2017年7月6日更新

『2001年宇宙の旅』あらすじ・ネタバレ・解説【SF映画の原点】

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2001年宇宙の旅

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スタンリー・キューブリック監督による不朽の名作『2001年宇宙の旅』!

人類の進化、テクノロジー、人口頭脳そして地球外生命のテーマを扱った『2001年宇宙の旅』。 1968年公開とは思えない宇宙飛行の科学的に正確な描写、特殊撮影そしてその映像美は、2001年をすでに超え40年以上経つ今でも古さを感じさせません。 今でも数々のSF映画に影響を及ぼし続け、SF映画の原点と言われる不朽の名作『2001年宇宙の旅』に迫ります!

映画『2001年宇宙の旅』のあらすじ【ネタバレ注意】

第1部「人類の夜明け」

何百万年も昔の砂漠。ヒトザルの前に謎の黒い石板のような物体、モノリスが現れます。モノリスによって導かれたヒトザルは動物の骨を武器と使う事を覚え、他のライバルたちを倒し水場争いに勝利しました。 そして喜びのあまり骨を空に放りあげ、その骨は数百万年後の未来に飛んで軍事衛星に変わります。

第2部「木星使節」

人類が宇宙へ行くようになった時代。宇宙評議会のフロイド博士は月面で発見された謎の物体の調査のため月へと向かいます。 その謎の物体”モノリス”の調査中、モノリスは太陽光を浴びて強力な信号を木星に向けて発したのです。

第3部「木星 探査計画」

18ヶ月後。アメリカの宇宙船ディスカバリー号は、船長のデビッド・ポーマンとフランク・プール、3人の人工冬眠中の飛行士たち、そして人工知能コンピューターHAL9000を乗せ、木星探査に向かっています。 その途中HALによってボーマン船長以外は殺され、HALはボーマン船長によて電源を切られてしまいます。 唯一生き残ったボーマン船長は、フロイド博士のビデオメッセージにより、月面のモノリスの存在と木星探査の真の目的を知りました。

第4部「木星と無限の彼方」

ボーマン船長は船外活動ポッドに乗り込み木星の軌道上で発見したモノリスを調査に行くのですが、光の渦、’スターゲート’の中に引き込まれてしまいます。 ネオクラシックな真っ白いベッドルームで目を覚ましたボーマン船長。 年老いベッドに横たわったボーマン船長の足元にモノリスが現れ、彼は光に包まれ胎児と変貌し、地球の傍で宇宙に漂う新たな生命体となったのです。

『2001年宇宙の旅』のキャスト

デビッド・ボーマン船長/キア・デュリア

ディスカバリー号の船長、デビット・ボーマン。冷静沈着で孤独を好む性格で、ディスカバリー号の指揮官に任命された理由の一つが友人や家族との繋がりがあまりないということ。父と兄を事故で失っています。 そのボーマン船長を演じるのは、背が高くブルーの瞳が印象的な当時の二枚目人気俳優、キア・デュリア。 『2001年宇宙の旅』で有名になり、続編『2010年』も出演しています。 『大突撃(1964)、『バニー・レークは行方不明』(1965)、『女狐』(1967)、『グッド・シェパード』(2006)など数々のテレビドラマや映画に出演してきました。

フランク・プール/ゲイリー・ロックウッド

ディスカバリー号の搭乗員、フランク・プール。ボーマン船長としていたHALの回路切断計画をHALに悟られ、船外活動中にHALによって殺されてしまします。そのポールを演じるのはゲイリー・ロックウッドです。 ロックウッドはUCLA時代はフットボールの選手として活躍。スタントマンとしてキャリアを始め、アンソニー・ホプキンズのスタンド・インもしたことがあります。

ヘイウッド・フロイド博士/ウィリアム・シルベスター

「アメリカ宇宙飛行学会議」の議長であり、モノリス探査に関わる極秘任務の中心的人物でったヘイウッド・フロイド博士を演じるのはウィリアム・シルベスター。 『007は二度死ぬ』(2007),『破壊!(1974)、『天国から来たチャンピオン』(1978)等に出演。1995年に72歳で死去しました。

HAL 9000(声)/ダグラス・レイン

ディスカバリー号に搭載され、船内すべての制御をおこなっていいた人工知能を備えたコンピューター。コンピューターでありながら意思、感情を持つようになります。目をイメージして作られたそう。 ディスカバリー号と共に10年近く木星付近に放置されることになりますが、『2010年宇宙の旅』にも登場し、重要な役割を持つようになります。 その声を担当するのはカナダの俳優、ナレーターであるダグラス・レイン。レインは『2010年』でもHALの声を担当しています。

難解な映画は狙いだった?

プレミア上映の際、なんと241人ものが映画館から立ち去って行ってしまったそう。  当時の人気二枚目俳優のロック・ハドソンもその一人で、「一体この映画は何が言いたいんだ。誰か教えてくれ。」と批判。 しかしながら、共同制作者であるアーサー・C・クラークは「もしだれかが『2001年宇宙の旅』を完全に理解したら、私達は失敗したことになるんです。私達が出した答え以上の疑問を持って欲しかったったのです」とコメントを残しています。

スターゲートでトリップするのが流行?

映画は劇場公開された最初の数週間は興行的には成功しませんでした。そのため、配給会社であるMGMはすでに劇場から撤退する計画を立てていたのですが、何人かの劇場主達から存続を説得されました。というのも、多くの劇場主達は、映画を観に来る若者たちが徐々に増えてきていることに気づいていたから。 なんと彼らはドラッグでトリップしてるような感覚を味わえるということで“スターゲート”のシーンを見ることに熱狂していたのです! このことは、当初多くの否定的な反応を受けたにもかかわらず、結局映画を興行的な成功に結びつけました。

キューブリック監督とクラークは'開拓史'を作りたかった?

映画を作成している間、キューブリックとクラークはこの高尚なプロジェクトをユーモアを込めて「How the Solor System Was Won(太陽系開拓史)」と呼んでいました。 これは1962年の西部劇のタイトル『How the Western Was Won/西部開拓史(原題)』からのオマージュ。 実際にタイトルの候補になったことはなりませんが、ジェローム・エンジェルスによる1792年出版のメイキング本「The Making of Kubrick's 2001(原題)」で、クラークは「これは私達だけのタイトルだったんだ。でもこれが私たちが見せようとしたことそのものだっんだ。」と述べています。

『2001年宇宙の旅』のタイトルはどこから?

キューブリックとクラークにとって映画のタイトル作りが最初の仕事でした。最初にリストに挙げられたのが『Space/スペース(原題)』。 その他に、『Across the Sea of Satrs/アクロス・ザ・シー・オブ・スターズ(原題)、『Universe/ユニバース(原題)』、『Tunnel to the Stars/トンネル・ツー・ザ・スターズ(原題)』『Earth Escape/アース・エスケープ(原題)』、『Farewell to Earth/フェアウエル・ツー・アース(原題)』、『Jupitar Window/ジュピター・ウィンドウ(原題)』、 『Planetfall/「プラネットフォール(原題)」などが候補として挙がっていました。 オフィシャルにMGMが公開した1965年の映画のリストでは『Journey Beyond the Stars/ジャーニー・ビヨンド・ザ・スターズ(原題)』としてタイトルが記されていましたが、2ヶ月後にはキューブリックが、古代ギリシアの長編叙事詩であるホメーロスの『オデュッシア』に敬意を込めて『2001年宇宙の旅』を最終的なタイトルに決めました。 クラークは彼の著書『失われた宇宙の旅2001』でこう述べています。
「スタンレーが『2001年宇宙の旅』を選んだんだ。記憶している限り、これは彼の一存だったんだよ。」

画期的な特殊効果はどうやって作られた?

現代のようにコンピューターで頭の中にあるものをなんでも作ることができる時代ではなかっため、特殊効果にはかなり苦労。 最も有名な特殊効果はおそらく最後の‘スターゲート’のシークエンスでしょう。これは特撮スタッフのダグラス・トランブルがスリット・スキャンと呼ばれる撮影技術を使って作りしました。 ボーエン船長が新たなる存在になるための過程を表すために、ドラッグでトリップするようなクラクラする色を作り出すことにしたタンブルは、2つのガラスのシートと特別注文のドリー・トラックを使用。 彼はカメラの前に、真ん中にスリット状の隙間を開けた真っ黒のガラス置き、もう一つの真っ黒なガラスは交換できる絵や線描、幾何学模様等の描かれたガラスの板を施しました。 タンブルが説明するには、カメラを押して後ろに引いたり前に押したりすると、一見すると二次元的に無限に続くような画像を作りあげることができる、とのこと。このようにしてシークエンスを作り上げられたのです。

映画『2001年宇宙の旅』にまつわるトリビアを紹介!

ヒトザルは全員マイムだった!?

キューブリック監督はヒトザルの役を決めるために、俳優やダンサー、コメディアンまでもオーディション。当初、ロンドンで活躍していたプロのマイムのダン・リクターを振り付け師として起用したのですが、結局キューブリックはリクターをメインのヒトザルとし、20人のマイムもヒトザル役のために一緒に雇ったのでした。 リクターは動物園に通い詰め、長い時間を猿とゴリラの檻の前で費やして動きや仕草を研究したそうです。

幻のセリフ?

HAL9000の最も有名なセリフであるにもかかわらず、彼は「グッド・モーニング、ディブ」と一度も言ったことはなかったのです。

手塚治虫もオファーを受けていた?

キューブリックは美術担当として手塚治虫にオファーを出しましたが、当時手塚治は忙しくて断ったそう。キューブリックからの手紙の写真は彼のエッセイ本に掲載されいています。

撮影はアイディアの賜物!

クリュー達はガラスの皿に落ちる染料の雫を写して、星雲の動きとスターバーストのリアルなイメージを作り出しました。

浮いているペンのトリックは?

スタンリー・キューブリック監督はスペースシャトル内のシーンでペンが浮いているように見せるために、特殊撮影の技術者と数ヶ月及んで試行錯誤を繰り返していました。 色々なテクニックを試した結果、キュービック監督はシンプルにペンを当時発明されたばかりの両面テープを使ってガラスのシートにくっつけ、カメラの前に吊るしました。 実際、シャトルアテンダントがペンを取ろうとした時、ペンをガラスから引っ張るのが見れますよ。

オリジナルの映画音楽を全てボツに!

キューブリックは自分の監督作品『スパルタカス』の音楽を手がけたアレックス・ノースに音楽を依頼していましたが、全てボツにし、シュトラウス等のクラッシック音楽に切り替えてしまいました。 ノースの音楽はのちに『Arex North’s 2001』としてCD発売。日本でも『2001年〜デストロイド・バージョン〜』として発売されています。

キューブリック監督は保険をかけたかった?

アーサー・C・クラークによると、スタンレー・キューブリック監督は 映画公開前に地球外知的生命が発見された場合の損失を防ぐために、ロンドンの保険会社のロイズ・オブ・ロンドンの保険に入りたかったそう。しかしながら、ロイズは拒否。 それに対し、天文学者であり、SF作家でもあるカール・サガンはこうコメント。
「1960年代の半ばには地球外知的生命探査など行われていなかったし、数年内に地球外知的生命探査意偶然出会うなんて確率も限りなく少なかった。ロイズ・オブ・ロンドンはチャンスを逃したね。」

『2001年宇宙の旅』はSF映画の原点であり頂点の名作!

『2001年宇宙の旅』のCiatrユーザーの感想・評価を紹介!【ネタバレ注意】

今でもかっこいい!

Moto_Ishiduka テクノロジーが進んだ今の時代でもかっこいいと思う映画です

SF映画好き必見!

Hayato_Watanabe 衝撃的な映画。SFの価値観をひっくり返された。まず、この映画を通して感じた事。映像の見せ方、見え方と、映像と音の関係を恐ろしく丁寧にこだわりを持って作り込まれていると思った。言い返すと視覚と聴覚といった感覚的な部分に訴えかけるものを感じた。 冒頭はドキュメントか?猿の惑星か?と思わせる出だし。ただ、その映像は作り込まれているはずが妙にリアルで不気味な臨場感を漂わす。この映画の方向性を位置付けるもの。 美しく青きドナウが流れる中、宇宙に浮かぶ壮大な衛星。宇宙空間での動きの捉え方。宇宙飛行士のヘルメットの映り込み。宇宙空間に点在する星々…など全ての映像に対してSFを超える美を感じた。 そして最後の映像と展開は言葉に出来ない…これを見ずしてSF好きは語れないと思う。SFの原点。この映画が1967年に作られていたのがまた衝撃的。好き嫌いはあるだろうけどSF好きは見なきゃダメ!!

語り尽くせない映画!

Tomochika_Nakano とても難しい映画だけど、感想を話したら止まらなくなる映画。正直に終盤訳がわからなくなった。スピルバーグやルーカスがSF史上最高傑作というがほとんどの凡人には理解に苦しむ作品であることは間違いない。ただ、天才は理解されにくい。HAL9000というロボットでありながら人間と同じような苦悩に悩まされる様はその後に公開されたSF作品で見られる科学と倫理の見本になっているのでは、と思う。モノリスという概念とその存在で人類が知恵を得て、というほんとのようであくまでサイエンスフィクションである事実。HALは人間に殺されてしまうが、知恵を与えたPCによって人類が滅んでいく日も近いのかもしれない。

やっぱり難解?

tossy0329 有名な作品なので挑戦。台詞が少ないので、より映像に引き込まれる。けどさっぱりわからなかった。特にハル壊した以降。完璧な人工知能こわいし、宇宙こわいし、変なヌリカベ(モノリス?)も音響もこわい。とりあえずこの難解な感じを体験できて良かった。

ヴィジュアル系?センスの良さにも関心!

ohayou_nihon キューブリックの不朽の名作でありSF作品の金字塔。内容としてはかなりの難解映画でした。ほとんど説明というかナレーションも無しで、リアルな宇宙空間かのように静かすぎるSF作品だと感じた。内容としては、これといって突出して良いとは思えないが、SF作品の不朽の名作と長年言われ続けている訳が観てわかりました。きっとそれは、ヴィジュアル面でしょう。すでに今、現実的には2001年はすぎてしまっているのですが、未だ2015年にしても、2001年宇宙の旅のヴィジュアルは遠い未来を思わせるヴィジュアルで、時代と共に劣化してしまわないヴィジュアルだから何年も未来を写し撮ったSF作品として成り立つのではないかと考えました。 ファッション面でもコスモルックのようなファッションが目立ち、色彩やファッション的なヴィジュアルでも、キューブリックのセンスの良さが目立ちました。

よくわからないけど良かった!もう一度見る!

ykiwkr ついに観ました。なんかよくわからないけどすごい。 映像美、カメラワークのかっこよさは言わずもがなでしょうが、 言いようのない恐怖感や閉塞感がたまらないです。 メッセージ性もちゃんと理解してみたいなぁ、もう何回か観てみます。