『六人の嘘つきな大学生』結末までネタバレあらすじ＆感想！映画化もされる話題作を考察！

超人気のIT企業への最終選考に挑む就活生6人が、波乱のグループディスカッションを繰り広げる『六人の嘘つきな大学生』。 そんな本作は、徐々に明かされる登場人物の真実と過去が見どころです。 ここからは結末までのあらすじネタバレやストーリー考察、電子書籍サービス・コミックシーモアの詳細を紹介していきます。 漫画のネタバレはこちら 原作のネタバレはこちら

超人気企業、株式会社スピラリンクスの最終選考に残った波多野、嶌、久賀、袴田、矢代、森久保の6人は説明会終わりにファミレスで懇親会を兼ねた話し合いを行っていました。 最終選考の内容はグループディスカッション。内容次第では全員内定の可能性もあると聞かされ、全員合格しようと誓い合った6人。しかしその日の夜、スピラから面接内容の変更メールが届きます。 新たなディスカッションの議題は、最も内定に相応しい人を自分たちで決めるというもの。しかも内定者は話し合いで決められた1人だけだというのです。 そして始まった最終選考、6人は多数決で内定者を決めるという流れに。しかし学生たちの過去の罪が書かれた告発文が見つかり、話し合いは大きく拗れていきます。

自分宛の封筒に入っていたのは他人の悪事が書かれた告発文でした。その結果、話し合いの中心にいた袴田、久賀、矢代の黒い過去が明らかに。一同は告発文を用意した犯人捜しを始めます。 面接のために用意されたカメラの映像によって、部屋に封筒を持ち込んだのが森久保だと判明。続行される多数決の中で、波多野、嶌の2人に票が集まっていきます。 そして最後の投票前に告発文が用意できるのは波多野だけだと発覚し、嶌が内定を勝ち取るという形で面接は終了するのでした。 それから8年後。波多野の訃報を聞かされた嶌は、彼の妹から「犯人、嶌さんへ」と書かれた手紙を受け取ります。思いがけない内容に困惑する嶌。というのも当の嶌はずっと波多野が犯人だと思っていたようで……。

『六人の嘘つきな大学生』の原作の結末までをネタバレを含めた感想で紹介してきます。見出しの()は漫画の対応巻数を示していますので漫画を読む際の参考にしてみてくださいね。それでは結末までの感想を見ていきましょう。

2011年の日本、東日本大震災からしばらく経って大学4年生は就職活動へと本腰を入れていました。そんな中、若者に人気のSNSを開発したことで大企業へと成長した株式会社スピラリンクスは、就活生たちの人気の的です。 そして立教大学に通う波多野祥吾は、そんな注目の企業の最終選考に残った6人のうちの1人。最後の選考内容はグループディスカッションで、内容次第では6人全員採用するとのこと。1人ではなく全員……。若干怪しいけど。 その後波多野は、想い人の嶌衣織、リーダーシップの取れるイケメン・九賀蒼汰、ムードメーカー・袴田亮、海外企業に詳しい矢代つばさ、天才肌の森久保公彦たちと交流を深めます。

完璧なチームワークでグループディスカッションの準備を進める6人。全員合格しようと意気込みますが、突如スピラリンクスから選考内容変更のメールが届きます。 そこにはディスカッションの議題を「6人の中で誰が最も内定に相応しいか」に変えるという内容が記されていました。採用を1人に絞るとは、ずいぶん酷い後出しですね……。 メンバーと距離が空いたまま迎えた最終選考当日。波多野の案で30分ごとに投票をおこなって、票数が多かった人が採用することが決定します。 話し合いが開始する中、嶌が部屋に置いてある封筒を発見。九賀が中を確認すると、そこには袴田が高校時代に部員を自殺に追い込んだという告発文が書かれており……。

封筒には袴田の告発だけでなく、「久賀蒼汰の写真は、森久保公彦の封筒の中に入っている」という文章が。2回目の投票で票が入らなかった森久保は、全員の封筒を開けるよう指示。必死に止めようとする波多野の努力も虚しく、封筒が開けられます。 そこには九賀が女性を妊娠・中絶させたという告発文が書かれていました。そして森久保の封筒で、矢代が高校時代にキャバ嬢だったという過去が明かされます。そんな中、封筒を置く森久保の姿が監視カメラに捕らえられていました。 疑心暗鬼が続く中、波多野が封筒の開封を止めたことで他の5人に指示され始めます。しかし告発写真がいつ撮られたのかが明らかになり……。

議題は「犯人がいつ写真を撮ったのか」という内容に。そして「犯人は選考に影響が出ないように自分の告発だけ弱いものにしているのではないか」と意見が出ます。アリバイを確認していく中で、波多野だけが唯一無実を証明できるものがありませんでした。 波多野の告発内容は未成年飲酒。他の者と比べて小さい罪だったため、5人は波多野が犯人だと決定づけます。この瞬間、波多野は犯人が誰であるか気付きますが打開する術はありません。誰かにはめられたってこと……？ 投票の結果、告発の内容が空だった嶌が内定を勝ち取ります。そして最終選考から8年の時が流れるのでした。

スピラリンクスで働いている嶌のもとに、波多野の妹から連絡が入ります。なんと波多野は病気で亡くなり、嶌へ手掛かりを残していたのです。妹から渡されたのはUSBと謎の鍵。 嶌は真犯人の正体を明かすために、かつての仲間である4人に会いに行くのでした。しかし解決のヒントとなるようなものは一切浮かんできません。独自に調査しているということは、やっぱり嶌は犯人ではないのか……？ しかし波多野が写真を撮ることは、移動時間を考えると不可能であることが判明。さらにとある人物には本当はアリバイがなく、他の就活生を脅していたことに気付きます。

真実を知った嶌は、真犯人のもとに向かいます。嶌を待っていたのは九賀でした。5人を陥れたのは九賀だったのですね……。まったく予想できませんでした。 九賀はSNSを使って、5人の弱みを集めていたのです。そして人事のフリをして森久保に封筒を渡し、封筒を開封する順番も調整。しかし彼の目的は内定を勝ち取るためではありません。 九賀は優秀な友人がかつてスピラリンクスの面接を受けて選考で落とされたことで、企業そのものに疑問を抱いていました。そして嘘に塗り固められた選考と就活生に嫌気が差し、就職活動自体に復讐しようと考えたのです。

最終選考編では、嶌が犯人であるような描写が多くありました。さらにあたかも他の5人が悪人のように表現されていましたが、この時点で真犯人を除く就活生は新たな人生を歩み始めています。 悪人と錯覚させる技法として、矢代が優先席に座るシーンや九賀が車いすマークの所に車を停めていた部分が挙げられます。しかし実際は足の障害を持つ嶌を気遣っての行動だったのです。 そして嶌が2019年に仲間たちへとインタビューをおこなう描写でも、4人が悪人であるように描かれています。さらに告発の事実も異なっており、袴田はイジメをしておらず森久保も詐欺グループに加担していないことが明かされました。 真犯人以外の4人は、本心から嶌を気遣っていたのです。

最終選考にて唯一アリバイがないことが発覚した波多野。そして封筒から出てきたのは、未成年飲酒をしている写真でした。周りから見て相対的に弱いタレコミをされたこともあり、他の5人は波多野を犯人と確定させます。 しかしそのとき波多野は、「あのときのあれは僕に対する宣戦布告だったのだ」と頭の中で考えていました。「あのときのあれ」とは、6人が顔合わせをしてしばらく経った飲み会でのこと。 波多野は九賀に、酒が飲めない嶌に無理やり飲ませたことを問い詰められていました。しかし実際に嶌が飲んでいたのは、ブドウ味のジュースデキャンター。波多野たちは酒を強要していませんでしたが、最後の最後まで九賀は勘違いしていたのです。

本作は序盤の日常パートから中盤の最終選考編に至って、ありとあらゆるところに伏線が貼られています。しかしミスリードが良い仕事をしており、真実を上手く隠しているのです。 そのためグループディスカッションの様子を見ていると、明らかに嶌が悪人のように感じます。どして徐々に明かされていく真実。すべてを知ったときに1ページ目から読み返すと、6人のイメージがガラッと変わります！

『六人の嘘つきな大学生』は、2022年12月に漫画化されています。オリジナル要素を交えつつ、書籍では表現しきれなかったキャラクターたちの視線や表情などが事細かに描かれているのです！原作書籍を読んだ後でも、新たな目線で楽しめますね。 そして2022年6月には舞台化もされており、登場人物に声や動きがプラスされました。 さらに本作は映画化が決定しています。詳細は不明ですが、2024年に公開される可能性が高いとのこと。本屋大賞にノミネートされた作品ということで、多くの人から注目を集めています。 本屋大賞受賞作では『博士の愛した数式』や『そして、バトンは渡された』などが映画化されているので、本作も期待できますよね！

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