『ゴジラ-1.0』海神作戦(わだつみ作戦)は可能?原理から死者まで解説
映画『ゴジラ-1.0』のクライマックスで描かれ、観客の胸を熱くさせた対ゴジラ防衛戦「海神(わだつみ)作戦」。 本記事では、この壮大な作戦の全貌や科学的な原理、活躍した駆逐艦、そして直接の死者が出たのかについて詳しく解説。2026年11月3日公開の続編『ゴジラ-0.0』公開に合わせておさらいしましょう。 ※この記事は『ゴジラ-1.0』(2023年)のネタバレを含みます。
『ゴジラ-1.0』海神作戦(わだつみ作戦)とは?

「海神(わだつみ)作戦」とは、日本の防衛機関が完全に消滅していた絶望的な状況下において、民間人の主導によって立案・実行されたゴジラ駆除作戦です。 物語の舞台となる1947年当時の日本は、太平洋戦争の敗戦によって旧日本軍(帝国陸海軍)が完全に解体されており、警察予備隊すらまだ結成されていない「軍隊の空白期間」にありました。 民間人主導のもと、連合国に引き渡される予定だった4隻の旧帝国海軍駆逐艦などを投入。この無謀とも言える計画の作戦立案者は海軍工廠の技術士官・野田健治(吉岡秀隆)が務め、指揮官には「雪風」の元駆逐艦長・堀田辰雄(田中美央)が就任しました。
海神作戦(わだつみ作戦)の原理を解説!流れは?

海神作戦は、戦車や大砲が通用しないゴジラに対し「海の力でゴジラを殺す」という発想に基づいています。 ①ゴジラを水深の深い相模トラフの真上へ誘導します。 ②二隻の駆逐艦が海上でケーブルを引っ張りながらゴジラの周囲を回り込み、その体に大量のフロンガスボンベを巻き付けます。 ③一斉にガスを噴出させ、ガスの泡でゴジラを丸ごと包み込んで海水の浮力を奪います。 ④自らの重量を支えきれなくなったゴジラを水深約1500mまで一気に海底へ沈め、強烈な水圧で押し潰すのが主作戦です。 もしゴジラがこの深海の水圧に耐えた場合は、間髪入れずに予備作戦へ移行します。 ⑤ボンベと同時に装着しておいた巨大な「膨張式浮上装置(浮き袋)」を深海で一気に膨らませ、高水圧に適応しようとしたゴジラを今度は海面へと急浮上させます。極端な急減圧を与えることで、体組織や血管を窒素ガスの気泡で内部から破壊し、確実な駆除を狙うという二段構えの作戦でした。
海神作戦(わだつみ作戦)4隻の駆逐艦の名前は?
海神作戦で主力として活躍した駆逐艦は、雪風(ゆきかぜ)、響(ひびき)、夕風(ゆうかぜ)、欅(けやき)の4隻です。 作戦の第一段階として、夕風と欅は乗組員を移乗させて無人化され、ゴジラの放射熱線を無駄撃ちさせるための囮として突撃し、犠牲となりました。 その時間稼ぎの間に雪風と響がメインとなってゴジラを追い詰め、最終的にゴジラの攻撃で2隻とも深刻な被害を受けつつも、最後まで沈まずに生き残りました。 実は旗艦を務めた雪風は、太平洋戦争中の主要な海戦のほとんどに参加しながら、毎回ほぼ無傷で帰還した「奇跡の駆逐艦」として知られる実在の艦です。 また共に主力となった響は、逆に沈没しかけるほどの甚大な被害を受けても毎回必ず帰還する悪運の強さから「不死鳥」の異名を持っています。この日本海軍を代表する2隻の幸運艦の存在が、奇跡的な作戦の成功を象徴していました。
海神作戦(わだつみ作戦)は科学的に可能?
非常に斬新で理にかなっているように見える海神作戦ですが、現実の科学に照らし合わせると実行は困難です。 サイエンスプロデューサーの米村でんじろう先生は自身のYouTubeチャンネルにて「物体が気泡に包まれても、物体全体にかかる浮力や下から押し上げる水圧自体は変わらないため、フロンガスの泡を発生させただけでゴジラが勝手に海底へ引きずり込まれることはない」と結論づけています。 また、映画のようにゴジラが押し潰されるほどの急激な水圧負荷を人工的に作り出すのは、現実の物理法則から見ると不可能に近いと言えます。
海神作戦(わだつみ作戦)で死者は出た?
作戦の発案者である野田博士は、「この作戦では犠牲者を一切出さない」と強い決意を語っていました。 最終局面では敷島浩一が戦闘機「震電」による決死の特攻を行いましたが、彼も突入直前に脱出装置で生還しており、作戦に参加した民間の特設船や駆逐艦の乗組員から、海神作戦中の直接の死者は出ずに見事成功を収めました。 しかし、これはあくまで「作戦本番での直接の死者」がゼロだったという話です。作戦の準備段階や、ゴジラを相模トラフへ誘導する前哨戦(水中拡声器部隊の壊滅など)を含めると、作戦決行に至るまでに多数の尊い犠牲者や負傷者が発生しています。 多くの命が失われた絶望の上に成り立った、決死の作戦だったのです。
海神作戦(わだつみ作戦)が失敗していたら原爆が投下されていた
続編『ゴジラ-0.0』のティザー映像では、本来作戦に参加していない米軍のB-29爆撃機が作戦海域の上空を飛行しており、ゴジラが崩れて海に沈む中、英語音声で「3発目の投下は中止」との通信が流れます。 これはつまり、もし日本の民間人による海神作戦が失敗しゴジラを止められなかった場合、アメリカは自国の介入を避けるため、広島・長崎に続く「3発目の原爆」をB-29から東京(あるいは相模湾)に投下してゴジラごと物理的に消し去るつもりだったという恐ろしい裏の事実を示唆しています。
海神作戦(わだつみ作戦)原理や死者を解説

『ゴジラ-1.0』の海神(わだつみ)作戦は、国家の軍隊が消滅した状況下において、民間人が知恵と覚悟を振り絞って巨大怪獣に立ち向かう決死の作戦でした。 2026年11月3日に公開される続編『ゴジラ-0.0』では、新たな対ゴジラ策として「鳴神(なるかみ)作戦」が登場します。同じ「神」の名を冠する作戦がどのような展開を見せるのか、次なる戦いから目が離せません。
