漫画『狂四郎2030』ネタバレあらすじ＆感想！狂気にまみれた世界で紡がれる力強く純粋な愛の物語

漫画『狂四郎2030』は男女が隔離された終末世界で、インターネットを通して出会った男女が命がけで愛を貫こうとする姿を描いた近未来SF作品です。 この記事では本作のストーリーを第5巻までネタバレ込みで解説していきます。作品の見どころや配信中の電子書籍サービスについても紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

舞台は人口の爆発的増加により食糧難に陥り、核ミサイルを使用した第三次世界大戦が起こった近未来の地球。80%の人類を消滅させた大戦終結から5年が経ち、日本に住む狂四郎は空を警護するヘリ巡査としてパトロールの日々を送っていました。 そんなある日、天才科学者の脳を移植された犬・バベンスキーと出会った狂四郎は、彼に勃起不全を治してもらおうと思い立ちます。 狂四郎が結ばれたいと願っているのはバーチャル世界の女性・志乃。戦後国家の管理政策により男女が隔離されたこの世界では、生身の男女が交わる機会は失われていたのです。狂四郎はVRマシンを通し、本気で志乃に恋をしていました。 その様子を見ていたバベンスキーはバーチャルとは思えない志乃の言動から、現実世界に彼女が存在していると考えます。そしてついに彼女が政府の電子管理センターで働くプログラマーだと突き止めたのです。

バベンスキーの活躍により、バーチャル世界を通して結ばれた狂四郎と志乃でしたが、2人が現実世界で会える可能性は皆無。さらに志乃が無理やり大臣である赤堀と結婚させられるという事件が起こります。 大臣の監視下に置かれ、バーチャル世界ですら狂四郎と繋がれなくなってしまった志之。一方の狂四郎も突然彼女が消えてしまい、精神的に不安定になっていきます。そして生きて帰れる見込みはないと理解しながらも、志乃に会うため政府の施設へ向かって旅立ったのでした。 旅の途中、狂四郎がM型遺伝子異常と呼ばれる特別なDNAを持った人類だと言うことが判明します。別名国家反逆病とも言われる遺伝子異常で、そのために狂四郎は幼いころから強制的にあらゆる戦地へと送り込まれてきました。

軍からやってきた美青年・八木少将に気に入られてしまった志乃。八木のおかげで大臣の監視が緩くなり以前よりもずっと生活しやすくなりました。さらに志乃は狂四郎が自分を救いに向かってきていると気が付き、その時のため体を鍛え始めます。 一方、一見爽やかな好青年のように見えた八木でしたが、実は女性に対する執着心が異常に強く、その矛先は志乃に向かっていました。そして完璧な遺伝子を持つ自分のパートナーとして相応しい人間にするため、M型遺伝子を持つ志乃に遺伝子組み換え手術を受けさせようと企みます。 志乃は八木の異常性に気が付きながらも、脱出に利用するため良好な関係を築こうとしましたが……。

あまりのおぞましさに耐えかね、ついに八木を拒絶してしまった志乃。しかし彼女の行動は結果的に八木を改心させるきっかけとなってしまい、この日を境に彼の態度が変わり始めます。 このまま八木が良い人になってしまったら、いざという時に彼を殺せないかもしれない……。そんな志乃の揺れ動く気持ちを察しながらも、狂四郎には彼女を諦めるという決断はできませんでした。 狂四郎の脆くて繊細な一面を知った志乃は決意を新たに、脱出計画を実行する日を決めます。しかしその矢先、八木が狂四郎が実在する人間だということを突き止めてしまいました。 そして怒り狂った八木は逃亡を手助けするフリをして、女に飢えた囚人たちが労働を強いられている農園に志乃を置き去りにしたのです。

助けを求めざる終えない状況に追い込み、結果的に志乃を支配することに成功した八木。そして自らの手で始末するため、狂四郎の元へと向かったのでした。 福島の廃神社でとうとう相まみえた狂四郎と八木。人間離れしたDNAを持つ八木に追い詰められた狂四郎でしたが、志乃との固い絆が支えとなり、見事勝利をおさめます。 その後、八木の死によって志乃は再び下級プログラマーとして管理センターへ戻ることに。脱出計画は再び1からのスタートになってしまいました。 一方、食糧を求め新たな警備地区へとやってきた狂四郎は、残飯とともに廃棄された1人の女性を拾います。そして初めて生身の女性に触れ、戦闘を叩き込まれた幼少期のことを思い出すのでした。

本作の見どころは何と言っても、主人公・狂四郎の超人的強さです！次々とやってくる強敵たちをバッサバッサとなぎ倒していく姿はまさに痛快。緊迫感溢れるバトルシーンがとにかくかっこよくて痺れますよ！ その一方で、スケベで泣き虫という実に人間らしい一面も兼ね備えている狂四郎。圧倒的な強さの裏に精神的な弱さが垣間見え、その不完全な人間味が逆に魅力となって読者の心を強く惹きつけます！