【鈴木福×あの】ドラマ『惡の華』制作秘話―春日・仲村それぞれとの共通点とは?
電子コミックを含む全世界累計発行部数325万部を突破した、押見修造による伝説的漫画『惡の華』が、鈴木福さん×あのさんのW主演で実写ドラマ化。2026年4月9日(木)深夜24時00分より、テレ東ほかにて放送がスタートします。 今回、ciatr編集部は主演のおふたりにインタビューを実施。撮影に向けた準備や、それぞれが演じる春日・仲村との共通点、そして本作にかける思いについて語っていただきました。 ※インタビュー取材の模様を撮影した動画コンテンツをYouTubeのciatr/1Screenチャンネルで公開中!
ドラマ『惡の華』作品概要・あらすじ

押見修造の名作漫画「惡の華」を原作に、全世界累計325万部突破の衝撃作が待望のドラマ化。 W主演は鈴木福とあの。閉塞感に苛まれる中学2年生・春日高男は、憧れのクラスメート佐伯奈々子の体操着を盗んだことから日常が崩れ始める。 秘密を握った問題児・仲村佐和に翻弄され、春日は恋と背徳、欲望と純粋さの狭間で自己を見失っていく。思春期の心の闇と歪んだ関係性を描く、衝撃の青春ドラマ。
放送日・配信情報
毎週木曜深夜24時00分~24時30分 テレ東ほか 地上波放送後、「Disney+(ディズニープラス)」にてアジア見放題独占配信
【オファーが来た際の感想】

Q.押見修造さんの原作を読まれた印象とドラマのオファーが来た際のご感想をお聞かせください 福さん 僕はドラマのオファーを先にいただいて、その後に原作を読んだんですが、率直に「ものすごい作品だな」と思いました。「これをやれるのか」という喜びと同時に、「本当に自分にできるのか?」という不安もあって、いろいろな感情が入り混じっていました。 それでも、オファーしていただけたこと自体が本当にうれしかったですし、ドラマで主演を務めさせていただける喜び、そしてそれが多くの方に愛されている作品だということも含めて、すごくありがたいなと感じました。 最初に読んだときは、正直わからない部分もたくさんあって、「どういうふうに捉えていけばいいんだろう」と悩みました。演じるうえでも、そこはかなり考えたところです。でも、読み進めていくうちに、だんだんと自分の中に入ってくるものが増えていって、本当にたくさんの学びを得られた作品だと思っています。

あのさん お話をいただいたときは、まずドラマ化すること自体にすごくびっくりしました。原作は知っていたんですが、その中で仲村さんの役をやってほしいと言われて、「自分にできるのかな?」という不安は正直ありました。 僕はこれまで主演をやったことがなくて、今回が初めてのダブル主演になります。それが『惡の華』だというのは、なにか作品に手を差し伸べられているような気持ちがして。だからこそ、「絶対にやらせていただきたい」と強く思いました。
【お互いの印象】

Q. ドラマで初共演となる鈴木福さんと、あのさん。お互いの印象をお聞かせください 福さん テレビで見ていた印象そのままな部分もありつつ、初日からすごくフランクにいろいろお話しできました。撮影中はふたりでいることも多くて、自然と距離が縮まった気がします。すこし雑な言い方になってしまうんですが、あのさんは「面白い人だな」という印象です。 あのさん (福さんは)本当にたくさん話しかけてくれましたし、僕だけじゃなくて、周りのこともすごくよく見ているなと思いました。クラスメート役のキャストがかなり大人数いるんですけど、「あれ、もう仲良くなってるんだ」と思うくらい、みんなと自然に打ち解けていて。 最初は正直、「鈴木福すげー!」って思っていました。そこから少しずつ、ふたりで仲良くおしゃべりさせてもらうようになりました。
【役との共通点】

Q. 演じた役とご自身の共通点、そして似ていないと感じる部分をそれぞれお聞かせください。
福さん 「どこを切り取って、どう話せばいいんだろう」と思うくらい、春日はこの物語の中で本当にものすごいスピードで成長していく人物なんです。 自己との葛藤や、思い悩む場面もとても多くて、どこを共通点として挙げればいいのか正直難しいなと感じています。

ただ、「自分がどうありたいのか」「何者になりたいのか」といったことを考える部分は、僕自身とも重なるところがあると思います。春日も「普通でいいのか?」と悩んだり、街の中で生きていくことへの不安や焦りを感じながら、それをどう乗り越えていくのかを考えていく。その過程で仲村さんが現れて…… この作品を通してたくさんのことを考え、「こうなっていきたい」「こうでありたい」というものが少しずつ見えてきました。

そういう意味では、春日にとっての仲村さんの存在が、僕にとっての「惡の華」そのものになってきているのかな、と感じることもあります。共通点と言い切れるかは難しいですが、それくらい深く影響を受けた存在です。 一方で、春日は基本的に“やっちゃいけないこと”をいろいろとやってしまう子なんですが、僕はそこまでやってはいけないことを踏み越えられずに生きてきたな、という部分は大きな違いだと思います。語ろうと思えばいくらでも話せるくらい、春日への愛も、この作品への愛も深いですね。

あのさん 僕は昔から、周りに「ちょっと怖い」とか「普通じゃない」と言われるタイプなんですけど、自分としてはむしろ「周りのほうが異常じゃないか?」と思いながら生きてきました。 仲村さんも、激しいとか怖いイメージを持たれがちですが、そういう一面がある一方で、自分の“普通”を大事にして、自分をちゃんと生きている人なんだと思っています。ただただ正直。それはすごく共感できる部分でした。

あと、口が悪いところ(笑)。僕も小さい頃から口が悪くて、小学生の頃にはもうそれなりに口が悪かったので、そこはかなり共感しました。ただ、「うんち人間」とかまでは言わないですけど(笑)。言葉のセンスはすごいなと思いました。 それから、春日に対しての接し方も印象的で「仲村さん、優しいじゃん」って結構思いましたね。僕だったら、そこまで優しくしないかもしれないな、とも思いますし、“優しい”という言葉だけでは言い切れない、いろんな意味を含んだ部分は、仲村さんと自分の違いかもしれないなと思いました。
【役作り】

Q. 役作りにあたって準備されたこと、またおふたりの関係性を構築するために意識されたことをお聞かせください。 福さん 漫画原作の作品なので、まず大前提として、ファンの方々に喜んでいただくことが一番大事だと思っていました。そのためにも、原作をしっかり理解することが必要だと思い、その上で「ドラマだからこそできること」を見つけていきたいと考えていました。 実際に、たくさん原作漫画を読みましたし、かなり考えました。撮影に入ってからも、その繰り返しの日々だったと思います。あとは、ボードレールの『悪の華』をはじめ、春日が読んでいるであろう文学作品を読んだり、そういった準備もしていました。やるべきことは、できる限りやれたかなという感覚はあります。

あのさん 漫画原作ということで、見た目はもちろんですし、声もそのままだと「ちょっと乖離するかな」と思って、声の出し方はできる限り調整しました。 髪型も、普段はパッツンのボブなんですけど、今回はショートカットっぽく、ボブだけどショートにも見えるような、絶妙なところを狙ってもらって。 仲村さんは二次元のキャラクターなので、「完全再現をどこまでできるのか」という難しさはありましたが、その中で一番いいバランスになるように、カットやビジュアルはかなり工夫しました。そうした準備をしつつ、現場では毎日ふたりで、体当たりで向き合っていました。

福さん 今回の作品に関しては、僕たちがものすごく仲良くなって、何でも話せる関係になることが、必ずしも必要な作品ではなかったなと思っています。だからこそ、適度にお互いに気を遣い合っていた部分もありましたし、春日と仲村として、自然とある距離感を保っていたんじゃないかなと、今振り返って思います。 お互いに言葉にしなくても察し合っていた、という感覚に近いかもしれません。春日と仲村って、一緒にいて根元では強くつながっている部分があるけれど、じゃあ単純に「仲がいいか」と言われると、また少し違う。不思議な関係性なんですよね。僕たち自身も、その関係性に近い距離感で撮影していた気がします。
【ドラマの注目ポイント】

Q. ドラマを楽しみにしている方へメッセージをお願いします。 福さん ドラマ『惡の華』は全12話、制作チームも僕たちキャストも、本当に魂を込めて全力で作りました。最初の印象だけで言えば、「あのちゃんに僕がどうのこうのされているな」くらいの感覚で、ラフに見てもらってもいいと思います(笑)。 でも、その奥にはいろいろなものが渦巻いていて、そこがこの作品ならではの魅力だと思っています。 その魅力が少しでも皆さんに伝わればいいなと思って、一生懸命向き合いました。ぜひ最後まで見ていただけたらうれしいです。 あのちゃんにいろんな言葉を浴びせられたり、いっぱい脱がされたりもしていますので、そのあたりも含めて楽しみにしてもらえたらと思います。 あのさん 漫画原作のファンの方はもちろん、そうでない方にも楽しんでもらえる作品になっていると思います。これまでアニメや映画もありますが、ドラマ版『惡の華』は漫画原作ならではの、大事なセリフもふんだんに盛り込まれています。 ぜひ、ドラマならではの『惡の華』を楽しんでもらえたらうれしいです。 ▼取材・文:増田慎吾