『シンゴジラ』ラストの尻尾が意味するものとは?謎を徹底考察&解説!【ネタバレ注意】

2017年7月6日更新

2016年7月29日に公開された『シン・ゴジラ』。一世を風靡したアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明が総指揮を担当した大ヒット作です。『シン・ゴジラ』の魅力は何と言ってもそのリアリティ。本記事ではその世界観をご紹介します。

映画『シンゴジラ』で物議を醸したラストシーン、あの尻尾は何なのか?

ラストシーンで登場するゴジラの尻尾。それをよく見ると先端に背びれと尾を持つ生物らしきものが数体生じている、というところで映画は終了します。この人間にも見える生物らしきものは何なのかもネットで話題となりました。

映画公開直後から、様々な考察を生んだ映画『シンゴジラ』。本作にはラストシーン以外にも見どころがたくさんあります。今回はそんな傑作を深堀りし、まとめてみました。

『シンゴジラ』のあらすじをおさらい

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(C)2016 TOHO CO.,LTD.

11月3日、都心付近で二つの異常事態が同時発生します。ひとつは東京湾羽田沖から噴出した水蒸気、そして東京湾アクアラインではトンネルの崩落事故。日本政府は海底火山によるものだという見解を出しました。一方内閣官房副長官の矢口蘭堂(長谷川博己)は、巨大生物らしいものを現場で発見していち早く報告しましたが相手にされません。

しかし巨大生物の尾の部分が改めて確認され、結果として矢口の意見は受け入れられます。巨大生物は多摩川から大田区へ向かい、蒲田から岸に上陸しその全貌を人々の前に表しました。自衛隊が出動するものの生物の破壊力は凄まじく、上陸から2時間の間に死者・行方不明者合わせて100人超となる大惨事となりました。

生物の上陸後に確認された放射線量の増加。やがて矢口達はこの生物が太古からのもので、放射能を浴びる事で巨大化した「ゴジラ」だと知ることになります。東京だけでなく近隣の横浜や鎌倉にも上陸し被害を拡大していくゴジラ。果たして、人類にゴジラを止める手はあるのでしょうか?

『シンゴジラ』は東日本大震災のオマージュ

日本がこれまで直面してきた大災害を彷彿とさせる

地震による津波や台風による土砂被害など、天災の多い国、日本。特に近年は地震などの大型災害が各地で発生し、不安な日々を過ごしている人も少なくありません。ゴジラは物語上に顕在していますが、映画を観た人の中には「ゴジラ=東日本大震災」と感じた人もいるのではないでしょうか?

震災後、日本は放射能問題と対峙することになりました。映画ではゴジラが破壊し歩いたところに放射能があると確認されます。

そのほかにも、未知の害獣に対する政府の対応は震災時の日本国政府を彷彿とさせます。なんでも東日本大震災当時の幹事長だった枝野幸男を取材して、ストーリーを練り上げたんだとか。

本作のキャッチコピーでもある「現実(ニッポン) 対 虚構(ゴジラ)。」はリアリティを彷彿させる内容です。

『シンゴジラ』の面白さは圧倒的リアリティ

テレビやネットを利用して混乱の端緒を描く

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本作の面白さの秘密は、作中のパニック状態の描写にあると言われています。特にテレビやネットを使用し、まるで実況中継されているかのような緊迫感のある描写が、得体のしれない巨大生物によってパニックを起こされた首都圏をリアルに再現しています。

今や災害時にはなくてはならない情報ツールとなったテレビやインターネット。私達は普段の生活でも地震や台風などの災害でこれらから提供される情報を頼りにしています。そのような観客の共感性に訴えかけた描写が特にリアリティを発揮したのでしょう。

政治家・官僚の会議や自衛隊の対応も徹底的にリアルを追求

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災害時にずっとチェックするのは被害状況ももちろんですが、政治、つまりは政府の対応も四六時中チェックする対象になります。国のトップがどのような指示を出すのか、それによって自衛隊などの救助隊はどのように動いて国民を助けるのか……。実際の災害時にも気になりますね。

映画『シンゴジラ』でも、打倒ゴジラのために政治家や自衛隊が活動する様子が描かれました。

本作はもちろんフィクション映画ですが、自衛隊の戦車が出動してゴジラと対峙するシーンで「こんな事あるわけない」とあっさり否定できないどころか、「こんな現実があるかもしれない」と感じるのは、庵野監督の作り出したディティールの細かさによるものでしょう。

見慣れた風景が破壊されていく様子がリアルで怖い

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まず、物語の冒頭でゴジラが現れるのは東京湾アクアライントンネルです。その後羽田沖から多摩川河口、呑川にかかる旭橋を破壊し、とうとう蒲田駅手前で上陸。蒲田駅商店街を襲来するゴジラと、恐怖で逃げまどう人々。さらにゴジラは品川神社から北品川駅へ破壊を繰り返します。

このように、商店街や神社、駅などを破壊するのは、人里離れた山林を破壊する以上に観客の恐怖感を煽ります。普段買い物で利用する商店街や、通勤・通学で移動するために使う駅が次々に破壊されていく様子は日常と密接に関わっている分衝撃度も増します。

困惑し逃げ惑う人々。課題が残されたまま映画が終わる

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民衆から閣僚・総理大臣まで様々な人々が犠牲になった『シンゴジラ』。首都圏を壊滅するゴジラを倒すために日本と海外が手を組んで対策を練り、ゴジラへと立ち向かいます。しかし、ゴジラがまき散らした放射能や破壊された街並みは復興に時間を要しました。

そして、最終的に凍結した尻尾の先に気になる物体。物語は人々のこれからの生活に不安の影を落としたまま終了します。あえて課題を残したままラストを迎えたからこそ、リアリティあるノンフィクション映画のように感じるのかもしれません。

ゴジラの正体は何なのか

東京湾から現れたゴジラは何ものなのか?混乱する日本に現れた米軍によって、その正体が作中で説明されます。ゴジラは遥か昔から東京湾に住む生物が、核物質を有する産業廃棄物に適応し進化を遂げた生物であるということ。

しかし、ゴジラ研究の第一人者である牧教授がアメリカから帰国後行方不明であり、詳細がわからないまま日本はゴジラとの戦いに突入しました。

そんなゴジラの正体には諸説ありますが、前述した「東日本大震災」で日本を襲った「地震」や「津波」の具現化という説が強いです。また戦争で亡くなった人々の恨みが「呉爾羅(ごじら)」となって現れたという説もあります。

『シンゴジラ』の「シン」の意味とは?

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本作のタイトル『シン・ゴジラ』は庵野監督自らが命名したものです。

「シン」は「新」、または「真」であり「神」など複数の意味を重ねて「シン」というカタカナ表記を採用。庵野監督にとって今回のゴジラは「完全生物」という意味合いで「シン」とつけられました。

牧教授の真意は何?

城南大学で細胞生物学を研究していた牧悟郎教授。日本の学界を追放され、直後に妻を失います。その後牧教授は渡米して米国エネルギー省へ勤務していました。しかし、ゴジラが近々日本に襲来することを予測していた牧教授は極秘帰国してその後行方不明になります。

ゴジラが現れた東京湾羽田沖には彼の使っていたプレジャーボートが無人状態で見つかり、そこには宮沢賢治の詩集『春と修羅』と折り鶴が残されていました。最後まで映画に登場しないまま終わった牧教授。

ゴジラの日本襲来はかつて放射能の事故で妻を失い、助けの手を差し伸べなかった日本政府へ彼が復讐したという説がネットで持ち上がっています。自らゴジラに食べられる事でゴジラを動かしたのか、または細胞学を研究していた彼自身がゴジラになったのか、様々な解釈がされています。

映画のラストシーン、ゴジラの尻尾に隠された意味は?

印象的なラストで終了した映画『シンゴジラ』。尻尾の真相には様々な説が浮上しています。

ネットで言われているのは、ゴジラが人間を取り込んで養分にしているというものや、環境を汚染した人間への当てつけでゴジラは人間が作り出した害獣といったものなど。

やはり最も有力なのは、この後ゴジラが増殖するのを示唆している説です。ゴジラに破壊され、放射能で汚染されて壊滅した東京。そしてゴジラは凍結しただけで完全に死んだわけではありませんし、油断すると状況が元に戻る事を警告していると思われます。

『シンゴジラ』とエヴァの共通点

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本作の総監督である庵野秀明は『新世紀エヴァンゲリオン』で一世を風靡した存在ですが、実は庵野監督の他にも音楽が鷺巣詩郎、監督兼特技監督が樋口真嗣と『新世紀エヴァンゲリオン』のスタッフが再集結していることも話題になりました。そのためか、公開直後から「エヴァっぽい」という意見が多く見られます。

と言いますのも、本作に登場するゴジラが「使徒に見える」と言うのです。「使徒」とはご存知エヴァに登場する人類に敵対する存在。しかし、本作にはエヴァンゲリオンは登場しません。また、作中で立てられた計画が似ている、音楽が似ているなどとエヴァファンから喜びに満ちた突っ込みが多々あるのです。

ニホン対ゴジラ!国のために闘う姿がかっこいい

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早くからゴジラの存在に気がつき、ゴジラとの戦いの指揮を執る内閣官房副長官の矢口(長谷川博己)。彼が事務局長になった「巨大不明生物特設災害対策本部」は個性的なメンバーが集まり、打倒ゴジラのために戦います。

奮闘する国家公務員や自衛隊

本作は実際に防衛省や自衛隊の協力を経て製作されています。自衛隊だけでなく海上保安庁の機器も登場し、臨場感のある戦闘が展開されます。

国を守るため、国連の決定にも立ち向かう

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ゴジラを倒すため、国連安保理によって決定された熱核攻撃。つまりは水素爆弾による攻撃であり、周辺住民360万人の疎開が行われます。しかし、日本はその決定に待ったをかけ、米軍と共に共同作戦の「ヤシオリ作戦」として独自の作戦を展開。結果としてゴジラの完全凍結へと導きます。

「チーム日本」で立ち向かう

ゴジラ撃退のために作られた作戦「タバ作戦」。丸子橋から多摩川周辺を戦場に実行されるよう計画された作戦です。

『シンゴジラ』は観れば観るほど面白くなる!

シン・ゴジラ

一度の鑑賞だけでなく、何度も繰り返し観る事で新たな発見がある『シン・ゴジラ』。2017年3月22日にはブルーレイ・DVDも発売されました。ぜひ考察したうえで、もう一度鑑賞してみてください。