ドッグヴィル

ドッグヴィル

Dogville
2003年製作 デンマーク 177分 2004年2月21日上映
rating 3.8 3.8
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『ドッグヴィル』とは

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアーが監督を務める3時間。通常、映画には付き物のロケ撮影、街並みや家屋のセットなどの一切を排除し、スタジオの床にチョークで描くことで間取り、町、通りなどに見立て、そこに必要最低限の家具のみ配置。ギャングに追われ逃走中の女性が、孤立した村「ドッグヴィル」に辿り着いたことから巻き起こる9つのエピソードを、終始そのスタジオ空間内で名優たちが火花を散らす演技のみで表現させている。この問題作への出演に、ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー、ローレン・バコール、ジェームズ・カーンら錚々たるメンバーが名乗りを上げた。2003年カンヌ国際映画祭パルム・ドールにノミネートされている。

『ドッグヴィル』のあらすじ

その村の名はドッグヴィル。ロッキー山脈の麓に位置し、人口わずか23名の「陸の孤島」。ある日、村の住人でありその日は近郊に出掛けていた青年トムは、銃声と共に逃げ惑う女性を発見し、追っ手であるギャングたちから咄嗟に匿う。逃げおおせた美しい女性はグレースといい、トムはほとぼりが冷めるまで彼女を村に置くことを村民に提案。みな快諾する。 こうして、村での肉体労働に従事することで恩返しを始め、村民とも徐々に打ち解けてきたグレースだったが、やがて地元警察からの手配書が回り、グレースに強盗容疑が掛けられていることが村全体に知れ渡る。もとより排他的な村民たちの態度は急変し、グレースは奴隷同然の扱いを受け始める……。

『ドッグヴィル』のスタッフ・キャスト

『ドッグヴィル』の感想・評価・ネタバレ

  • 森本航洋
    森本航洋 3 2017年9月25日

    人間の泥臭い部分だったり、人生を歩んでいく上で無意識に感じてるネバネバした感情だったり、そういう表現しづらい感情を一番不適切な表現で映像化した感じかな。 ひたすらスローテンポでダラダラしてて気持ち悪いし、美術セットとか役者の演技もただただ気味が悪いけど、なんかすごいよかったなぁって…。 これはラースフォントリアーにしか撮れないわ。絶対。

  • サムライ
    サムライ 5 2016年12月6日

    2016.12.06 DVD 鬱映画とよく耳にしてはいましたが、まさかあんな味気ない舞台での話とは思いもしていませんでした。 人間とはこういうものだと突きつけられるようで見ていて苦しいですがかなり惹きこまれました。もう一回は当分先でしょうが…笑

  • mazda

    トリアーの秀作、本当にこういう映画を作る彼を全力で素晴らしいって思える。人間の本質をありのままに引き出す、私たちまるごと見透かされてるみたい。 映画の中には建物も壁もでてこなくて、1つのスタジオにチョークで枠をかいただけで演出した小さな村でおきた話。ギャングから逃げてきた美女を村一体でかくまう優しい村人たち。それは、一変する。 もともとがそういう根の腐った人間だったのか、彼女と過ごしていくうちに腐っていったのか。どちらにしろ完璧な善は存在しない。 どんどん過剰になる酷な労働も、無神経すぎる馴れ合いも、他人を最大限利用する安易な行動も考えも、なにもかも道徳心のかけらもない。あわよくば精神の塊。 トリアーのあらゆる作品にいえることだけど、この映画を見る全ての人間を彼は皮肉ってる。村も彼女も、優しくてゆるやかで幸福な一時は、観者に率直に「優しい人」と感じさせておきながら、村が変化したとたん「最低な人間」と感じさせ、最低な人間達のラストの衝撃を「残酷」と思わせる。この映画を見てる私たちこそ、身勝手で傲慢な感想を抱いてることに気づく。 残酷だし気持ちの良い終わり方では決してないけど、筋の通った結末。安易な同情なんていらない。「可哀想」と思うことが既に誰かから見て善ではない。 すごく衝撃をうけた映画だったのだけど言葉にできない、言葉にした瞬間に嘘くさい哲学にしか聞こえなくなってしまう気がして説明したくない。 チョークで描かれただけの村が一瞬にして線が消えたことからこの村全体の脆さを感じた。壁がないことによって村の醜さ全てを見通せる、素晴らしい撮影方法だった。この映画はフィクションだけど私たちのすぐ近くのことを描いていたと思う。

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