2024年10月21日更新

【ネタバレ】映画「破墓(パミョ)」あらすじ結末で何があった?韓国発ホラーを徹底解説

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破墓 パミョ
(C)2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

韓国で2024年No.1大ヒットを記録したオカルト・ホラー『破墓(パミョ)』が、日本でも10月18日から公開されました。この記事では、本作のあらすじをネタバレありで詳しく紹介し、重要なポイントを解説・考察していきます。

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映画「破墓(パミョ)」のあらすじ

公開年 2024年10月18日
メインキャスト チェ・ミンシク , キム・ゴウン , イ・ドヒョン , ユ・ヘジン
監督 チャン・ジェヒョン

韓国で1,200万人を動員し、7週連続で1位を獲得して2024年No.1の大ヒットを記録したオカルト・ホラー『破墓(パミョ)』。チェ・ミンシクをはじめ、キム・ゴウン、ユ・ヘジン、イ・ドヒョンといった豪華キャストが集った話題作です。 巫堂のファリム(キム・ゴウン)は高額の報酬が出る依頼を受け、弟子のポンギル(イ・ドヒョン)とともにいわくつきの墓を祈祷することに。金の匂いを嗅ぎつけた風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)も合流しますが、掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていました。

【ネタバレ】映画「破墓(パミョ)」の結末までのあらすじ

【起】大富豪からの奇妙な依頼

巫堂のファリム(キム・ゴウン)と弟子のボンギル(イ・ドヒョン)は、アメリカに住む富豪パク一族からの依頼でロサンゼルスを訪れます。跡継ぎが代々謎の病にかかっている理由を探るというもの。ファリムは話を聞くとすぐにその原因が先祖の墓にあると見立て、墓を移す改葬を勧めます。 帰国したファリムは知り合いの風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)のもとを訪ね、協力を仰ぎました。4人は一族の先祖の墓へ調査に行きますが、そこは縁起の良い土地・明堂ではなく悪地。長年の勘からサンドクはその地に不吉なものを感じて依頼を断ります。 しかし病に苦しむ一族を助けたいファリムが、同時に「テサルお祓い」の儀式を行えば改葬が出来ると説得し、結局依頼を受けることになりました。

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【承】いわくつきの墓!改葬とお祓いの儀式

破墓 パミョ
(C)2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

「絶対に棺を開けずにそのまま火葬すること」という奇妙な依頼を受け、先祖の墓の前でテサルお祓いの儀式を始めたファリムとボンギル。激しい祈祷が行われる中、墓を掘り返す「破墓(パミョ)」が始まります。棺を霊柩車へ乗せて慎重に火葬場へ運ぶ一行。 ところが急な豪雨に遭い、火葬を取りやめて近くの病院に一時保管することに。その霊安室で棺が勝手に開けられてしまい、その瞬間「何か」が飛び出してファリムは失神してしまいます。 飛び出した「何か」は先祖の悪霊で、一族の跡継ぎを次々と襲い始めます。依頼者のジヨン(キム・ジェチョル)も襲われ、憑りつかれた状態で首を折られて死亡。棺の火葬を急ぎ、肉体を焼くことで悪霊を消滅させ、孫の命は助けることができたのでした。

【転】先祖の悪霊の次は鬼武者の精霊?

安心したのも束の間、今度は破墓をした後の穴で蛇を殺した作業員が祟られてしまいます。祟りを鎮めるため、もう一度破墓をした墓地に赴いたサンドク。そこで、掘り返した墓穴のさらに下に「重葬」した棺を見つけます。 それは尋常でない大きさで、何かが封じ込められている様子。近くの寺に保管させてもらい、すぐに改葬する手配を始めますが、気付いた時には中にいた「何か」が飛び出して寺の住職を襲った後でした。その正体は日本の武将の精霊で、ボンギルが襲われたファリムをかばって瀕死の状態に陥ります。 その精霊は、日本の陰陽師ムラヤマが「朝鮮民族の精気を断ち切るため」に“国の腰(中心)に打ち込んだ”鉄杭を守るためのものでした。精霊の存在を隠すため、その上に国の高官だったパク一族の先祖の棺を重葬したのです。

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【結末】緊迫怒涛のラスト!風水師VS鬼武者

悪鬼のごとく人の肝を食らう鬼武者は、火の玉になって元の墓地へ戻りました。ボンギルは危篤のままで、巫堂のグァンシム(キム・ソニョン)とジャヘ(キム・ジアン)に守られていますが、鬼武者に操られた状態。サンドクたちは身を守る逐経を全身に書いて、鬼武者と対峙するため墓地へ向かいます。 ファリムたちが撒いたアユにつられて出てきた鬼武者。ファリムが時間を稼いでいる間に、サンドクたちが鉄杭を抜くという計画です。しかし墓穴の中をいくら探しても鉄杭は見つかりません。 その間もファリムは鬼武者と対話を続け、彼が関ヶ原の戦いで死んだ武将であり、ムラヤマによって南山からここへ移されたことを知ります。鉄杭は見つからず、鬼武者は火の玉になって墓穴に戻り、サンドクの目の前へ!絶体絶命のサンドクでしたが、風水の陰陽五行の教えによって、最強の武器となる「水に濡れた木」で鬼武者を倒すことに成功しました。 瀕死だったボンギルとサンドクも回復し、無事に平穏を取り戻した4人。サンドクの娘の結婚式に笑顔で参列するのでした。

【解説】韓国に根付く巫堂(ムソク)と明堂(ムーダン)とは?

本作の主人公であるファリムとボンギルは、韓国社会に深く根付いている民間信仰「巫俗(ムソク)」の中心的存在である巫堂(ムーダン)。巫堂はいわゆるシャーマンで、厄払いから病気の治癒まで行う韓国人にとっては今も身近な存在です。 一方サンドクは風水に基づいて家や墓の地相をみて明堂を選り分ける風水師で、陰陽五行に精通している「地官」と呼ばれる職業。地官も吉兆を占うという意味では巫堂に近い存在であり、ファリムとサンドクはビジネスパートナーでもあります。納棺師で葬儀屋のヨングンも、仕事柄サンドクとは古い付き合い。 明堂(ミョンダン)も韓国社会に古くから根付く文化で、家や墓を建てるのに縁起の良い場所とされる土地のこと。巫俗と同じように生活の中に溶け込んでいる文化なのです。 本作を観る上で知っておきたい韓国文化の知識は多く、他にも韓国は土葬の風習が根強いことや、改葬や重葬といった明堂が絡んだ習わしがあることも頭に入れておきましょう。

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【考察】鉄杭事件と抗日運動

劇中で「キツネがトラの腰を切る」という言葉が出てきますが、キツネとは陰陽師ムラヤマのこと。朝鮮半島の形をトラに見立てた際に腰の部分に当たるのが「国の中心」で、パク一族の先祖の墓がある場所です。つまりムラヤマが国の腰を鉄杭で打ち、朝鮮民族の精気を断ち切ったということを主張しています。 実はこの鉄杭の件は、1985年から1990年代に実際に韓国で起こった「鉄杭事件」が元になっているようです。日本による植民地支配の時代に、風水を使って朝鮮半島の明堂を調べて“朝鮮民族の精気を断ち切るために鉄杭を打ち込んだ”と信じられ、それを抜いていこうという運動が起きたのです。 いまや都市伝説と化した話ではありますが、その当時は国を挙げての抗日運動となったようで、地官が明堂を調べて次々に鉄杭を取り除いたとか。本作が韓国で大ヒットを記録したことを考えると、いまだ都市伝説を信じ、抗日運動の歴史に高揚感を覚える人々も多いということでしょうか。

映画「破墓(パミョ)」の感想・評価

破墓
破墓』の総合評価
3.5 / 2人のレビュー
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30代男性

知識不足で度々置いていかれそうになったものの、前半と後半でサスペンス・スリラーからオカルト・ホラーにジャンルチェンジする感じが面白かった。お祓いの儀式が異様にリアルで迫力があった。

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40代女性

チャン・ジェヒョン監督といえば「プリースト」でキリスト教、『サバハ』で仏教・新興宗教と宗教観強めな作品が多く、今回は巫堂によるオカルトで挑んできた。ツッコミどころ満載の後半の展開に日本人がどう反応するのか結構気になるところ。

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映画「破墓(パミョ)」をネタバレ解説・考察でおさらい

日本人にはあまり馴染みのない韓国文化満載のオカルト・ホラー『破墓(パミョ)』。文化や背景を知ってから観るとどんな感想が生まれてくるのか、ある意味興味深い作品かもしれません。気になった人はぜひ劇場で!