
『恐怖分子』のスタッフ・キャスト
『恐怖分子』の感想・評価・ネタバレ
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音楽が全然使われてないので、雰囲気がより伝わる。色がよかった。
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どのショットも目が離せない。 顔写真がパタパタ動くシーン、美しい。映画芸術とはこういうことなのかも。 レコードでかかってた曲、なに?
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様々な人間模様が交錯する、数々の「分かり合えない」と共に日常がじわじわ崩れていく様子を描いた作品です。本作では、表面では良い夫婦関係に見え隠れする不満や裏切り、無関心。地位と金を得るために、卑劣な手を使って仲間を蹴落とす医者。純粋な愛情を示す青年とそれを理解できない少女。の様々な関係からみた人間模様を題材に台湾の資本主義のもと物質的に豊かになる一方で、貧弱化していく現代人の人間関係と孤独を描く。 物質主義のもと、劇中様々な“物”が映し出される。青年の持つ少女を見るためのカメラ。少女が孤独な心を癒すために知らない人にかける電話。嫌気がさした人間関係に終止符を打つ拳銃。何かに頼らないと他者と関係を結ぶことも断つこともできない現代人の不器用さが見て取れる。今ではもっとそれは加速している。ネット社会の現在では、面と向かって相手と感情をぶつけ合う機会はますますなくなってきているんじゃないかな。 この作品は自分にも起こり得る、他人事に思えない作品です。 音楽はほとんどないが、日常生活の中で身近な音(静かな部屋に突然鳴る電話、朝までずっと回る扇風機、都会の喧騒、滴り落ちる水、足音…etc)が特徴的に使われている。それがどれも身近過ぎて、より視聴者に現実的な身近さを感じさせるから恐怖である。 色を多用している映像と、無機質で無彩色な人間模様が同じ画面にいるのも面白い。