『ザ・ノンフィクション』名作3選!最高傑作を振り返ろう【2024年最新版】
さまざまな人間ドラマを追いかけ、その時代に生きる日本人の心を描くドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』。1995年にスタートしてから2024年現在までに、1,000本以上のエピソードが放送されています。 本記事では、『ザ・ノンフィクション』の最高傑作とも言える名作を厳選し、3本紹介していきます!
ゲーム芸人・フジタの悲しすぎる生い立ち
『あの日 僕を捨てた父は ~孤独な芸人の悲しき人生~』
2023年9月に前編・後編の2回にわたって放送され、大きな反響を呼んだエピソードです。壮絶な生い立ちが視聴者に衝撃を与え、「神回」とも呼ばれました。 小さなアパートで大量のゲームソフトに囲まれて暮らしている、45歳独身のゲーム芸人・フジタ。彼は幼い頃に母親を亡くし父親と2人で暮らしていましたが、小学2年生にしてひとり暮らしをはじめざるを得ませんでした。 父がフジタの同級生の母親であるシングルマザー・朱美と恋愛関係になり、家を出ていってしまったのです。 それから約35年たち、フジタは恨み続けた父と再会します。自分が死んだら全財産をフジタに渡すという父は様子がおかしく、診断の結果「認知症」になっていました。 そこでフジタは、かつて自分を捨てた父と同居し介護することを決意します。認知症に加えて足腰も弱った父は、1人でトイレに行くのも困難でした。加えてお金に異常な執着を見せるようになっていた父は、目を離すと、今も内縁関係を続ける相手の女性にお金を渡そうと1人で出かけてしまうのです。 この同居生活で、初めて父の思いを知ることになったフジタ。彼はなぜ、かつて自分を捨てた父親に寄り添い、同居することに決めたのでしょうか。
借金450万円を抱える地下アイドルの人生
『しっくりくる生きかた』
2016年7月に『だから、アイドル。~TOKYO不思議の街の住人たち~』というドキュメンタリー番組で放送されたエピソードです。 身体は男、心は女であるという「きらら」は、38歳で地下アイドルを始めました。大学卒業後は職を転々とし、あることが原因で450万円もの借金を抱えてしまったきらら。 現在は過酷な解体現場で働きながら格安の風呂なしアパートに住み、鳥のエサなどに用いられる「くず米」を主食とする極貧生活を送っています。 そんなきららが38歳にしてようやく見つけた“しっくりくる”居場所は、小さなライブハウスのステージの上でした。そんな矢先、事故に遭い意識不明の状態で救急搬送される事態に。仕事を失い、借金が返せないと焦った彼女がとった行動は……。 きららの1年半を追ったドキュメンタリー映像は、どん底の地下アイドルとしての衝撃的な私生活と生い立ち、それでも「しっくりくる」という感性を大切にして自分の人生を生きようともがく姿が捉えられています。 放送後は「見ていて複雑な感情になった」とネット上で大きな話題となり、きららはバラエティー番組『人生逆転バトル カイジ』(2017年)にも出演しました。
さまざまな事情を抱えた子供たちの「平成の駆け込み寺」
『おじさん、ありがとう ショウとタクマと熱血和尚』
2019年6月に放送され、「米・NYフェスティバル2020 ドキュメンタリー・宗教部門・銅賞」や「2020日本民間放送連盟賞・最優秀賞」をはじめとする数々の賞を獲得したエピソードです。 愛知県岡崎市の山の中にある小さなお寺・西居院は、かつて「平成の駆け込み寺」と呼ばれていました。住職の廣中邦充さんが子供たちを無償で預かっており、非行やいじめ、虐待などの理由で親元で暮らせなくなった子供たちの「居場所」だったのです。 西居院にやってきたショウは非行グループに属する少年で、バイクの窃盗を繰り返し、13歳で少年鑑別所に送致される寸前。兄貴分のタクマも「九州の中学生ヤクザ」の異名を持つほど典型的なヤンキーでした。 廣中さんは子供たちから「おじさん」と呼ばれ、彼らの精神的な支えとなっていました。しかしステージ4の肺がん、そして脳への転移が明らかになります。 西居院で思春期を過ごしたショウとタクマ、そして病と闘いながら最期まで子供たちに手を差し伸べる熱血和尚の11年間の記録。お寺の食費はなんと月50万円です。無償で子供たちを引き取り、どんな子供にも一人一人向き合い、決して諦めることなく更生へ導いていく和尚さんの凄さにグッときます。
『ザ・ノンフィクション』の名作&最高傑作は涙なしでは見られない
ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』は、その時代に生きる人々の心を映してきました。 ネット上では「ハズレ回」と「当たり回」があるとも言われがちです。気になった方は本記事で紹介した名作&最高傑作の3本からチェックしてみてくださいね!