2025年1月14日更新

『天久鷹央の推理カルテ』シリーズの読む順番は?それぞれのあらすじ内容までネタバレ解説

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天久鷹央の推理カルテ

2025年1月からスタートしたアニメも好評を博し、改めて注目を浴びている人気小説「天久鷹央(あめくたかお)の推理カルテ」シリーズ。 この記事では、そんな本作の概要やあらすじなどについて徹底解説!これまでに刊行された作品の読む順番など、本シリーズをしっかり楽しむための重要情報も紹介していきます。 ※この記事は「天久鷹央の推理カルテ」シリーズの重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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『天久鷹央の推理カルテ』シリーズの概要

天久鷹央の推理カルテ

2014年10月から新潮文庫nexより刊行がスタートした「天久鷹央の推理カルテ」シリーズ。2023年10月からは、既刊に書き下ろしなどを加えた完全版が実業之日本社文庫より刊行開始。2025年1月14日現在も完結しておらず、これまでに計18作発売されています。 作者は『となりのナースエイド』や『硝子の塔の殺人』などで知られる知念実希人。表紙イラストは「涼宮ハルヒ」シリーズや「灼眼のシャナ」シリーズでおなじみの、いとうのいぢが担当しています。 本シリーズは超人的な知能を持つ女医・天久鷹央を主人公に据えた、医療ミステリー作品です。魅力的なキャラクターや予想を裏切る驚きのストーリーで人気を博し、漫画やアニメなど様々なメディアに展開しています。

『天久鷹央の推理カルテ』シリーズの読む順番

刊行順

『天久鷹央の推理カルテ』 2014年10月1日 ※完全版は2023年10月6日
『天久鷹央の推理カルテII ファントムの病棟』 2015年3月1日 ※完全版は2023年11月9日
『天久鷹央の推理カルテIII 密室のパラノイア』 2015年6月1日 ※完全版は2023年12月8日
『スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ』 2015年9月1日 ※完全版は2023年11月9日
『天久鷹央の推理カルテIV 悲恋のシンドローム』 2016年2月1日 ※完全版は2024年1月13日
『幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ』 2016年9月1日 ※完全版は2023年12月8日
『天久鷹央の推理カルテV 神秘のセラピスト』 2017年3月1日 ※完全版は2024年2月5日
『甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ』 2017年11月1日 ※完全版は2024年1月13日
『火焔の凶器 天久鷹央の事件カルテ』 2018年9月1日 ※完全版は2024年2月5日
『魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ』 2019年9月1日 ※完全版は2024年3月7日
『神話の密室 天久鷹央の推理カルテ』 2020年9月1日 ※完全版は2024年3月7日
『久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ』 2021年9月1日 ※完全版は2024年4月5日
『生命の略奪者 天久鷹央の事件カルテ』 2022年9月1日 ※完全版は2024年4月5日
『吸血鬼の原罪 天久鷹央の事件カルテ』 2023年10月6日
『羅針盤の殺意 天久鷹央の推理カルテ』 2024年2月5日
『絶対零度のテロル 天久鷹央の事件カルテ』 2024年4月5日
『猛毒のプリズン 天久鷹央の事件カルテ』 2024年10月4日
『呪いのシンプトム 天久鷹央の推理カルテ』 2024年12月6日

本シリーズは刊行された順番に読んでいくのがおすすめです。上記の表はこれまで刊行された計18作品を、発売日の順に並べたもの。上から読んでいけば、天久鷹央の活躍をしっかり楽しむことができますよ。 ちなみに、2024年12月12日にはルビのふり直しや挿絵の追加をおこなった、『天久鷹央の推理カルテ ジュニア版 カッパの秘密とナゾの池』が発売されています。「大好きな鷹央の活躍を子供にも楽しんで欲しい!」という方におすすめしたい1冊です。 ここからは、各作品のあらすじを解説していきます。気になる作品があった方は、是非とも本編をチェックしてみてください。

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①『天久鷹央の推理カルテ』

天医会総合病院理事長の次女にあたり、当病院の統括診断部部長を務める天久鷹央。子供のような幼い容姿をしていますが、能力の高さは業界内でもトップレベル。驚異的な記憶力や計算力を持ち、その天才的な知能で「診断困難」とされる患者の病気を次々に看破していきます。 そんな彼女のもとには、病気以外にも様々な謎が舞い込むことに。本作にはカッパを目撃した少年が現れる「泡」、夜勤中の看護師が人魂を見つける「人魂の原料」、中絶した女性が体内に胎児の存在を感じる「不可視の胎児」、鷹央が過去の診断を訴えられる「オーダーメイドの毒薬」の計4編が収録。 ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「蜜柑と真鶴」が追加されています。

②『天久鷹央の推理カルテII ファントムの病棟』

本作は主に3つのエピソードで構成されています。 「甘い毒」には自身が飲んだ炭酸飲料に「毒が盛られていた」と語るトラック運転手が登場。「吸血鬼症候群」ではとある病室で見つかった輸血パックから、「吸血鬼の存在」が匂わされることに。その真相で語られる、予想外の病名にあなたもきっと驚くはず。 そして、本シリーズのなかでも屈指の名エピソードとして知られる「天使が舞い降りる夜」。小児科を舞台にした、切なくも感動的なストーリーです。また、完全版には書き下ろし掌編「ソフトボールと真鶴」が収録されています。

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③『天久鷹央の推理カルテIII 密室のパラノイア』

本作は主に3つのエピソードで構成されています。 「閃光の中へ」では「呪いの動画」にまつわる、何とも不思議な物語が展開。謎解きは意外な方向に進んでいきますが、その答えが腑に落ちるひとも多いはず。「拒絶する肌」では、とある「不思議なアレルギー」が取り上げられています。 そして、「密室で溺れる男」では鷹央の相棒とも言うべき部下、小鳥遊優(たかなしゆう)との別れがチラつくことに。鷹央は彼の異動を防ぐため、原因となった「ある医師の容疑」を晴らすべく奔走します。完全版には書き下ろし掌編「小鳥遊先生、さようなら」が追加収録されました。

④『スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ』

本作はシリーズ初の長編作品となっています。 こちらは鷹央と小鳥遊の出会い、そして2人が初めて挑んだ事件を描いた本編の前日譚。作中でもたびたびその存在が匂わされていた、「宇宙人に洗脳された男による殺人事件」が描かれています。摩訶不思議な事件を調べていく過程で、鷹央たちはとある「宗教団体」の存在に辿り着くことに。 2人は潜入調査を試みますが、その先にはいったいどんな真実が待っているのでしょうか。読み応え抜群の1冊です。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「白い粉の秘密」が収録されています。

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⑤『天久鷹央の推理カルテIV 悲恋のシンドローム』

本作は主に3つのエピソードで構成されています。 「迷い込んだ呪い」には呪いや超能力者が登場し、科学VS超常現象という予想外の構図に。鷹央はこの事件にはっきりと「診断」をつけることができるのでしょうか。「ゴミに眠る宝」ではまさかのゴミ屋敷の調査に挑戦!?一見すると医療に関係なさそうですが、ここにもしっかり医療要素が登場します。 そして「瞬間移動した女」では、予想外のトリックを使った事件が描かれることに。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「想いよ届け」も収録されています。

⑥『幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ2作目の長編作品。 鷹央に憧れを抱いている研修医・鴻ノ池舞。彼女が盲腸の手術を終えた後、なんと担当の麻酔科医が突然苦しみ出し死亡してしまいます。その空間は完全なる密室で、居たのは舞と被害者のみ。この状況から、舞は容疑者としてと疑われることに。彼女はこのピンチを打破しようと、鷹央に助けを求めます。 鷹央と小鳥遊は調査の過程で、手術室前で起きた「透明人間騒ぎ」へ行きつきました。麻酔科医殺害事件には、この「透明人間」が深く関わっているのでしょうか。鷹央は少しずつその真実へ迫っていきます。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「鴻ノ池の笑顔」が追加収録されました。

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⑦『天久鷹央の推理カルテV 神秘のセラピスト』

本作は主に3つのエピソードで構成されています。 「雑踏の腐敗」では「人混みで体が腐りだす」という、なんとも異様な現象が登場。この事件の裏に科学的な裏付けはあるのか、その結果に驚かされるエピソードです。「永遠に美しく」には奇妙なほどの若返りを見せる女性が登場します。 そして「聖者の刻印」では白血病に苦しむ少女の「とある痛み」が描かれることに。鷹央の成長なども感じられる、印象的な内容になっていました。完全版には書き下ろし掌編「詐欺師と小鳥遊」が収録されています。

⑧『甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ3作目の長編作品。 都内近郊で巻き起こった連続女性絞殺事件。過去に起きた事件と似通った手口、さらに現場に残されたDNAなどからすぐに犯人が割り出されるのですが……。なんと、その容疑者は4年前に死亡したはずの人物。死者が甦って殺人を犯したとしか思えない奇妙な事件だったのです。 その犯人は警察を嘲笑うかのように、犯行をエスカレートさせていきます。鷹央はこの謎を解決することができるのでしょうか。天才医師とシリアルキラーの頭脳戦を描く、非常にシリアスな作品です。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「鷹央の恋人?」が収録されています。

⑨『火焔の凶器 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ4作目の長編作品。 複数の大学が協力して調査を進めていた、陰陽師に連なる謎多き呪詛師・蘆屋炎蔵。彼の墓を調べていく過程で、研究者たちが次々体調不良となり、そのうえ自然発火により焼死する人物まで出てしまいます。果たしてこの不可解な事件の裏には、いったい何が隠れているのでしょうか。 鷹央はこの人体自然発火現象を様々な角度から探り始めます。スリル満載な事件パートはもちろん、鷹央と小鳥遊の関係性にも注目して欲しい作品です。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「新しい相棒」が収録されています。

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⑩『魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ5作目の長編作品。 事件の舞台となるのは「人を喰う」と言われている廃病院。ここでひとりの看護師が転落死してしまいます。当初は自殺と推測されていましたが、彼女の娘はそれを強く否定。鷹央は娘の依頼を受け、この事件の調査を始めます。 その過程で彼女は「不可視の魔弾」という難解な謎に衝突。この弾丸の正体は何なのか、廃病院との関係とは。謎が謎を呼ぶ驚きのミステリー、衝撃の伏線回収がたまらない作品です。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「幽霊と鴻ノ池」が収録されています。

⑪『神話の密室 天久鷹央の推理カルテ』

本作は主に2つのエピソードで構成されています。 「バッカスの酒」ではお酒などないはずの閉鎖病棟で、なぜか泥酔してしまう作家が登場。果たして彼はどうやって飲酒を繰り返しているのか。そして「神のハンマー」ではキックボクシングの王者がリング上で死ぬ怪事件が描かれることに。衆人環視のなか、チャンピオンはどのように命を奪われたのか。 閉ざされた病棟と多数の人々に囲まれたリング。形の違う2つの「密室」事件の真相に鷹央が迫っていきます。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「後輩、朝霧明日香」が追加収録されました。

⑫『久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ6作目の長編作品。 この物語の中心となるのは、15年以上前にアイドルとして活躍していた楯石希津奈(たていしきづな)。なんと彼女はアイドル時代と全く変わらない、時間が止まったかのような外見をしていたのです。その謎を突き止めるため、鷹央が調査に乗り出します。 するとその過程で、ミイラ化した遺体の発見、さらに自殺からの復活など不可解な現象が多発。物語は「不老不死」という壮大なテーマを背景に予想外の決着へ突き進んでいきます。本シリーズの中でも、特に評価が高い作品のひとつ。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「天国への道」が収録されています。

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⑬『生命の略奪者 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ7作目の長編作品。 物語の肝になるのは臓器移植。作中では死者から摘出された移植用臓器の強奪事件が発生し、鷹央が務める病院でもとある女性の腎臓が奪われることに。カメラの映像などから病院外に持ち出されていないと推測されましたが、鷹央は別の推論を立て臓器の居場所を探り始めます。 彼女はその過程で「臓器移植ブローカー」「エジプトの太陽神」など、予想外の情報とぶつかることに。命を冒涜するようなこの事件の真相は、いったい何なのでしょうか。ちなみに、完全版には書き下ろし掌編「生命の摂食者」が収録されています。

⑭『吸血鬼の原罪 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ8作目の長編作品。 作中で描かれるのは、3箇所で起きた不可解な殺人事件です。どの被害者も血が抜かれ、首には2つの傷痕が。それはまるで吸血鬼に噛まれたかのようでした。捜査一課の刑事から相談を受けた鷹央は、この事件の真相解明に向けて動き始めます。 すると、被害者は全て外国人だったこと、そして「研修生」という立場で働いていたことが判明。現在の社会問題にもふれた、重厚なストーリーになっています。

⑮『羅針盤の殺意 天久鷹央の推理カルテ』

本作は主に3つのエピソードで構成されています。 「禁断の果実」には、決まった時期に肝炎にかかる少年が登場。中学時代は発症しなかったものの、なぜか高校生になって再発するという奇妙な症状を訴えます。「七色の猫」では、鷹央が青色の野良猫を拾うことに。色を塗られた猫に隠された真相に迫っていきます。 そして「遺された挑戦状」では、鷹央が自身の師にあたる医者の死亡事件と対峙。不可解な死にまつわる、難解なトリックに挑んでいきます。

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⑯『絶対零度のテロル 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ9作目の長編作品。 まだ夏の暑さが続く9月の夜、当直をしていた小鳥遊のもとに身元不明の男性が搬送されてきます。なんと、その人物の死因は凍死。こんな熱帯夜に、いったい何が起きたというのでしょうか……。鷹央はこの死体の謎に迫っていきますが、そこから日本全土に関わる途轍もない事件に巻き込まれてしまいます。 第2の凍死死体の発見や、テロを企てるカルト集団の登場。壮大なスケールで描かれる、本シリーズ屈指の超大作となっています。

⑰『猛毒のプリズン 天久鷹央の事件カルテ』

本シリーズ10作目の長編作品。 この物語では、なんと鷹央自身が容疑者として疑われてしまいます。舞台になるのは山奥のとある洋館。そこで鷹央を待っていたのは、計算機工学の天才からの「最後の依頼」でした。この謎に取り組み始めた矢先に殺人事件が起こり、現場は大きな混乱に見舞われます。 鷹央は真相に辿り着き、自身にかけられた嫌疑を晴らすことができるのでしょうか。数々の謎が絡み合うミステリアスな物語です。

⑱『呪いのシンプトム 天久鷹央の推理カルテ』

本作は主に3つのエピソードで構成されています。 「水神の祟り」では、そのタイトル通り「水神の祟りが自身を殺そうとしている」という女性が登場。彼女は精神科に通っていたのですが、この発言の真相はいったい何なのでしょうか。「闇に光る」は「友達が化け猫と入れ替わってしまった」と主張する小学生が話の中心になります。 そして「透過する弾丸」では、小鳥遊が尊敬する先輩の死に関する謎が描かれることに。癌で死んだはずの先輩の頭蓋骨には、なんと弾丸で撃たれたような跡が。死体が語る不可思議な謎に迫っていきます。

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アニメ『天久鷹央の推理カルテ』2025年1月より放送開始!

2025年1月からスタートしたアニメ『天久鷹央の推理カルテ』。毎週水曜日24時30分からTOKYO MXなどで放送されているほか、U-NEXTNetflixなどの各種配信プラットフォームでも視聴できます。 本作で天久鷹央の声を担当するのは、『僕のヒーローアカデミア』の麗日お茶子役などで知られる佐倉綾音。鷹央の部下にあたる小鳥遊優の声は、『文豪ストレイドッグス』の芥川龍之介役でおなじみの小野賢章が担当しています。その他にも立木文彦水樹奈々など豪華キャストが勢揃い! 声優陣の名演やスリルあふれるストーリーが魅力的な、2025年冬アニメの注目作となっています。

人気拡大中の『天久鷹央の推理カルテ』!今後の展開にも注目

アニメや漫画など、様々なメディアに展開している小説「天久鷹央の推理カルテ」シリーズ。 原作は現在も刊行中で、数多くのファンが最新作のリリースを心待ちにしています。今後さらに人気が拡大していけば、映画化や実写化の可能性もありそうです。これを機に本作をチェックし、その唯一無二の面白さを味わってみてはいかがでしょうか!