼と同じ風呂に入り、同じ部屋で寝泊まりしました。意識することもなく、弥一はマイクを家族として受け入れ始めていたのです。
【原作漫画】第4巻のあらすじ・ネタバレ
夏菜の担任教師からマイクとの交流が「悪影響になる」と咎められた弥一は、真っ向から堂々と反論。そしてマイクのことを「私の弟の配偶者で、あの子の叔父です」と言い切ります。 そうして、弥一はマイクが持参した涼二の写真をようやく見ることができました。マイクとの結婚生活の中で、見たこともないほど楽しそうに笑っている涼二。弥一の口からは自然と「素敵な式だね」という言葉が出ていました。 そこでマイクは、実は日本に来た理由は涼二の願いを叶えるためだと告白。涼二は弥一にマイクを結婚相手だと紹介し、家族だと認めてほしかったのだと。弥一は「すでに家族だ」と答えます。別れの日、弥一はマイクに「さよならのハグ……していいかな?」と自ら歩み寄ったのでした。
2018年には実写ドラマ化
ドラマ『弟の夫』は全3回で、2018年3月にNHK BSプレミアムで放送。大きな反響を受けて同年5月にはNHK総合でも放送されました。主人公の弥一を演じたのは佐藤隆太で、マイク役には元力士の把瑠都がキャスティングされています。 原作で描かれたLGBTQのテーマをしっかりとなぞりつつ、心温まるホームドラマに仕上がっています。異なる国や文化に対する嫌悪感や無理解から脱却し、互いを“知る”ことで理解は深められるという重要なメッセージがきちんと伝わってくる作品です。
ドラマのキャスト
折口弥一役/佐藤隆太
主人公の折口弥一は妻の夏樹と離婚し、一人娘の夏菜を育てているシングルファーザーです。双子の弟・涼二がゲイだとカミングアウトした時に正面から受け止めず、その後カナダへ渡ったまま会えずに亡くなったことを後悔しています。 演じたのは、「海猿」シリーズや「ROOKIES」シリーズで知られる佐藤隆太。NHKでは他にも、2019年後期の連続テレビ小説『スカーレット』に草間宗一郎役で出演しています。
マイク・フラナガン役/把瑠都
マイク・フラナガンは涼二の結婚相手であるカナダ人男性。礼儀正しい穏やかな性格で、日本文化が大好きなため日本語も日常会話ができます。夫の兄である弥一に「家族」として認めてもらうために来日しました。 演じたのは、エストニア出身の元力士・把瑠都(ばると)。引退後はタレントや格闘家として活動していましたが、政治家を志して2018年に帰国し、2019年にはエストニア議会の総選挙で当選して議員となっています。
平田夏樹役/中村ゆり
平田夏樹は弥一の元妻で、離婚した後も弥一と夏菜のことを気にかけています。マイクがゲイであることはすんなりと受け入れており、深く考えがちな弥一に対してはストレートなアドバイスを与えたりしていました。 演じたのは、2007年の映画『パッチギ! LOVE&PEACE』でヒロインのキョンジャ役を務めた中村ゆり。2020年には『今夜はコの字で』で、37歳にして民放連ドラ初主演を果たしています。
『弟の夫』に海外の反応は?
『弟の夫』は2018年にアメリカの漫画賞「アイズナー賞」の翻訳出版アジア部門で最優秀賞を受賞。英紙「ガーディアン」のレビューでも好感触を得て、海外の反応も肯定的なものが多かったようです。 特に評価されたのは、日本とカナダとの文化の違いをLGBTQの観点から描いていて、日本の現状と日本人側の視点を知ることができたというもの。 作者の田亀源五郎はエロティックなゲイ漫画で有名ですが、この作品は誰もが読めるホームドラマというジャンルで描かれていることも高評価のポイントです。
『弟の夫』原作漫画のあらすじ・ネタバレを最終話まで紹介
田亀源五郎のLGBTQをテーマにした漫画『弟の夫』。NHKで実写ドラマ化もされ、多くの人がこの作品に触れる機会も増えました。ぜひ原作漫画とともにドラマも鑑賞し、LGBTQや異文化への理解を深めていきたいですね!