ガリーボーイ

ガリーボーイ

Gully Boy
2018年製作 インド 154分 2019年10月18日上映
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『ガリーボーイ』のスタッフ・キャスト

『ガリーボーイ』の感想・評価・ネタバレ

  • s_p_n_minaco
    s_p_n_minaco 0 2019年11月18日

    インド版『8mile』というよりロドリゲスの『ロードレーサーズ』を連想。スラムを抜け出そうともがき、仲間や家庭のしがらみ、チャンスに誘惑、恋人から愛想尽かされそうになりつつ運命を賭けたコンテストへ…と、この手の王道要素がたっぷり。但し、そのすべてが丁寧に描写され、もどかしく熱い魂をライムに乗せて炎のラップが炸裂する。こういうエンディングには泣き惜しみしない主義。 『慕情のアンソロジー』の一編では物言わぬ余白の凄みを映したゾーヤー・アクタル監督、今回は溢れ出る声声声。ラップバトルに尻込みするムラドは「お前の魂を何故他人が歌う?」と背中を押されるが、彼だけでなく泣いてばかりだった母親はじめ、次々と自分の声を上げていく人々。犯罪に手を染める友人や暴力で支配する父親も、やがて声の力を知る。声も腕力も激しい恋人サフィナはムラドからの電話を待つ。 何より、スラム全体に声の力が伝播していく。ムラドの声は彼だけのものでない、あそこでもがく大勢の声だ。車で泣いていた上流階級のお嬢様は、その声を持てるのだろうか。 インド伝統音楽を遮って聴くヒップホップ、要所でのラップバトルにMVシーンなど音のメリハリが効いていて、パフォーマンスは徐々に洗練されていく。クールなMCシェールも同じように家では居場所がなかったりするのがさりげなく悲しいが、でも彼の清々しさやラッパー仲間の連帯模様がまたカッコ良くて。そもそもインド人ラップが違和感なくハマってるし、学園祭のフォークシンガーもなんか良い。サフィナが最初に登場するバスの場面にはうわーっやられた、ってなった。2人のボディランゲージによる普段のコミュニケイションは、もしかしたら声以上に強いのかもしれない。

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