漫画『制服の恋情』ネタバレあらすじ＆感想！身代わり花嫁の甘く切ない大正ロマンス

『制服の恋情 身代わり結婚ノスタルジア』は、大正時代を舞台にした恋愛漫画。従姉妹の身代わりとして警察官の元に嫁いだ主人公が、次第に夫と心を通わせていく物語です。 この記事では、本作のネタバレと感想、ストーリーの見どころを詳しく紹介します。さらに作品がお得に楽しめる方法についても解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

呉服屋の娘・鈴は、従姉妹である美弥子の身代わりにお見合いをすることになりました。 見合いの席で「美弥子」と名乗り、挨拶を交わす鈴。見合い相手の桐生宵(しょう)は、警察官をしていると言います。警察に苦い思い出がある鈴は宵の職業を聞いて動揺しました。しかし、親が決めた結婚のため断ることもできません。 10歳年上の宵と結婚した鈴は、彼とろくに会話を交わさないまま初夜を迎えます。行為が始まると、子作りのためだけのセックスに嫌悪感を抱いていることがバレてしまいました。彼女の気持ちを察した宵は強引に抱くのをやめて、会話を交わし互いのことを知りながら身体を慣らそうとします。

結婚生活が始まったある日、鈴の元に差出人不明の手紙が届きます。送り主は従姉妹の美弥子で、彼女の近況を知らせる内容でした。 鈴の両親は老舗の呉服屋を営んでいましたが、流行病に倒れて10歳のときに他界。その間、呉服屋を手伝っていた叔父夫婦が店を継ぐことになりました。鈴は叔父から女中として働くよう強要されますが、美弥子だけは彼女のことを気にかけます。 その後、縁談が決まった美弥子は密かに恋仲だった祥太郎と駆け落ちしました。鈴は叔父から叱責されることを覚悟のうえで、2人の駆け落ちを黙って見送ります。娘の駆け落ちを知った叔父は怒り出し、「お前が今日から美弥子になれ」と鈴に命じました。

漢字が読めない鈴は、宵から漢字を教わることになりました。毎晩遅くまで一緒に過ごすうちに、心の距離も縮まっていきます。 宵の非番の日、2人は街へ出かけることに。今まで街中を出歩くことがなかった鈴は、無邪気にはしゃぎます。宵は彼女が迷子にならないよう手をつなぎました。大きな手に繋がれながら歩いているうちに、鈴は彼のことを意識し始めるのです。 今まで「美弥子は寡黙な箱入り娘」という噂を耳にしていた宵は、実際の印象と違ったと口にします。鈴は彼に失望されたのかと青ざめますが、「明るく元気なところは君の長所だ」と言われました。宵との会話を交わしながら、鈴は自分の正体を一生隠し通そうと心に決めます。

デートを終えた夜、鈴は宵と身も心も結ばれます。行為の最中、「美弥子」と呼ばれたことが悲しくなり、思わず泣き出しました。宵のことが好きだと自覚した鈴は、全てを告白して懺悔しようと考えます。 一方、宵は鈴に隠しごとがあると察していました。彼女が泣いている理由は追求せず、「俺は嘘をつかれることが嫌いだと覚えていてくれ」と告げます。宵は友人に裏切られた経験があり、嘘をついて誤魔化されるのは嫌だと話しました。 この先もずっと嘘をつき通す自信がない鈴。宵との関係が終わる前に愛の証を残したいと思い、彼に恋文を書いてもらいました。そんなある日、美弥子から届いた鈴宛ての手紙が宵にバレてしまい……。

鈴の嘘が宵にバレてしまい、「なぜ嘘をついていた」と責められます。財産目当てなのかと疑われ、駆け落ちした美弥子の身代わりになった経緯を話すことに。しかし、叔父の家で女中扱いされていたことは黙っていました。 宵は「今後について考える時間をくれ」と言い、彼女と距離を取ります。鈴は2人の関係が壊れてしまったと悟りました。その後、宵は鈴の過去を調べ、彼女の戸籍が死亡扱いになっていることを知ります。 一方、鈴は書き置きを残して家を出ました。彼女が出て行ったことに気づいた宵は後を追います。孤独に生きていた鈴は、ずっと自分の居場所を求めていたと気づいたのです。

全てを失った鈴は行く当てもなく、雨の中を彷徨い歩きます。宵とはじめてキスを交わした思い出の場所で立ち尽くしていると、彼が追ってきて鈴を抱きしめました。 鈴は「行く場所がなかった」と涙ながらに訴えます。彼女は7年もの間、家の外に出してもらえず、頼れる人もいませんでした。宵は彼女を追い詰めたことを謝罪し、2人で家に戻ることに。 その後、鈴は改めて宵に自分の過去を説明しました。彼女の話を聞いた宵は、「何も知らずに酷いことを言ってしまった」と謝ります。2人はお互いの気持ちを確かめ合い、夫婦として共に歩むことを誓い合ったのです。

本作の見どころは、主人公の鈴が従姉妹の身代わりとして結婚するシチュエーションです。 結婚相手の宵は、物静かな警察官。最初は冷たい印象を受けましたが、彼の優しさを知り、次第に惹かれていきます。 しかし、宵から「美弥子」と呼ばれるたびに、罪悪感に襲われ悲しみを抱くのです。本当の名前は「鈴」なのに、真実を打ち明けることができず、自分の名前を呼んでもらえない彼女の境遇が切なくなります。果たして身代わり婚の行方はどうなるのか、2人の関係から目が離せません！