恋人たち (2015)
恋人たち (2015)
2015年制作 日本 140分 2015年11月14日上映
rating 3.9 3.9
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『恋人たち (2015)』のTakakazu Kinoshitaの感想・評価・ネタバレ

Takakazu Kinoshita
Takakazu Kinoshita 5 2015年11月23日

2015/11/22 シネプレックス新座 前日のタマフル放送作品でしたが、敢えて聴取せず、事前情報を一切入れずに鑑賞。 今年ベスト級、というか見終わってからの余韻を含めると、今後も自分の心の中に残り続けるであろう大切な作品になると思います。 鑑賞して本当に良かった。また、都内でも単館上映のこの映画を上映してくれた地元の映画館にも有難うと御礼を言いたいです。 今の日本の閉塞感、ハッキリと自分の意見も言う事も憚かる社会、皆が何かしら問題を抱えている中でそれを受け止めるコミュニティ一や人間関係の欠如、コミュニケーションの破綻など、潜在している現実を3人の主人公達を通して否応無しにこの映画は突き付けてきます。 思わず目を背けたくなる様な先の見えない現実に対して、人はどう向き合って、どう折り合いをつけて、どう前に進んで行くのか、簡単に解決する事は出来なくても、傷みや苦しみを誰かが少しでも分かち合いする事だけでも、その人の助けになる事を一つの指針としてこの映画では示してくれます。 特にアツシが独りで抱え切れない深い問題に苦しみ、どうにもならない現実に思いの丈を剥き出しで吐露するシーンで、先輩である黒田が暖かく受け止め、アツシが堕ちる事がない様に諭すあのセリフは心に突き刺さります。 また、別の話の中で光石研演じる精肉業者が、(台詞からおそらく震災を経験して家や家族など何もかも失った事がきっかけで単身関東に流れてきた模様)自身のこの先の人生に希望を見出す事を諦め、堕ちていく様をアツシの反面教師として描いていた事で強く印象を残します。 並行して描かれる、他の2人の主人公について触れませんでしたが、こちらもそれぞれ良かったです。 ラストの指差し確認、そしてカーテンを解放した部屋の陽射しの明るさから、アツシが少しでも前に向けて人生を歩み始めた希望が見えて、目頭が熱くなりました。 因みに、こちらも録音してたのを敢えて鑑賞後に聴いたのですが、「TBSラジオ 荻上チキsession22 midnightsession」11/16橋口監督ゲストの回は必聴ですので、podcastをダウンロードできる方は是非!