2017年7月6日更新

これが映画界の先駆者だ!的な映画15選

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『サイコ』ジャネット・リー
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映画界のいろいろな「世界初」を集めてみました!

日々新しいアイデアが生み出され、日進月歩の技術力で進化していく映画業界。今でこそありふれた技術やベタな演出方法であっても、初めて登場した時には革新的な挑戦として驚異の目で見られたことでしょう。 どんなことでも「世界初」に挑戦するのは勇気がいるものです。 そんな映画界の先駆者たちのチャレンジ精神に敬意を払い、いろいろな意味で世界初を成し遂げた映画を15本選びました。

1.世界で初めて水が流れるトイレを映した『サイコ』【1960】

『サイコ』ジャネット・リー
© UNIVERSAL/zetaimage

なぜ1960年まで、誰一人としてトイレの水が流れる様子を映画に撮った人がいなかったのかは、今となってはわかりません。 当たり前の光景すぎて、誰もわざわざ映そうとはしなかったのでしょうか。なんとなく汚らしいので作品内に登場させたくないと考えられていたのでしょうか。ただ一つ言えることは、アルフレッド・ヒッチコック監督は天才だということです。

2.世界で初めて太陽を直接カメラで撮影した『羅生門』【1950】

現在では信じられないことですが、当時太陽を直接撮影する行為は、タブーとして恐れられてきました。太陽光線がカメラを燃やしフィルムをダメにすると信じられていたからです。 黒沢明監督はこの通説が正しいかテストするために、自らカメラを太陽に向けました。そして証明したのです。映画史に残る美しい一コマを生み出す以外には、何も起らないということを。 黒澤監督の勇気ある「実験」は、映画製作者たちの間にカメラと照明に対する正しい知識を広めることになり、映画撮影技術の向上に大きく貢献しました。

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3.世界で初めて飛行機の中で上映された長編映画『ロスト・ワールド』【1922】

飛行機の中で映画を楽しめるようになったのはいつ頃からだと思いますか?じつは1922年からなのです。と言っても現代のように座席のモニターに映し出されるわけではなく、機内に映写機とフィルムを持ち込んでの上映でした。 しかし今だから言えることですが、これは非常に危険です。フィルムは可燃性が高く、万が一火がついた場合は多数の死者を出す深刻な事故を引き起こしていたことでしょう。事故が起こらなかったのが本当に幸運です。

4.世界で初めてのオナラジョーク『ブレージングサドル』【1974】

今やB級コメディの定番となったこの手のジョーク。どんな作品でもこの手のギャグが登場すると一気にB級感が醸し出されてしまい、観客の苦笑を誘います。あまりに何度も続くと「お金返して」と怒り出す人も出てくるでしょう。 しかし想像してみてください。世界で初めてスクリーンからオナラの音が鳴り響いた瞬間の、観客の受けた衝撃と沸き起こった大爆笑を…。コメディ映画の巨匠メル・ブルックス監督は、おそらく「このジョークが使えるのは一回だけ」と考えていたことでしょう。

5.世界で初めてタイトルにPARTⅡとついた『ゴッドファーザー PART II』【1975】

ゴッドファーザー PARTⅡ
© Paramount Pictures

これもまた意外な世界初です。それまでもヒット作の続編映画が製作されることはありましたが、何かしらの趣向が凝らされた副題が付けられていました。 続編作品にPARTⅡと付けられたのは『ゴッドファーザー PART II』が初めてなのです。 シンプルなタイトルはフランシス・フォード・コッポラ監督の自信の表れかもしれません。

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6.世界で初めて制作費1億ドル超えた『トゥルーライズ』【1994】

ジェームズ・キャメロン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション映画『トゥルーライズ』。こちらはなんと世界で初めて製作費が1億円を超えた作品です。ちなみに同じくキャメロン監督の『タイタニック』(1997)の製作費は2億9千万ドル。こちらは映画史上3位の高額製作費です。

7.世界で初めて興行収入30ドルを記録した『フラッシュバック・キラー』【2006】

こちらはちょっと残念な世界記録です。スリラー映画『フラッシュバック・キラー』の全米興行収入は、たったの30ドル。30万ドルでも300万ドルでもなく30ドルですよ。 130万ドルかけて作ったにもかかわらず!全国で数人しか見てないってことなのでしょうが、その観客は関係者の家族か友人でしょうか。 それにしても少なすぎますよね。 ちなみにこの記録は2011年に『The Worst Movie Ever!(原題)』に追い抜かれます。この作品の初週興行収入は11ドル。これを超える迷作は今後出てくるのでしょうか…。

8.世界で初めて台詞に「fuck」を使った『ユリシーズ』【1967】

1967年にジェームズ・ジョイスの原作小説をジョゼフ・ストリック監督が映画化した『ユリシーズ』。それまでメジャー映画のなかでは「fuck」の台詞を使うのは憚られ「heck」や「darn」などと言い換えられていました。 初めて「fuck」と言う言葉が使われたこの作品は、当時ニュージーランドの映画館では観客の女性と男性の席を離して上映され、カンヌ映画祭では製作者の許可なしに検閲が行われたことから上映が取りやめになるなど、非常に物議を醸し出しました。

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9.世界で初めて台詞で「bullshit」を使った『冷血』【1967】

「でたらめ」「嘘つき」という意味の「bullshit 」。現代では色々な映画の台詞で使われ、日常会話でも頻出する言葉ですが、こちらも1967年に『冷血』の中で登場したのが世界初です。 「shit」という言葉が含まれているのであまり上品ではないですが、そこまで神経質にならなくても…と思いますよね。実は当時は今のような「R15」指定のような規制はなく、映画はどんな人でも見られるものでなければならないと考えられていたからです。

10.世界で初めてオールアジア系キャストで製作されたハリウッド映画『SAYURI』【2005】

近年ではハリウッド映画界における白人優位主義が問題視されています。第二次世界大戦前後の京都を舞台に芸者として生きる女性たちを描いた本作は、時代考証が正確でないことや、日本人役を中国やマレーシアの俳優が演じることに対する批判もありました。 しかしオールアジア系キャストでハリウッド作品が製作されたということは、映画界における大きな業績であり革新と呼んで良いでしょう。ハリウッドがこのことを達成するまで100年かかったのです。まずは人種の問題を解決し、次に国籍を議論できるようになったら良いですね。

11.世界で初めて男性同士のキスシーンを映した『日曜日は別れの時』【1971】

『日曜日は別れの時』は、同性愛者の芸術家と医師、その妻の三角関係を描いたイギリス映画です。『キャロル』(2015)や『アデル、ブルーは熱い色』(2013)など、近年では同性愛をテーマにした作品は多く作られていますが、このような先駆者となった作品があってこそですね。

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12.世界で初めて全編デジタルカラーコレクションを用いた『オー・ブラザー!』【2000】

デジタル撮影はフィルム撮影に比べてコストが安いだけでなく、フィルムではできなかった様々なことを可能にしました。その一つがカラーコレクションと呼ばれる色調整です。 独特のレトロでセピア調の色彩が印象的な『オー・ブラザー』は、長編映画では初めて全編にわたってカラーコレクションを行なった作品です。 監督のコーエン兄弟は当初フィルムを化学薬品に浸して変色させることも考えていたようですが、撮影監督ロジャー・ディーケンスの見事な手腕により、デジタル撮影による懐かしくも新しいテイストの作品が完成しました。

13.世界初の全編デジタルバックグラウンドで撮影された『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』【2004】

『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』は背景がすべてCG合成で作り上げられた世界初の作品です。大道具は一切なし。出演者はブルーバックと呼ばれるブルーの大きな背景の前で演技しなければなりませんでした。 この技術により、もう大道具もロケ地での撮影も必要なくなるかも…と思われましたが、CG合成で1からすべての背景を作り上げるのは非常にコストがかかるため、オールデジタルバックグラウンドの作品はまだまだ一般的ではありません。

14.世界で初めてフラッシュバックによる回想シーン『The Yiddisher Boy 』【1909】

登場人物の回想をフラッシュバックであらわす手法は現在では非常に一般的ですが、最初にこの手法が使われたのは1909年とされています。 3分間の無声短編映画『The Yiddisher Boy 』は残念ながらフィルムがすべて現存しているわけではないので正確なストーリーは判明していません。 「暴漢に襲われた主人公モーゼスを救った別の男性。数年後失業した男性は金持ちになったモーゼスと再会して…」という時に、場面が切り替わり暴漢と戦う男性が映るのが確認されたそうです。

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15.世界で初めてのおもしろ猫映像『The Boxing Cats』 【1894】

映画業界では、動物が活躍する作品は高確率でヒットすると言い伝えられています。ましてや人間のように動くキュートな猫が嫌いな人は絶対にいないはず。 おそらくその事実に世界で初めて気づいた人が作った映像作品がこちらです。じゃれ合う猫の前脚にボクシンググローブをはめて、小さなリングも作ってみたら…。個人的にはこの製作者は天才だと思います。