2020年11月9日更新

『青のオーケストラ』の魅力をネタバレ解説!高校オケ部を舞台にした青春群青劇に共感の嵐

青のオーケストラ サムネイル

高校オケ部を舞台とした青春を描く音楽青春マンガ『青のオーケストラ』を徹底解説!吹奏楽部あるあるネタから作中の使用楽曲、コンクールの気になる結果まで。ネタバレありで話題作の魅力や見どころを詳しく紹介します。

目次

『青のオーケストラ』はリアルな高校オケ部を描いた青春活劇!話題作の魅力をネタバレ解説

『青のオーケストラ』は阿久井真(あくいまこと)が描く、オーケストラ部をテーマとした音楽青春マンガです。高校生の人間関係や部員同士が切磋琢磨する様子がリアルにみずみずしく描かれ、なかでも絵で表現される音の迫力が見事。楽器経験者を中心に話題となっている作品です。 とある理由からヴァイオリンをやめていた主人公・青野一(あおのはじめ)は、ヒロインとの出会いをきっかけに再びヴァイオリンを弾き始めることに。そして2人は強豪のオーケストラ部を抱える高校へ入学。ハジメはライバルや憧れの先輩との出会いを経てオーケストラに魅了されていくのでした。 アニメ化を希望するファンが続出している本作の魅力やストーリーを、この記事ではネタバレありで解説します。

『青のオーケストラ』の登場人物

青野一(ハジメ)

青野一は本作の主人公。幼い頃からヴァイオリニストである父から英才教育を受け、その腕前は各コンクールを総なめするほど。しかし中学1年を最後に、父の不倫報道が原因でハジメは楽器をやめてしまいます。 海幕高校では1stヴァイオリンに。ライバル・佐伯との出会いもあり、再び演奏に没頭していくように。普段はおとなしい性格ですが、楽器を持つとその音色で雄弁に語ります。

秋音律子

秋音律子(あきねりつこ)はハジメの中学の同級生で、正義感が強く気の強い性格の女の子。友人・ハルとの約束を果たすために中3からヴァイオリンを始めます。 彼女は音楽をやめていたハジメが再びヴァイオリンを手にとるきっかけを作った人物。高校では2ndヴァイオリン所属となり、ハジメも驚く集中力で短期間で実力をつけていきます。

佐伯直

佐伯直(さえきなお)はハジメがオケ部で出会う同学年のライバル。12歳で日本にやってくると頭角を現しはじめ、ハジメと入れ替わる形でコンクールを総なめした実力者です。 彼はドイツからの帰国子女で、少し天然なところもある掴みどころのない人物。実力の拮抗するハジメにとって佐伯は良きライバルであり、ときにコンプレックスを刺激する存在でもあります。

小桜ハル

小桜ハルは秋音の親友。彼女はそのおとなしく遠慮がちな性格から中学時代いじめにあっており、それが原因で転校した過去を持っています。オケ部では1stヴァイオリンに所属。 幼い頃からヴァイオリンをやっており、コンクールでハジメと言葉を交わしたことがあります。彼女はそのときの約束を今でも大切にしており、高校でのハジメとの再会に特別な感情を抱いている様子です。

原田蒼

原田蒼(はらだそう)はハジメ入部時の3年生でオケ部のコンサートマスター。ハジメが憧れている先輩です。彼は奏者として高い技術を持つだけでなく、コンマスとして演奏や言動でオケ部をまとめ上げています。 特に汗を滴らせながら笑顔で演奏する彼の姿は多くの部員や観客を魅了。不思議な包容力と爽やかさで大所帯を引っ張る実力者です。

魅力その1:現実のオケ部がモデル!つい共感してしまうリアルな部活あるある

本作の舞台となる千葉県立海幕(うみまく)高校のモデルは、千葉県立幕張総合高等学校。同校のシンフォニックオーケストラ部は何度も全国1位を獲得している強豪校です。作中登場する斬新なデザインの校舎も、モデルとなった幕張高校に似ています。 作者が同校への取材の末生まれたのが『青のオーケストラ』。実在するオケ部がモデルとなっていることもあり、作中には吹奏楽部あるあるが満載です。 顧問が指揮をとる際の得も言われぬ緊張感や、顧問の厳しい指導。ハードな練習で新入生が減っていくところや、演奏メンバーに選ばれるための厳しいオーディション。パート間でのいざこざもあるあるです。 かっこいい先輩の楽器になりたいという盛り上がり方も、オケ部や吹奏楽部ならでは。こういった共感できるシーンは読者に親近感を抱かせてくれます。

魅力その2:使用楽曲は名作揃い!アニメ化が期待できそうな迫力のある“音”の表現

本作を語るうえで欠かせないのが演奏シーンです。まるでコマから音が聴こえてきそうなシーンが多く、読んでいると実際どんな音なのか聴いてみたくなります。登場する楽曲もクラシックの名曲ぞろい。ここではその中から特に印象的な3曲を紹介します。

「G線上のアリア」(バッハ)

『新世紀エヴァンゲリオン』をはじめアニメでも使用されることの多い「G線上のアリア」は、律子とハルの中学時代の思い出の曲として登場します。この曲は中学で仲良くなった律子に、ハルが初めて弾いて聴かせた曲です。 中学時代ハルはいじめにあっていました。当時の出来事は2人の心の奥にわだかまりとなって残っていましたが、ある日2人はお互い本音をぶつけあいます。和解後ハルは律子にリクエストされてこの曲を演奏することに。 静かなメロディが2人の関係を印象的に浮かび上がらせるシーンです。

交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク)

オケ部定期演奏会のメイン曲として用意されたのが「新世界より」です。メイン楽曲はオーディションで演奏メンバーを決めるというのがオケ部のルール。このオーディションを通じてハジメは自身の足りないものや、オーケストラの魅力に気づいていきます。 ドヴォルザークが「新世界」を目にした興奮や故郷への想いは、オーケストラに触れたハジメや帰国子女として日本にやってきた佐伯に通じる部分があり、本作全体のテーマ曲とも言える楽曲です。

「四季」(ヴィヴァルディ)

「四季」は定期演奏会で演奏した楽曲。原田がソロを務め指揮者はなし、3年を中心とした弦楽器の伴奏で演奏されました。引退を控えた3年生たちによる、置き土産とも言える1曲です。 原田の存在感が際立つ楽曲であると同時に、最高学年である3年生たちの思い出や誇りが映像となって見えてくるような演奏シーンとして描かれています。

魅力その3:複雑な人間関係も“リアル”、青野と秋音は恋愛関係に発展するのか?

ハジメたちが部活に青春を賭ける姿がリアルな本作。部内での人間関係の描写も、部活を経験したことのある人なら思わずあるあると頷いてしまうでしょう。 男女が共に活動する部活では恋愛関連のネタもつきもの。本作では恋愛色はあまり全面に押し出されていませんが、思春期を描くうえで恋は欠かせない要素でもあります。 青野に想いを寄せている様子のハルですが、ハジメはそれに気が付いていないようです。またハジメと秋音の距離も近いようでいてあまり進展がありません。 オケ部に入ってハジメは人間としても大きく成長中なので、そういった姿に秋音が異性として彼を意識しはじめることもありそうです。今後部活や進路の悩みに加え、ハジメの恋愛模様がどう描かれていくのかも注目したいですね。

ネタバレあらすじその1:オーディション編「俺を見ろ!」

定期演奏会のメイン曲「新世界より」はオーディションで演奏メンバーを決めます。ハジメの1stヴァイオリンはオーディションで約半数に絞られる計算です。顧問の鮎川が火を付けたこともあり全力でオーディションに挑むハジメの演奏は、全身で「俺を見ろ」と叫んでいました。 その演奏は思わず鮎川に指揮を振らせるほど。このオーディションの結果ハジメは第2プルトの表、コマス原田の真後ろの席を得ます。第2プルトの裏は佐伯で、ハジメは今回の演奏で佐伯よりも評価される結果となったのです。 しかしハジメを呼び出した鮎川は、今後の演奏次第で2人を入れ替える可能性があること、2人が次期コンマス候補であることを伝えます。

ネタバレあらすじその2:佐伯の父親は実は……!?4巻で明かされた衝撃の事実

ハジメが中学時代ヴァイオリンをやめたのは、父親のヴァイオリニスト青野龍仁(りゅうじ)の不倫が原因です。両親が離婚後もハジメは母親を苦しめた父親とヴァイオリンを切り離して考えることができず、次第にヴァイオリンからも離れていきました。 そんな胸の内を明かしたハジメに対し、佐伯も話したいことがあると切り出します。それは佐伯の父親が青野龍仁だという衝撃の事実でした。 12歳までドイツにいた佐伯は当時日本のヴァイオリニストの演奏を気に入っており、それが青野龍仁だったのです。そして彼の母親は彼が佐伯の父であると明かしたのでした。4巻のラストで2人が異母兄弟であることが判明します。

ネタバレあらすじその3:波乱の新チームスタート!大会の結果は?

3年生の引退後オケ部は新体制へ。コンマスはダンス部と兼部していたためこれまで出席率が低かった羽鳥へ。各パートリーダーも2年へと交代しますが、雰囲気は決して良いとは言えません。8年連続最優秀賞という成績へのプレッシャーと同時に、2年は進路や人間関係でごたついていきます。 不安なスタートとなったものの、ぶつかり合いながらもコンクールに向けて動いていく新チーム。そして55話からついにコンクールでの演奏がスタートします。演奏曲「バッカナール」を披露するオケ部の心情も描きながら、丁寧に演奏シーンが描かれていき……。 56話でついに結果発表のシーンへ。海幕高校は無事最優秀賞を獲得し、9年連続最優秀賞受賞を達成するのでした。

青春の音が聴こえてくる!アニメ化が待ち遠しい漫画『青のオーケストラ』

オケ部を描く『青のオーケストラ』の魅力やあらすじを紹介しました。本作はマンガを通じて音楽の持つ力を感じさせてくれる作品です。作中には英才教育を受けたハジメや佐伯のような人物以外にも、オケ部に入って楽器をはじめた初心者部員も登場します。 そういった読者にとって身近なキャラの心情も丁寧に掘り下げられている作品なので、きっと感情移入できる登場人物がひとりは見つかるはずです。そしていつの間にかページにあふれる音の洪水に飲み込まれていることでしょう。 マンガでこれだけ豊かな音楽を表現している『青のオーケストラ』は、映像化すればさらに魅力的な作品になるのではないでしょうか。アニメ化して欲しいという声も多いだけに、今後のメディア展開も楽しみな作品です。