スノー・ロワイヤル
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スノー・ロワイヤル

Cold Pursuit
2019年製作 アメリカ 119分 2019年6月7日上映
rating 3.9 3.9
5 2

『スノー・ロワイヤル』のスタッフ・キャスト

『スノー・ロワイヤル』の感想・評価・ネタバレ

  • amazon02
    amazon02 4 11日前

    拡散と集約のバランスが素晴らしいと感じた。 登場するキャラクターが親子、夫婦、恋人など集約する関係性を持ち、ストーリーが進むにつれて片方が死んだり退場して拡散する。 一方でストーリーもリーアム・ニーソンから始まり、息子を殺された父親の復讐劇になるのかと思いきや、息子を殺した組織、その手下、殺し屋、と、カメラの視点はどんどん外に向かって拡散していき、各々で走り出した復讐劇は終盤に至るまで中々収束していかない。 リーアムの主人公にフォーカスした復讐劇なら「96時間」シリーズのようになってしまうだろうし、かといって軸となる彼がいなければ「パルプフィクション」のようにエピソードのトラフィックが錯綜したままになっていただろう。 要するにストーリーテリングとして絶妙なのである。 一方で登場するキャラクター、特に男性キャラクターはエゴの塊であり、ある種のサイコパス要素を秘めている者ばかりである。主人公然り、敵役然り。彼らが犯した勘違いによる殺人が、町を丸ごと飲み込んだ組織の潰し合いに発展し、それが全てエゴの発露の結果というのが悲しい。 その戦いに一切女性は関わらない。 女の取り合いだとか、口車に乗せられてではなく、登場する女性キャラクターは全て、事態を外から俯瞰し続ける聡明さを見せつけて、下らないエゴで張り合う男性キャラクターとは全く対照的な立ち居振る舞いで、ストーリーの一翼を担うのである。 監督流の現実世界の仮託なのかと勘ぐりたくなる演出ではある。 鑑賞後に知ったことは、本作品は監督のセルフリメイクである事、もともと北欧の映画である事。 どおりでハリウッド的な一本調子の力押しでなかったわけだ。シニカルな視点、ハードな殺し、時折挟み込まれるユーモアは、 例えば殺人シーンが時間経過と共にほとんど描かれなくなり、死亡者の名前、ニックネームなどが文字で示されて終わったり、 除雪車のカタログがあんな遣われ方をするのか!というペーソースになっていたりすることで、自然と意識に入ってくる。 おもちゃ箱をひっくり返したような派手で大仰な作品も好きだが、本作のように感情の着地点が判らなくなるほど作劇の妙でこちらを揺さぶってくれる作品もやはり良い。 P.S. エンドロールの主要キャスト紹介は、タイトルが出てくるまで洒落ていて良い。反対に邦題「SNOW ROYALE」より原題の「COLD PURSUIT」の方が映画の本質を表していて好きだったなァ。 TOHOシネマズベイシティ 2019.06.08

  • southpumpkin
    southpumpkin 3 4月29日

    ciatrで記事にしましたのでそちらをどうぞ。https://ciatr.jp/topics/311845 余談ですが、本記事は久々のスランプを挟んだ難産だったので書きあがって本当に嬉しい…。

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