狂気の愛

狂気の愛

L'Amour Braque
1985年製作 フランス 100分 1987年11月28日上映
rating 4.5 4.5
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『狂気の愛』とは

愛する女性を手に入れるため、ギャングに抗争を仕掛ける破滅的な若者の狂気をスピード感たっぷりに描いた異色作。ドストエフスキーの『白痴』をもとにしたヴァイオレンスアクション映画である。『ポゼッション』のアンジェイ・ズラウスキーが監督。脚本はズラウスキーとエチエンヌ・ローダ=ジルの共同執筆。『ラ・ブーム』『ラ・ブーム2』でアイドル女優として人気を博したソフィー・マルソーが、抗争の発端となる女性マリーを蠱惑的に演じている。ソフィー・マルソーは本作で1985年マドリッド映画祭主演女優賞を受賞した。

『狂気の愛』のあらすじ

ディスニーキャラクターのお面を付けて銀行強盗をした4人組の男が乱痴気騒ぎをしながら逃走し、パリ行きの列車に乗り込んだ。強盗の首謀者である男ミッキーは、そこでハンガリーからやってきたという男レオンと出会う。意気投合した2人は、この出会いがその後の運命を左右することをまだ知らない。パリに着いたミッキーの目的は、愛する女性マリーを手に入れる事。暗黒街を取り仕切るヴナン兄弟に囲われている彼女を奪うため、ミッキーはレオンと仲間たちと共にアパルトマンへと向かう。アパルトマンを襲撃し、マリーを手に入れたミッキーだったのだが......。

『狂気の愛』のスタッフ・キャスト

『狂気の愛』の感想・評価・ネタバレ

  • southpumpkin
    southpumpkin 4 2016年12月7日

    『ポゼッション』での出会いが衝撃的であったアンジェイ・ズラウスキー監督の他作品の中で、最も手に取りやすい(というよりもその他の作品はレンタルが薄い)とのことで鑑賞した本作。鑑賞レベルは僕が観た映画の中でも最高難度だと思います。なぜ最難度なのか、なのにも関わらず本作が4.5なのかを順を追ってレビューしていきたい。 ドストエフスキー『白痴』を元にした本作。役者の男が電車で出会ったギャングの男に連れられて向かった先にいた絶世の美女。美女は別の組織に属しており、その組織、ギャング、そして主人公の男が狂気的に女を取り合う、という映画…。なのかどうか微妙です。なぜよくわからないのかというと、この映画に出演する役者がものすごいテンションで演じさせられているから。『ポゼッション』でもそうだったのですが、この映画では顕著です。わかりやすく言えば「藤原竜也の一番すごい時のテンションを、全ての役者がずっとやっている」って感じです。よく映画で「舞台的で過剰な演技だ〜」などと言われますが、そんな映画が緩く見えるくらい、この映画を超える過剰な演技の映画は知りません。皆が病的に可哀想に見えるくらい狂っているのです。ものすごいテンションにかき消され、映画の全貌がなかなか見えて来ません。上にあらすじも書きましたが、正しいかどうかはわかりません。さらにこれもアンジェイ・ズラウスキーの作家性なのでしょう、ぬるぬるとした怪しげで耽美な計算されたカット、さらにソフィー・マルソーの超人間的な美しさ(これも『ポゼッション』イザベル・アジャーニと同系列の美人)が観るものの頭を狂気へと誘います。 狂った映画は多くあります。しかしこの映画と同じジャンルにカテゴライズされる映画は、浅学ながら『ポゼッション』しか知りません。まさにアンジェイ・ズラウスキーの唯一無二な作家性が存分に味わえるということでしょう。好きな映画監督ができた、という意味で星4.5です。

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