Netflix韓国映画『大洪水』難解なストーリーをネタバレ解説!母がくだす最後の選択とは?
2025年12月19日からNetflixで配信が開始され、注目を集めている韓国映画『大洪水』。洪水が襲ってくるパニック映画かとおもいきや、中盤から全く違うテイストになる斬新な映画です。 この記事では映画『大洪水』についてネタバレ解説&考察を紹介します。
『大洪水』作品概要・あらすじ!パニック映画ではない?【ネタバレなし】
| タイトル | 『大洪水』(原題:대홍수) |
|---|---|
| 公開日 | 2025年 |
| 監督 | キム・ビョンウ |
| キャスト | キム・ダミ , ペク・ヘス |
| 配信 | Netflix |
2025年12月19日からNetflixで配信が開始された韓国映画『大洪水』。「THE WITCH」シリーズのキム・ダミが主演を務め、大洪水に見舞われた大型マンションを舞台に、母子の必死の脱出劇が描かれます。 6歳の息子と2人で暮らすアンナがある朝目を覚ますと、窓の外は大洪水で3階にある自宅も浸水していました。アンナは息子を連れて逃げる決意をしますが……。 迫力ある映像のディザスター映画かと思いきや、中盤から急激にジャンル変化する斬新さに、称賛と困惑の声が集まっています。
『大洪水』結末までネタバレ!中盤のどんでん返しに注目
【起】高層マンションを襲う大洪水
シングルマザーのアンナは、6歳の息子ジャインと2人で暮らしていました。ある朝、ジャインに起こされたアンナは、住んでいるマンションが洪水で沈み始めていることに気がつきます。 慌てて逃げようとする彼女のもとに、勤務先からヘリで救助に行くと電話が。アンナはジャインを連れてマンションの屋上を目指しますが、パニックになった人々が階段に殺到し、屋上への行列は動く気配がありません。 そんななか、彼女たちを救助するためにセキュリティチームのソン・ヒジョという男が現れます。彼の誘導でアンナたちは屋上に向かいますが、ジャインが言う事を聞かず、彼女を困らせます。
【承】アンナとジャインの正体
そんななか、ジャインの体調が急に悪化し、アンナは慌てて見知らぬ人の家に飛び込み、彼にオレンジジュースを飲ませます。それを見たヒジョは「データで復活させればいい」と言いました。ジャインは人造人間なのです。 アンナは人工知能研究所で「感情エンジン」の研究開発をしていました。彼女は人間の感情を再現するために人造人間の赤ん坊を作り、育てながら感情を構築していく実験をしていたのです。 しかし大洪水によって今の人類が滅亡し、「新人類」を生み出すにあたって感情エンジンを完成させなければいけませんでした。そのためにアンナは救助され宇宙へ。ヒジョは使い捨てにされ、殺されてしまいます。
【転】シミュレーションの開始
しかしアンナたちを乗せて飛び立った宇宙船は、小惑星の欠片と衝突し破損。迫りくる危機のなか、アンナは自分が実験台となり、「母性」の構築を行うことを決断し自身の記憶をデータとして抽出します。 母性を構築する方法は、子どもを隠し母親に探させるというもの。ジャインを探すアンナは失敗するたびに記憶を消され、あの大洪水の朝を何度も何度もくり返します。しかしその過程で彼女は自分が記憶の断片を取り戻し、自分が実験台になっていることを思い出します。 そして実験が2万回を超えたあるとき、プログラムの一部であるヒジョにその事を話し、協力してジャインを見つけることに成功するのでした。
【結末】母・アンナの選択と人類の未来
アンナがジャインを見つけたことで感情エンジンが完成しました。しかしアンナはジャインと一緒にいることを選びます。 セキュリティチームに追われるなか、アンナはジャインに「追いかけるから、先に行って」と水に飛び込ませます。チームの追跡を振り切り、水に飛び込んだアンナはジャインがアンテナにしがみついているのを発見し、彼のもとへ。アンナは「一緒に潜ろうか」と声をかけ、2人は大波の中へと消えていきました。 完成した感情エンジンを使って、アンナとジャインの姿をした新人類が誕生しました。2人は洪水のおさまった地球に戻ることになります。
難解なストーリーを解説!Tシャツの数字の意味とは
【解説①】感情エンジンとは?
アンナが勤める人工知能研究所では、「新人類」の開発を行っていました。「肉体」を作ることはすでに可能になり、AIで「知能」も再現できます。しかし最も再現が難しかったのが人間の「感情」。それを可能にするため、アンナたちのチームは「感情エンジン」を開発していました。 人造人間の赤ん坊を人間が育てることで、成長に伴って感情を生み出すことに成功。しかし「母性」を生み出すためには、アンナは自分を犠牲にした過酷な実験を行う必要がありました。
【解説②】アンナのTシャツの数字の意味
アンナが地球を脱出した後、実験として大洪水の朝をくり返すたびに、彼女が来ているTシャツの数字が増えていきます。この数字は、それが何回目の実験かを表しています。 数字は「491」、「4007」、「13417」と増えていき、最終的には「21499」になります。2万回以上の実験を経て、アンナは感情エンジンを完成させたのでした。
【解説③】息子・ジャインの行動
実験の間、ジャインは何度もアンナを困らせる行動をくり返します。これは実際の人間の子どもがそうであるというのと同時に、アンナの行動や母性を試すテストでもありました。 一方で、ジャインは「僕はなぜずっと6歳なの?」と言うなど、アンナより先に、これがくり返し行われている実験であることに気づいていたような言動も見せます。
アンナの選択が意味するものは?伝えたいことを考察
最終的に、アンナは新人類の未来よりもジャインを優先する決断をします。これは彼女の母性の強さを表すのと同時に、皮肉にも感情エンジンを完成させ、新人類の誕生に大きく貢献することになりました。 アンナはジャインを探す経験をくり返すうちに次第に母性を強くし、実験の後半ではジャインだけでなくエレベーターに閉じ込められた少女を助けたり、妊婦の出産を手伝ったりしています。 アンナは経験によって「母性」を学習していったのです。
『大洪水』登場人物・キャストを紹介
ク・アンナ役/キム・ダミ

人工知能研究所に務めるアンナは、6歳の息子ジャインと2人で暮らしています。 アンナを演じるのは「THE WITCH」シリーズや『ソウルメイト』(2024年)などへの出演で知られるキム・ダミです。本作で初めて母親役を演じました。
ソン・ヒジョ役/パク・ヘス

アンナとジャインの救助に来たセキュリティチームのソン・ヒジョ。 ヒジョを演じるパク・ヘスは、2021年に『イカゲーム』で主人公の幼なじみを演じ、注目を集めました。
ジャイン役/クォン・ウンソン

アンナの息子で6歳のジャインは、お絵かきと水泳が好きな元気な男の子です。 演じたのは2014年生まれのクォン・ウンソン。本作で映画デビューを果たし、本作と同じキム・ビョンウ監督の『全知的な読者の視点から』にも出演しています。
『大洪水』は母と子の絆を描いた壮大なSF映画!
一見、大迫力のディザスター映画のようですが、実際は硬派なSFである『大洪水』。アンドロイドに感情を組み込むというストーリーの映画は数多く存在しますが、本作は「感情は学習によって獲得できるのか」がテーマとなっています。 複雑な物語ではありますが、一見の価値ありです!

