アクト・オブ・キリング

The Act of Killing
2012年 デンマーク・ノルウェー・イギリス 121分
rating 3.9 3.9
90 62

「アクト・オブ・キリング」のスタッフ・キャスト

「アクト・オブ・キリング」の感想・評価・ネタバレ

  • mazda620
    mazda620 3.5 2016年11月2日

    60年代のインドネシア、共産主義者の大量虐殺をおこなってたギャング達が昔を思い出し、なんの悪びれもなく当時の再現ムービーを撮るというドキュメンタリー映画。ドキュメンタリーにしてはあまりに衝撃が強すぎる。映像としてはいたって普通のドキュメンタリーだけど、出てくる人間の感性が同じ人間として信じがたく、あまりに強烈すぎる。感性が違うとかいうレベルではない。この映画の捉え方はいろいろあるだろうけど、率直な感想としてかなり胸糞悪かった。 基本的に私はなんでも抵抗せず観れる方だと思うのだが終盤の、おっさんに吐き気が襲ってくるシーンらへんから見聞きしてるうちに相当気分が悪くなってきて、気付いたらイヤホンをはずしていた。 何百人を殺した重さもわからず、ニコニコしてるのも腹が立つけど、それ以上に無責任に笑っていたはずの人たちが演じていくうちにあっさり涙が出たり、その行動を体が自然と受け付けなくなっていることに異常に腹がたった。グロいとか気持ち悪いというのではなく、生理的にこの人たちを受け付けれなくて、見ればみるほどイライラして止めたくなったという感じ。(結局最後まで見たのだけれど) 今作の題材となった大量虐殺のことを私は一切知らなかったので、こんなナチスみたいな話がこの国にもあったのかっていうしょっぱなから結構唖然。インドネシアは一度行ったことがあって、ゆったりしててタイとかバングラデシュみたいにフレンドリーでニコニコした人ばかりで、だからこそこんな話無縁だと思っていて信じられなかった。 結局どこいったってこういう人間は必ずいるし、どの国もひっくり返してみれば同じようなことをやってきているから、この事でお国のイメージを決めたくはないけど、知らなかったぶんイメージとの差がすごすぎてものすごくショック。残酷なのは、この虐殺者達がインドネシア人らしいあったかいニコニコした表情をもっていること。結局殺害された人たちと同じように人間だから、涙が出るのも体が受け付けようとしないのも自然なことだと思うけど、そこで同じ人間だと認めざるおえなくなってしまうのが苦しい。認めてしまったらどこかで許してしまってるみたいで耐えられない。 アヒルを触る孫に、まだちっちゃいんだからもっと優しく触らなきゃだめだと教えるところは、どうしてそういう言葉が平気で出てくるのかと鳥肌がたつ。むしろ虐殺に罪悪感がないからこそ軽々しく出てきてしまった言葉なんだろうか。おっさん達が顔に塗ってるその血も傷も、必死に演じている悲しみも苦しみも傷みも、皮肉なくらいに安っぽくて。そんなもんじゃないからねって。そんな簡単に再現できることじゃないんだから。どんなにお金かけたって同じ感覚を得ることはないでしょう。考えていくうちに彼等が泣いていたのさえ演技に思えてきてしまう。アクトオブキリングだし。 虐殺は公然の秘密だというけれど、国やこのおっさん達に対して感じている思いこそ、実は公然の秘密なんじゃないかと思う。本当に彼等は周りから理解され指示されていただろうか。ドイツというよりもどちらかといえば北朝鮮っぽいかもしれない。国民の本音は少しも見えてこないけど。子供達は演技が終わっても泣き止まない、子供はストレートに意思表示するからすごくわかりやすい答えだったと思う。きっとみんな何が間違いなのか気づいていたはず。その上で国民も演じていたんじゃないかと思う。そう思いたい。

  • mongorichop
    mongorichop 3 2015年12月27日

    人間怖い

  • Tanaka_Hirofumi
    Tanaka_Hirofumi 4 2015年11月21日

    彼らは、いったい、何を、なぜ殺していたのか 自分が殺すべき対象が、生身の一人の人間であり、時に知人の親であったりすることでさえ、人間は無視することができる。 彼らが共産主義者であり共同体の敵であると思い込むことによって。 人間とは、社会とは、ということをとても考えさせられる ある条件が整えば、自分と同じ人間であるはずの相手を殺すことのできる存在 一方で家族や友人との時間を心穏やかに過ごすことを望む存在 日本では、自由、人権、平和その他を圧倒的多数の人が、一定以上、享受できているけれども、それは決して世界的に当然ではない この映画を見るまで、インドネシアという国で何があったのか、また、いまだにあり続けているのかを微塵も知らなかった日本人の一人として、私は、我が国を覆う無知と無恥を非情に危惧する。

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