2026年7月24日更新

映画『マイ・リトル・クイーンズ』あらすじ・キャスト・見どころ解説!フジモリ政権下ペルーで描く父娘の最後の夏

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映画『マイ・リトル・クイーンズ』
© 2024 ALVA FILM – INICIA FILMS – MARETAZO CINE – RTS

1990年代初頭、アルベルト・フジモリ政権下で情勢が揺れ動くペルーの首都リマ。母エレナは、ふたりの娘を連れてアメリカへ移り住む決意を固めます。ところが渡航には、別れた夫であり娘たちの父でもあるカルロスから、同意書へのサインをもらわなければなりません。長らく疎遠だった父と娘たちは、こうして思いがけずひと夏をともに過ごすことに——。 第74回ベルリン国際映画祭で最優秀作品賞に輝いた『マイ・リトル・クイーンズ』は、そんな一家の最後の夏を、やわらかなユーモアとまなざしですくいとった一作です。日本では2026年8月21日(金)より全国順次公開されます。 この記事では、映画『マイ・リトル・クイーンズ』のあらすじ・キャスト・見どころを解説していきます。

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映画『マイ・リトル・クイーンズ』作品概要・あらすじ【ネタバレなし】

公開日2026年8月21日(金)
監督クラウディア・レイニケ
出演ヒメナ・リンド , ゴンサロ・モリナ , ルアナ・ベガ , アブリル・ジュリノビッチ
上映時間104分
製作国スイス・スペイン・ペルー
配給ブエナワイカ
原題REINAS
受賞・映画祭第74回ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門最優秀作品賞 , 第77回ロカルノ国際映画祭UBS観客賞 , 第97回アカデミー賞国際長編映画賞スイス代表
公式サイト公式サイトはこちら

『マイ・リトル・クイーンズ』は、スイス・スペイン・ペルーの3か国が手を組んだ合作映画です。原題のREINASはスペイン語で「女王たち」を意味し、母と娘たちのしなやかな強さがそのままタイトルへ込められています。 舞台となるのは、政情不安が影を落とす1990年代初頭のリマ。移住を目前にした一家の日々を、監督のクラウディア・レイニケは声高な悲劇としてではなく、どこかおかしみのある家族の肖像として描き出しました。 上映時間は104分。第97回アカデミー賞では国際長編映画賞のスイス代表に選ばれ、世界各国の映画祭で高く評価された注目作です。

あらすじ

映画『マイ・リトル・クイーンズ』
© 2024 ALVA FILM – INICIA FILMS – MARETAZO CINE – RTS

物語の中心にいるのは、リマで暮らす母エレナと、思春期をむかえたふたりの娘アウロラとルシアです。将来を案じたエレナは、家族でアメリカへ渡ることを決意します。しかし出国には、長く距離を置いていた父カルロスの同意が欠かせませんでした。 渋るカルロスと娘たちは、ぎくしゃくしながらも海辺へ出かけ、少しずつ言葉を交わしていきます。別れが決まっているからこそ濃く輝く時間を、本作はやさしく見つめます。 派手な事件が起こるわけではありません。それでも、ふとした表情や沈黙の中に家族の機微がにじむ——そんなオフビートな余韻が全編を包み込みます。※本記事では核心的な結末には触れていません。

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映画『マイ・リトル・クイーンズ』キャスト解説!父娘の物語を彩る実力派たち

映画『マイ・リトル・クイーンズ』
© 2024 ALVA FILM – INICIA FILMS – MARETAZO CINE – RTS

エレナ役/ヒメナ・リンド

母エレナを演じるのは、ペルーを拠点に活躍するヒメナ・リンドです。娘たちの未来を思い、住み慣れた土地を離れる決断を下す——その揺れる胸のうちを、リンドは気負いのない自然な芝居で体現します。強さと不安が同居するまなざしが、移住という重い選択にリアルな体温を与えています。 本作での好演により、リンドは第16回ペルー映画記者協会賞(APRECI)で助演女優賞を受賞しました。

カルロス役/ゴンサロ・モリナ

娘たちの父カルロスに扮するのは、ゴンサロ・モリナです。娘との接し方に戸惑い、どこか頼りなささえ漂わせる父親像を、モリナはユーモラスかつ切実に演じきりました。不器用ながらも娘たちへの愛情がにじむ佇まいは、観る者の胸をじんわりと温めます。 その演技は高く評価され、モリナは第16回ペルー映画記者協会賞(APRECI)で最優秀主演男優賞に輝いています。

アウロラ役/ルアナ・ベガ

姉妹の一方、アウロラを演じるのはルアナ・ベガです。大人への階段をのぼりはじめた少女の、繊細で移ろいやすい感情を瑞々しく表現しています。 父との距離をはかりかねながらも、次第に心をひらいていく過程が何とも自然体で描かれ、観客をそっと物語へ引き込みます。姉妹それぞれの個性が、家族の物語に豊かな彩りを添えているのです。

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ルシア役/アブリル・ジュリノビッチ

もうひとりの娘ルシアには、アブリル・ジュリノビッチが扮します。姉とはまた違うまっすぐな感受性で、父や母、そして変わりゆく日常に向き合う姿を伸びやかに演じました。 子役とは思えない確かな存在感が画面をいきいきと躍動させ、家族の何気ない場面に温度を吹き込みます。ふたりの娘の瑞々しい芝居こそ、本作の大きな魅力のひとつと言えるでしょう。

監督はクラウディア・レイニケ——自伝的記憶を映す気鋭の映画作家

映画『マイ・リトル・クイーンズ』
© 2024 ALVA FILM – INICIA FILMS – MARETAZO CINE – RTS

監督を務めたのは、スイスとペルーにルーツを持つ映画作家クラウディア・レイニケです。脚本はレイニケとディエゴ・ベガが共同で手がけました。 レイニケ自身、幼少期にペルーを離れた経験を持ち、本作にはその記憶や実感がやわらかく織り込まれています。 個人的な体験を普遍的な家族の物語へと昇華させる手腕は各国で高く評価され、『マイ・リトル・クイーンズ』は第74回ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門で最優秀作品賞を獲得。第77回ロカルノ国際映画祭UBS観客賞、第40回サンダンス映画祭への正式出品など、輝かしい実績を重ねてきました。

映画『マイ・リトル・クイーンズ』見どころ解説

映画『マイ・リトル・クイーンズ』
© 2024 ALVA FILM – INICIA FILMS – MARETAZO CINE – RTS

世界の映画祭を席巻——ベルリンからアカデミー賞スイス代表まで

本作の第一の見どころは、世界中の映画祭が認めたその評価の高さです。第74回ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門で最優秀作品賞、第77回ロカルノ国際映画祭ではUBS観客賞を受賞しました。 さらに第97回アカデミー賞では国際長編映画賞のスイス代表に選出され、第40回サンダンス映画祭にも正式出品。ペルー国内でも、第16回ペルー映画記者協会賞や第28回リマ映画祭最優秀脚本賞など評価は枚挙にいとまがありません。これだけの実績が、作品の確かな完成度を静かに物語っています

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ぎこちなくも愛おしい——父と娘が織りなす最後の夏

ふたつめの見どころは、疎遠だった父と娘たちの距離が少しずつ縮まっていく過程です。最初はよそよそしかった関係が、海辺で過ごすひと夏を通じてほどけていきます。 感動を押しつけるような大仰な演出はありません。何気ない会話やまなざしの積み重ねが、いつしか胸を打つ——そんなオフビートな語り口こそ本作の真骨頂です。別れが待っているからこそ、ともに過ごす時間の一瞬一瞬がきらめいて見えます

フジモリ政権下のリマ——時代のざわめきが物語を包む

3つめの見どころは、物語の背景に流れる時代の空気です。舞台となるのは、アルベルト・フジモリ政権下で社会が揺れた1990年代初頭のペルー。政情不安が、一家が移住を考えるそもそもの動機となっています。 歴史の教科書には収まりきらない市井の人々の暮らしが、家族の日常を通していきいきと立ちのぼります。時代のざわめきと個人的な物語が響き合う点も、本作を見逃せない一本にしています。

映画『マイ・リトル・クイーンズ』は2026年8月21日(金)全国公開!父娘の夏がそっと心を照らす

疎遠だった父と娘たちが過ごす最後の夏を、やわらかなユーモアとともに描く『マイ・リトル・クイーンズ』。ベルリン国際映画祭最優秀作品賞をはじめ、世界の映画祭が絶賛した一作です。 監督は自伝的な記憶を注ぎ込んだクラウディア・レイニケ。母エレナを演じるヒメナ・リンドら実力派の芝居も心に残ります。 日本公開は2026年8月21日(金)。別れの予感の中でこそ輝く家族の時間を、ぜひ劇場のスクリーンで受け止めてください