映画『変な家2』は公開される?原作の謎やラストをネタバレ解説
人気YouTuber・雨穴の動画を原作に映画化された『変な家』(2024年)。間宮祥太朗演じる売れない動画クリエイターと佐藤二朗演じる設計士が、不可解な間取りの秘密に迫るミステリーです。 「変な家」シリーズには、描き下ろし小説『変な家2 〜11の間取り図〜』(2023年・飛鳥新社)という続編があり、こちらも映画化されるのか気になるところ。 この記事では、小説『変な家2 〜11の間取り図〜』のネタバレ解説と映画化の可能性を紹介していきます。
小説『変な家2』の概要・あらすじ!映画化はされるのか?
タイトル | 『変な家2 〜11の間取り図〜』 |
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著者 | 雨穴 |
出版年 | 2023年 |
出版社 | 飛鳥新社 |
「変な家」の動画を投稿した筆者のもとに、彼の動画を見たという女性から連絡が入ります。彼女が言うには自分の実家もおかしな間取りだったので、筆者に見てほしいとのこと。早速間取り図を見た雨穴は「行き先のない廊下」に注目します。 さまざまな事情のある11軒の家の間取りを調べていくうち、筆者は驚くべき1つの真実にたどり着きます。
『変な家2』は映画化される?
間宮祥太朗を主演に迎え、設計士の栗原を佐藤二朗が演じた映画『変な家』は、興行収入50億円を超えるヒットを記録しました。そのため、続編の可能性は大いにあると言えるでしょう。 『変な家2 〜11の間取り図〜』を原作に新たな家の謎に迫り、2人のバディ感を再び楽しむことが期待できるのではないしょうか。小説「変な家2」では、140ページ以上におよぶ栗原の圧巻の推理が展開されており、そのシーンの映像化も観てみたいですね。
【ネタバレ】原作小説『変な家2』の結末までのあらすじ解説
資料①行き先のない廊下
根岸という女性の実家には、どこにもつながっていない廊下があり、その謎を調べてほしいと筆者に依頼が。 筆者は最初、その廊下の先にもう1つ部屋があったのではと推理しますが、栗原のアドバイス通り建設会社に尋ねると、廊下の先はもともと玄関になる予定だったことがわかります。家の建設中にその場所で交通事故が起き、玄関の場所を変更したというのが真相でした。 さらに母親の遺品から片腕と片脚のない木彫りの人形を見つけたという根岸は、母が根岸の部屋を取り壊せないかと建設会社に相談していたことを知ります。
資料②闇をはぐぐむ家
あるとき、特殊清掃員の飯村から話を聞いた筆者。飯村が担当した1軒は、16歳の少年が、祖母、母親、弟の3人を殺害したという場所でした。 「ヒクラハウス」という建築会社によって建てられたプライベートな空間がまったく無い間取りの家。そこから祖母を殺したのは少年ではなく、母親ではないかという可能性が浮上します。
資料③林の中の水車小屋
1940年に出版された、『明眸逗留日記』という本からの抜粋が記されます。 宇季という女性は、叔父の家から少し離れた場所で水車小屋を発見。その小屋には、水車を回すと壁が移動し、人が1人入れるほどの窪みが現れる仕掛けがありました。 その窪みの外には祠があり、水車小屋は罪人を閉じ込めるためのものだったのではないかと推測されます。
資料④ネズミ捕りの家
33歳の会社経営者・早川は、中学生のころ友達になったミツコちゃんの家に泊まりに行ったときのことを語ります。ミツコちゃんは「ヒクラハウス」社長の娘で、家は豪邸でした。彼女はそこに祖母と2人で生活していたとのこと。 早朝、ミツコちゃんに起こされ、トイレに行こうと廊下に出た2人。そこで祖母に会いますが、祖母はトイレの前にある階段から転落。2日後に亡くなりました。
資料⑤そこにあった事故物件
中古物件を買った平内さんは、そこが80代の女性が亡くなった事故物件だったことを知ります。さらに筆者とともに調査を進めると、むかしその土地を収めていた梓馬家の当主が1938年に首を吊っていたことがわかりました。 筆者はこの家は『明眸逗留日記』にあった水車小屋を増築したものではないか、と思い当たります。
資料⑥再生の館
1994年、ある週刊誌に「再生のつどい」という宗教団体への潜入記事が掲載されました。教祖は左腕と右脚のない聖母様。 「再生の館」の建物は、聖母様の姿を型どったものでした。不思議な構造の館では、参加者が全員で横になって寝るという不思議な修行をしていたようです。 参加者には、「ヒクラハウス」の社長もいました。
資料⑦おじさんの家
9歳の三橋成貴くんが書いた日記。 彼は母親からネグレクトされ、ときどき「おじさん」の家に連れて行かれていました。そこでは美味しいものが食べられましたが、家の形が奇妙で、変な人形が置かれていたとのこと。 あるとき彼は、金髪の男と母親に無理矢理おじさんの家から連れ出されます。その後は物置小屋で放置され、栄養失調で亡くなりました。
資料⑧部屋をつなぐ糸電話
笹原さんは子どものころ、同じ間取りの家が立ち並ぶ住宅地で暮らしていました。夜眠れないときには父が糸電話で話してくれました。 ある日、隣の家の家の奥さんが焼身自殺を図り、火事になります。その後、父は家を出ていき、離婚しました。 成長して懐かしく家を見ていると、糸電話の糸が長すぎることに気がつきます。笹原さんは、父は隣の家から話していたのではないか、奥さんの死に関係しているのではないかと考えます。 さらに父の遺品を整理していたところ、三橋成貴くんの写真が出てきました。
資料⑨殺人現場へ向かう足音
火事があった松江家への取材。松江さんは父が母を殺したと考えていました。 父と母は普段仲が悪かったのに、火事のあった日は父が母の部屋に行ったといいます。その後、父は火事だといい、松江さんを外へ連れ出しました。松江さんは母の遺体は押入れの中で見つかったため、父の犯行としか思えないと言います。
資料⑩逃げられないアパート
現在、息子の満さんと居酒屋を経営している西春さん。以前は見張り付きのアパートに住み、売春をしていたといいます。そのアパートには、外出するときは自分の子どもを隣人に預け、隣人の子どもを連れて行かなければいけないという奇妙なルールがありました。 あるとき隣人のヤエコさんが自分の息子と出かけたとき交通事故に遭い、彼女は右脚を切断することになってしまいます。 ヤエコさんはもともと左腕がありませんでしたが、ヒクラという男に気に入られ、アパートを出ていきました。
資料⑪一度だけ現れた部屋
入間さんは幼いころ1人で家にいたとき、普段はないところに扉があるのを見つけました。なかの部屋は半畳ほどで、なにか恐ろしいものがあったとしか思い出せません。 2022年に栗原に相談し、一緒に実家を見ることになります。なんとか部屋を発見し扉を開けると、中には左腕と右脚のない木彫りの人形がありました。 そこで入間さんは、むかし両親がなにかの宗教に入れ込んでいたことを思い出します。
栗原の推理
すべての出来事は「再生の館」を中心に起こっていました。 教団は信者たちに罪を清めるために、聖母様の子宮を模した部屋で眠ることを求めていました。信者はそのために自宅を改装し、工事を請け負っていたのは「ヒクラハウス」。会社は教団と癒着していたのです。 笹原の父は松江の母と不倫していました。ある日部屋に行くと、松江の母親は笹原の子を身ごもったために自殺していました。松江の父親は、証拠隠滅のために家を燃やします。 「再生のつどい」入信の条件は、親の罪によって生まれた子どもがいること。三橋成貴くんは笹原の隠し子でした。根岸の母も、聖母様を型どった家にするため、家を改築しようとしていたのです。西春家で売春をしていたのは母の明美ではなく、息子の満でした。 聖母様の正体は、ヒクラに引き取られたヤエコさんだったのです。
『変な家2』は映画化される可能性大!公開に期待
映画『変な家』がヒットしたため、同じ作者の『変な家2』は制作される可能性は高いです。原作でも登場する間取りは11個と、前作と比べてかなりスケールアップしているので、映画としても見応えのあるものになるはず。 楽しみに待ちましょう!